服薬指導に活かす医薬品情報

 

トラゼンタ錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は、「2型糖尿病」で、他の血糖降下薬やインスリンとの併用が可能です。
通常5mgを1日1回経口投与します。本剤の血漿中のDPP-4活性に対する阻害作用(80%以上)は24時間持続します。
国内臨床試験(単剤療法)では1日1回12週投与後のベースラインHbA1cからの平均変化量は-0.49とプラセボの0.39に対して優位な差が認められています。

Q

他のDPP-4阻害剤との違いは?

A

DPP-4阻害剤は腎排泄型の薬剤が多いですが、本剤は主に胆汁から未変化体で排泄されるため、腎機能・肝機能の程度によらず同一用量で投与でき、透析患者さまでも服用可能です。
2017年2月時点で発売されているDPP-4阻害剤を下記の表にまとめました。
商品名 一般名 服用回数 半減期(h) 排泄経路 備考
グラクティブジャヌビア シダグリプチン 1日1回 12 腎機能障害患者→減量
エクア ビルダグリプチン 1日1-2回 2.4 重度肝機能障害患者→禁忌、腎機能障害患者→減量
ネシーナ アログリプチン 1日1回 17 腎機能障害患者→減量
トラゼンタ リナグリプチン 1日1回 105 胆汁 -
テネリア テネリグリプチン 1日1回 24.2 胆汁/腎 -
スイニー アナグリプチン 1日2回 2 腎機能障害患者→減量
オングリザ サキサブリプチン 1日1回 7 腎機能障害患者→減量
ザファテック トレラグリプチン 週1回 18.5 週1回投与でDPP-4阻害作用が持続(臨床試験)
腎機能障害患者→減量
マリゼブ オマリグリプチン 週1回 82.5 体内分布率が高い、尿細管で再吸収され体内循環を繰り返す。
腎機能障害患者→減量

Q

注意すべき副作用は?

A

重大な副作用として、低血糖症、腸閉塞、肝機能障害、類天疱瘡が報告されています。
単独投与時の低血糖発現率は低いのですが、SU剤又はインスリン製剤と併用する場合に低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、併用薬の減量を検討するとともに、強い空腹感、体のだるさ、冷や汗、動悸、脱力等の症状の有無を確認しましょう。
低血糖が認められた場合には糖質を含む食品(α-GI併用中はブドウ糖)を摂取します。その他、便秘、鼓腸、腹部膨満等も報告されています。

Q

【番外】糖尿病で下痢・便秘?

A

慢性的な高血糖状態が続くと、下痢あるいは便秘が続いたり、繰り返し交互に起こることがあります。
これは糖尿病の合併症の1つである「神経障害」によるもので、高血糖が原因で腸の自律神経が障害され、機能異常をきたすことが原因です。消化器症状の他には発汗異常、起立性低血圧、膀胱機能異常等、自律神経が関与する臓器に症状があらわれます。

このように高血糖状態を放っておくと日常生活に大きな影響を与えてしまうこともあるため、血糖を良好にコントロールすることは非常に重要です。軽症の場合には、併せて生活習慣の改善を行えば改善することが多いですが、神経障害が進展している場合には、症状に応じた治療が必要となります。

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