キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2019.01.11

若手薬剤師の必読書。スキルアップに役立つおすすめ本9選

若手薬剤師の必読書。スキルアップに役立つおすすめ本9選

「薬剤師としてもっと知識を増やしたい」「キャリアアップのために勉強をしたい」という場合には、本を読むこともおすすめです。

今回は転職や同じ職場でのキャリアアップを経験した先輩薬剤師の方に、「ぜひ若手の薬剤師に読んで欲しい!」という本を選出してもらいました。今後のスキルアップのためにぜひ参考にしてみてください。

知識を増やしたい薬剤師におすすめの本

1:薬局で使える実践薬学(山本雄一郎)

薬局で使える実践薬学
  • 著者:山本雄一郎
  • 出版社:日経BP社
  • 発行年:2017年

日経ドラッグインフォメーションの情報サイト「DI Online」の人気コラム、「薬局にソクラテスがやってきた」で有名な山本 雄一郎先生の著書です。

「ひのくにノ薬局」という仮想の薬局で開かれる月1回の勉強会にて、若手薬剤師のケンシロウとあゆみさん、ユウさんがさまざまな難題に挑みます。内容も盛りだくさんですが、対話形式で書かれているため楽しく読み進めることができます。

この本では薬学において幅広い内容が考察されており、学生時代に学んだ内容について、実際の業務に生かすポイントを教えてくれます。わかったつもりの説明から脱し、薬の知識を踏まえた考え方である「実践薬学」をマスターすることができる一冊です。

2:誰も教えてくれなかった実践薬歴(山本雄一郎)

誰も教えてくれなかった実践薬歴
  • 著者:山本雄一郎
  • 出版社:じほう
  • 発行年:2018年

山本 雄一郎先生の最新著書であり、「薬歴」にフォーカスを当てた内容となっています。薬剤師にとって薬歴は、非常に大切なツールの一つです。しかし、これまでは薬歴の書き方やノウハウは形になっておらず、独学や先輩薬剤師からの指導によって、薬歴の書き方を身につけることがほとんどでした。

この本では、症例ベースで薬学管理の実践的な考え方を学び、現場で活用できる薬歴のスキルを身につけることができます。全5章からなる内容で、薬歴の歴史や高齢者の薬歴など、テーマごとに興味を誘う内容が用意されています。新人からベテランまで、すべての薬剤師におすすめできる一冊です。

3:薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(児島悠史)

薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100
  • 著者:児島悠史

  • 出版社:羊土社

  • 発行年:2017年

薬の比較がわかりやすいと評判のブログ「お薬Q&A〜Fizz Drug Information〜」の管理者でもある、児島 悠史先生の著書です。薬剤師として働いていれば、患者さまから「前の薬とどう違うの?」という質問をされることは珍しくありません。また医師や看護師から、薬効の似たお薬との違いを問われることもあるでしょう。

この本では、各薬とその類似薬との違いがわかりやすく解説されています。図やまとめによって、一目で分かるように工夫されていることもポイントです。約730点の参考文献にもとづいているので、エビデンスにも優れていると言えるでしょう。服薬指導のみならず、疑義照会や処方提案にも生かせるので、非常におすすめできる一冊です。

4:薬効別 服薬指導マニュアル 第9版(田中良子ほか)

薬効別 服薬指導マニュアル 第9版
  • 著者:田中良子ほか

  • 出版社:じほう

  • 発行年:2018年

多くの薬局薬剤師から支持され続けている、服薬指導マニュアルの最新版です。調剤薬局で働いていても、すべてのお薬のことを網羅できるわけではありません。時には調剤経験のないお薬の服薬指導をしなくてはならないケースもあるので、本書のように服薬指導について調べるためのツールを用意しておくことが重要です。

この本では、全70薬効について服薬の説明に必要なポイントが網羅されています。主な副作用ごとの確認すべき症状と対策、重大な副作用、妊婦・授乳婦への危険度など、現場で聞かれやすい質問にも対応しています。患者さま向けのかみ砕いた説明もわかりやすくまとめられているので、新人薬剤師にもおすすめできる一冊です。

5:くすりのかたち-もし薬剤師が薬の化学構造式をもう一度勉強したら(浅井考介・柴田奈央)

くすりのかたち-もし薬剤師が薬の化学構造式をもう一度勉強したら
  • 著者:浅井 考介、柴田 奈央

  • 出版社:南山堂

  • 発行年:2013年

タイトルのとおり「もし薬剤師が薬の化学構造式をもう一度勉強したら」というコンセプトにもとづいて執筆された本です。化学構造式を読み取ることができれば、効果や副作用、分解性、排泄経路などの薬の性質を推測することも難しくありません。添付文書だけでは知ることのできない内容を、薬の構造式から読み取り、それを臨床の現場に生かすことができるようになります。

