Vol.7 今後も薬剤師として働き続けるために、在宅への取り組みは不可欠!?


2012年の調剤報酬改定でも重点的に評価された「在宅医療」分野。薬価のマイナス改定をはじめ、一部薬局には厳しい内容が盛り込まれる中で、在宅医療は数少ない成長分野であることは間違いありません。弊社へ寄せられるご相談の中でも、「在宅医療」へ関心を寄せる方は増えています。今回は在宅医療への取り組みと、今後の薬剤師としてのキャリア形成についてお話します

「在宅医療」に取り組む意義とやりがいを知ることが重要


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薬剤師の「在宅業務」と一口に言っても、その業務内容は多様です。ご自宅や高齢者施設へお薬を届けるだけではなく、服薬指導や服薬支援、残薬管理や薬歴管理などから、終末期医療の緩和ケア業務、無菌調剤室での製剤といった専門業務に至るまで広範囲に及びます。そしてご家族や介護者に説明をしたり、ときには患者さんの話し相手となることもあります。また、服薬指導も患者さんの服薬コンプライアンスをあげるため、飲み忘れ防止の指導や、薬剤の一包化や簡略化といった処方内容の見直しを提案することも重要な業務であり、決して楽な仕事ばかりではありません。しかし、医師や訪問看護師、ケアマネージャーたちと連携を密に取り、薬剤師として積極的にチーム医療に参加し、地域医療を支えていくという点が、なんといっても最大の魅力であり、そこにやりがいを感じられるかどうかがポイントです。

 

在宅医療の取り組みは、薬局が生き残れるかどうかの重要なポイント


国が進めている医療費削減策により、療養病床は削減され、団塊の世代が後期高齢者となる"超高齢化社会"時代には、多くの方が病院ではなく自宅や高齢者施設で療養し、介護を受けることになります。2012年の調剤報酬改定においても、その色は一層強くなりました。薬価のマイナス改定をはじめ、基準調剤加算の基準厳格化など、薬局の経営を圧迫する内容が盛り込まれました。そんな中で、薬局の収入を確保できる数少ない成長分野として挙げられるのが「在宅医療」です。今後も在宅分野へ取り組みを行わない薬局は、在宅患者調剤加算等が算定できず収入が減少するばかりか、薬局に通う患者さんの何割かが、在宅介護者となった際には、経営に大きなダメージを与えかねず、安定した経営を続けることは困難になることが予想できます。これからの薬局経営にとって「在宅医療」は切り離すことができない最重要ポイントのひとつなのです。

 

これからも求められる薬剤師になるためには、在宅の経験は武器に


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いずれ訪れるかもしれない薬剤師過剰時代でも「求められる薬剤師」として活躍を続けていくには、"スキル"や"経験"といった武器を身につけなくてはなりません。ご自宅を訪問すれば、より丁寧な服薬指導が求められたり、予期せぬ質問や健康相談を受けることもあります。そんなときにも適切な判断・対応をすることで、薬剤師としての応用力も身に着くでしょう。そうした在宅医療の経験は、間違いなく今後のキャリアにも価値の高い「強み」となります。
さらに、ほとんどの6年制薬剤師たちは実習で在宅医療の現場を経験しています。在宅医療に抵抗を感じる学生は少なく、やりがいと高い志を持ち、積極的に在宅医療に取り組む薬局を進路に選ぶ方も少なくありません。将来独立を考えている方や、地域医療に貢献したいとお考えの方はもちろん、今後10年、20年と薬剤師として働きたいと考えている方は、すでに在宅医療の道を選び始めています。
これからの日本の医療になくてはならない存在として活躍できるよう、ファルマスタッフでは全力でサポートさせていただきます。

 

編集後記

今回は薬剤師の皆さんの注目も高い「在宅医療」をテーマに取り上げました。興味はあり、必要性も感じているものの、「在宅=大変」というイメージをお持ちの方も少なくないと思います。ただ、3つめのポイントでも挙げた様に、今後も薬剤師として働き続けるには重要な経験となります。在宅をはじめ今後のキャリアについてお悩みがあれば、ファルマスタッフにご相談ください。

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