Vol.12 これからの病院薬剤師の仕事はどのように変わる?


分業率も高まり、病院薬剤師のあり方にも変化が訪れています。今後の病院薬剤師の仕事はどうなるのでしょうか。今回はファルマスタッフに寄せられた若手薬剤師からの悩みをもとに、「これからの病院薬剤師」について需要予測を中心にお話しします。

病院薬剤師の仕事は変わるか?


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急性期病院で薬剤師としてキャリアを積んできたという20代のKさんからこんなお悩みが寄せられました。 「新卒からずっと病院に勤務しており、7年目を迎えました。仕事は充実していて、毎日素晴らしい経験ができとても満足しているのですが、一方で今後も病院薬剤師としてキャリアを積んでいくことに不安も感じています。院外処方も増え、病院内での薬剤師の仕事は減っていくのでしょうか?今後の病院薬剤師はどうなるのでしょうか?」
Kさんが不安に感じていることは、大きく分けて"病院薬剤師の今後の需要はどうなるのか"という点と"これからの病院薬剤師に求められるスキルは変わるか"の2点になります。数年前と比べて全国で分業率も伸び、病院薬剤師の業務の中で外来調剤は減少傾向にあります。それに伴い病院薬剤師のあり方にも少しずつ変化が出始めています。今回はこの2点を中心に、これからの病院薬剤師についてお話しします。

 

病院薬剤師の需要予測


まず"今後、病院薬剤師の需要はどうなるのか"についてです。現在は、2012年度診療報酬改定において「病棟配置加算」が設置されたことが影響し、病棟業務を中心に薬剤師の需要が増しています。採用を強化している病院も多く、この動きは数年続くのではないかと見られています。たしかに病院薬剤師の業務の中で外来調剤は減少傾向にありますが、すぐに薬剤師の役割が縮小することはないでしょう。病院薬剤師の職務領域は診療報酬改定を追い風に、ますます服薬指導などの「病棟業務」にシフトしていくことでしょう。
そして「病棟業務」に代表されるように、病院薬剤師の業務は薬剤師にしかできない高度な専門性をもった業務が中心となっていき、薬剤師以外のスタッフでも行える業務については、今後ますます減っていくのではないかとも言われています。言い換えれば今後10年先を見据えた場合、スキルを持たない病院薬剤師は過剰になる、ということでもあります。これから先も病院薬剤師としてキャリアを積みたいとお考えであれば、確かな経験・知識を備えていくことがポイントとなるでしょう。

 

これからの病院薬剤師に求められるスキル


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これからの病院薬剤師にはより高度な専門性が求められると考えられています。具体的にどのような経験かというと、カンファレンスへの参加やチーム医療への積極的な参加が求められる傾向は一層強くなるでしょう。チーム医療においては、専門家という立場から処方の設計などのアドバイスが求められるシーンも増えていくのではないでしょうか。
また、加速する高齢化を見据え、がん治療や緩和ケアといった分野の経験や知識は今後ますます評価されることでしょう。そして「病棟業務」やチーム医療との係わりをメインとして仕事をしていくということは、あらゆる立場の方と接する機会が増えることでもあり、高いコミュニケーション能力が求められることにもつながります。
10年先も病院薬剤師として活躍できるスキルを伸ばしていくのか、どんな病院薬剤師になりたいのか、という視点に立って、改めて「病院薬剤師」としてのキャリアを見つめ直してみても良いかもしれませんね。

参考:厚生労働科学研究費補助金「薬剤師需給動向の予測に関する研究」

 

編集後記

"10年後"というと2020年代で、65歳以上の人口が全体の30%を超えている予測です。そんな時代の病院薬剤師を考えれば、当然今よりもっと病棟業務の必要性も高まり、薬剤師の担う役割も変化していることでしょう。先を見据え、今できる経験を積むことも大切です。今後のキャリアに不安を感じたら、まずはファルマスタッフにご相談ください。病院への転職もお任せください!

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