現場ではたらく期間が長くなればなるほど、化学構造式から離れていってしまいます。しかし、大学や高校時代に学んだ有機化学の知識を思い出すことも重要です。化学構造式のイラストだけでなく、擬人化による解説などがわかりやすく、おすすめの一冊です。

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キャリアアップをしたい薬剤師におすすめの本

6:薬学生・薬剤師のためのキャリアデザインブック vol.2(西鶴智香)

薬学生・薬剤師のためのキャリアデザインブック vol.2
  • 著者:西鶴 智香

  • 出版社:薬事日報社

  • 発行年:2017年

壁を感じている薬剤師のための本であり、「キャリアデザイン」について学ぶことができます。薬剤師にはさまざまなキャリアがあるため、この働き方は成功だ、あるいは失敗だと一概には言えないでしょう。

自分自身が描く理想の薬剤師像を持ち、必要な基盤となる能力や態度を身につけていくことが、キャリアアップのために重要です。ワークシートが付いているので、自分自身のプランを書き込むことができます。手を動かしながら、自分自身のキャリアと向き合うことができることが特徴です。

薬学生が将来を模索することにも利用できますが、新人薬剤師が今後のキャリアアップを考えるときにも、非常に役立つ一冊です。

7:薬局マネジメント3.0(狭間研至)

薬局マネジメント3.0
  • 著者:狭間 研至

  • 出版社:評言社

  • 発行年:2015年

こちらは、薬剤師のなかでは知らない人はいないともいえる、狭間研至先生の著書です。医師でありながら薬局経営者という特殊な視点から、薬局を経営する薬剤師が行うべき役割と本質が解かれています。

今後生き残るための調剤薬局の指針や、マネジメントの方法を学ぶことができます。マーケティングや薬局経営についても触れられているので、将来的に独立を目指す薬剤師は必読すべきですね。

また、本書では薬剤師の今後についても触れられており、薬剤師が変わっていく「薬剤師3.0」も必要だと強調されています。医療の問題の解決ができる、新時代の薬剤師の役割が明確に書かれているので、現場の薬剤師としてキャリアアップを目指す場合にとっておすすめの一冊です。

8:『さあ、才能(自分)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(トラ・ムス)

さあ、才能(自分)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
  • 著者:トラ・ムス(訳:古屋 博子)

  • 出版社:日本経済新聞出版社

  • 発行年:2017年

日々の仕事はもちろん、この先のキャリアを考えるうえで、自分自身を知ることはとても大事です。苦手を克服することは時には必要ですが、自分の強みを生活や仕事にいかに活かしていくかを知り伸ばすことが最も大切でしょう。

34の資質の中の自分の強みTop5が分かる、ストレングス・ファインダー診断テスト付き。実際に自分のタイプを知ることができるのがこの本の特徴です。就活を成功させたい薬学生、転職を考えていたり今後のキャリアに迷っていたりする薬剤師、夢に向かって加速したい方々には特におすすめです。

9:『わたしは漢方美人』(遠野かず実)

わたしは漢方美人(C)遠野かず実/集英社クリエイティブ
  • 著者:遠野 かず実(監修:江島 俊哉)

  • 出版社:集英社クリエイティブコミックス

  • 発行年:2016年

登場人物である福岡の漢方薬局「漢方 大里薬局」の江島俊哉氏が監修。素人による、素人のための、素人目線の漢方まんがであり、とても読みやすい本です。

著者のまんが家・遠野氏と薬剤師・江島氏のやり取りがメインですが、漢方というよりも体質を知り養生の大切さを伝えているお話です。

テーマが症状別になっており、患者さまへのアドバイスとして使える豆知識が多く盛り込まれています。またこういう薬剤師像もあるのだなと、今後のキャリアの幅を広げるきっかけにもなるでしょう。

先輩薬剤師が薦めるおすすめ本を読んで、スキルアップを目指しましょう

薬剤師として知識を身につけるためには、添付文書やインタビューフォーム、疾患のガイドラインなどをしっかりと学ぶことが基本です。しかし、この記事でご紹介した書籍のように、今後のキャリアを考えていく上では、幅広い方面で活躍している先輩薬剤師の経験や考えを知ることも非常に重要です。

今後の薬剤師人生において、現在の職場でのスキルアップを目指す方もいれば、転職という選択肢を選ぶ方もいるでしょう。そういった際には、自分の視野を広げる本を読むことで、違った角度からスキルアップを見直すことも忘れてはいけません。通勤時間やお昼休憩などの時間を有効に活用して、薬剤師としてのレベルアップを目指しましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2019/01/11

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