服薬指導に活かす医薬品情報

 

コロネル錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)における便通異常(下痢・便秘)と消化器症状の適応を有します。IBSは症状によって「下痢型」、「便秘型」、下痢と便秘を交互に繰り返す「混合型」に分類されます。
本剤は高分子化合物であり消化管からは吸収されません。下痢時には増加した水分を吸収してゲル化することで通過時間を延長させて排便回数を減らします。一方、便秘時には水分を吸水して軟化させ、また膨潤することで容量を増加させ腸を刺激して排便回数を増やします。IBSは検査でも異常が認められず、その発症には精神的・身体的ストレスや低繊維食など様々な因子が複雑に関与していて特定できない場合が多いため、症状に応じた薬剤が用いられます。止瀉剤や緩下剤は効きすぎると便秘や下痢を誘発しますが、本剤は下痢と便秘の両方に有用です。

Q

作用機序は?

A

胃内の酸性条件下でCaを離脱してポリカルボフィルとなり、大腸や小腸の中性条件下で吸水・保水して効果を発揮します。胃内が酸性条件下でない、例えば無酸症や低酸症と推定される方、胃全切除された患者さま、PPIやH2阻害薬、制酸剤を服用されている患者さまはCaが離脱せずに効果が十分発揮されない可能性があります。
またCa剤併用により、Caが離脱したポリカルボフィルにCaが再結合して効果が減弱する恐れがあります。

Q

用法・用量は?

A

1.5~3.0g/日(下痢に対しては1.5g/日から開始することが望ましい)を毎食後に服用します。酸分泌が最も盛んな食後に服用することで本剤のCaが離脱して十分な効果を発揮すると考えられています。

Q

服用時の注意点は?

A

滑りを良くするためにフィルムコート錠になっていますが、服用の際に飲水量が十分でないと途中でつかえて膨張し、喉や食道を閉塞する恐れがあります。コップ1杯程度の水で服用するよう伝えましょう。

Q

投与禁忌は?

A

本剤は腸粘膜を刺激し蠕動運動を亢進させるため、虫垂炎や腸出血、潰瘍性結腸炎などの急性腹部疾患を悪化させる恐れがあります。
クローン病や潰瘍性大腸炎では腸管の狭小化や狭窄が認められる場合があり、本剤により炎症症状が悪化し腸閉塞を発症する恐れがあります。
また本剤は腸管内で膨潤するため術後イレウスなど、胃腸閉塞を引き起こす恐れのある方は症状を悪化させる可能性があります。
本剤は吸収されませんが遊離したCaは吸収されます。そのため高Ca血症の患者さまが服用した場合に尿細管や糸球体の機能障害が発現・悪化する恐れがあります。腎結石の患者さまでは病状悪化や腎の石灰化・尿酸結石を誘発する恐れがあります。更にCa排泄が十分行われず組織への石灰沈着を助長する恐れがあるので軽度及び透析中を除く腎不全の患者さまには投与禁忌です。
本剤のCa含有量はポリカルボフィルCa乾燥重量の約20%、1錠あたり約100mgです。

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