薬局探訪
2018.03.06

カメイ株式会社 インタビュー

カメイ株式会社 インタビュー

ファーマシー事業部
板垣 政幸さん

くらしの中に未来をひらく

仙台に本社を置き、東北地方を中心にグループ全体で100店舗以上を運営しているカメイ調剤薬局。医療人としての知識はもちろん、地域の方々のかかりつけ薬局となるため、全社でサービス業としての接遇力の向上にも取り組んでいます。今回は、そんなカメイ調剤薬局で大阪エリアの店舗統括を行う板垣様にお話をお聞きしました。


仙台を本社に関東、東海、関西に100店舗を展開


最初に、カメイ調剤薬局の紹介をお願いします。

カメイ調剤薬局は、本社を仙台におきますカメイ株式会社のファーマシー事業部の保険薬局として東北地方を中心に関東、東海、関西にグループ全体で100店舗以上の展開をしています。 現在、関西地区の直営店は10店舗、関係会社2社のグループ薬局は12店舗、計22店舗となっています。

板垣様のお仕事をご紹介いただけますか?

私は管理薬剤師として、宮城県の店舗勤務を経て、現在は、関西地区の店舗を統括するため、エリアマネージャーとして複数の店舗のマネジメントを行っています。

カメイ調剤薬局様の特徴をお聞かせください。

地域に密着して「安心、信頼、納得、快適」をコンセプトにした薬局です。医療人としての知識はもちろん、患者様に寄り添って、快適に過ごしていただくための接遇力向上にも力を注いでいます。特に患者様とのコミュニケーションを大切にしております。

imageお伺いしたカメイ調剤薬局守口大和田店

コミュニケーションを重視し、全社で接遇研修を実施


接遇力を上げるために取り組んでいることはありますか?

積極的に研修を行っています。当社の研修の特徴は、座学による知識の習得はもちろん、プレゼンテーションやディスカッションを行うことにより、疾病に関する臨床知識、服薬指導技術、情報処理能力及びコミュニケーション能力の向上を目指していることだと思います。 最も特徴的なのは、全社で接遇研修を継続している点です。外部講師を招いて、本社と各地区で実施しており、今年で9年目になります。 研修だけではなく、店舗でもコミュニケーションを重視して患者様と対応しています。患者様の状態や生活が見えてこなければ、適切な服薬指導を行うこともできないと考えています。相談しやすいとは、単純にお話ししやすいことだと考え、あまり薬や疾患と関係ないことだと思っても、まずは時間をとってじっくりとお話を「聴く」ということを重視しています。

カメイ調剤薬局の社風はどのようなものでしょうか?

風通しがよく、上司と部下の関係が良好な職場だと思います。接遇力は外に向けてだけではなく、内部にも生かされており、相談しやすい雰囲気がありますので、業務に関する提案もしやすい環境です。 薬剤師業務としては、薬を袋につめて渡すだけという薬局も存在すると思いますが、当社としてはまず患者様とのコミュニケーションを優先するため、余裕をもった人員配置を行い、お話しする時間をつくるようにしております。 労務管理も徹底しています。残業は申告制になっているため、サービス残業は一切ありません。女性の場合、産休、育休も取りやすいので、ほとんどのスタッフが取得後に復職しています。

学習システムの充実と設備投資で患者様とのコミュニケーションを後押し


採用の流れについて教えてください。

書類選考を行った後、採用予定のエリアで一次面接を行います。正社員以外の方はここで採用を決定しますが、正社員採用の場合は、仙台の本社で最終面接をしています。

どのような点を重視して採用していますか?

会社の理念に共感していただける明るい方ですね。コミュニケーション力があればなおよいと思います。 しかし、私たちが考えるコミュニケーションとは、話す力よりも「聴く力」が大切だと考えています。口下手で話すことに自信がないという方でも、患者様のお話をしっかりと聴くことができる方でしたら、周囲のスタッフがサポートしますので、活躍してもらえると思います。

入社後のキャリアプランはどのようになっていますか?

できる限り社員の希望を考慮しております。 引越しを伴う異動がない職場で仕事をすることもできますし、もちろん、キャリアップしたい社員には成果に応じてポジションも与えられます。

教育制度はどのようになっていますか?

入社後、ステージに合わせて、新人薬剤師研修、薬剤師卒後研修、キャリアアップ研修を実施しています。 キャリアアップの一環として、認定薬剤師の単位申請に対応したeラーニング(JPラーニング)を活用しています。学習内容は、医薬品・疾患をベースにした実務知識から保険薬剤師に必要な法律や保険制度まで幅広いテーマで構成されています。どの講座からでも学習できるので、各自の知識レベルに合わせた学習システムになっています。 また、スマートフォンで学習ができるので、空いている時間などに全員が無理なく学習ができます。 店舗によっては、併設のクリニックの診療科目によって、処方が偏ることもあります。このように総合的な知識を身につけることができる教育システムを整えることで、薬剤師としてのスキルアップや認定薬剤師の資格取得をバックアップしています。

職場環境を整えるためにやっていることはありますか?

各店舗の薬剤師の人数を多くしている点だと思います。処方枚数が多くなりすぎず、患者様とのコミュニケーションの時間を確保するためです。 そのために、各店舗の設備を充実させています。例えば、お子様の患者様が多い店舗では水剤定量分注機を導入して薬剤師の調剤業務を効率化して、患者様とのコミュニケーションの時間を取れるようにしています。 また、調剤した薬が正しいかどうかを判定する鑑査レンジを全店に導入しております。 当然、薬剤師の目でも確認しますが、機械の客観的な目を利用することで、絶対の安心を提供すると共に、薬剤師の精神的な負担軽減に取り組んでいます。

image水剤定量分注機、鑑査レンジなど、薬剤師の業務を効率化するための設備には特に力を入れているとのこと。
image薬局内にはクリスマス用の飾りやわかりやすい商品の紹介が。 職員の皆さんの手作りで、小さなお子様にも好評だそう。

患者様のよき相談役として、「くらしの中に未来をひらく」


かかりつけ薬剤師について、どのように取り組んでいますか?

患者様の健康をサポートするために大切な役割だと考えています。しかし、調剤報酬改定への対応が目的ではなく、あくまで患者様のサポートのため、ということに重きを置いています。 改定以前からスタッフ持ち回りで、患者様からの問い合わせへの24時間対応を実施しています。 かかりつけ薬剤師に関しては、こちらから無理に同意を取得するのではなく、サポートが必要と思われる方への提案とし、あくまで患者様のご要望に合わせるという姿勢です。

これから重要になると言われている在宅に関してはいかがですか?

こちらも、ご要望があればお引き受けしています。かかりつけ薬剤師と同様に、患者様のご様子を拝見して、必要と判断した場合はこちらから提案も致します。 ご自宅や施設まで伺いますので、患者様に安心していただくためには、日頃からしっかりとしたコミュニケーションを取ることが大切だと考えています。 カメイ調剤薬局では、在宅医療を専門的に行う「在宅医療支援センター」を立ち上げて、対応を行っております。そこで得たノウハウは、グループ全体で共有し、他店舗でも地域の在宅医療の輪の中に入ることができています。今後確実に訪れる超高齢化社会においては、さらに在宅対応が求められてくることが予想されます。それを支える地域医療の一端を担っていけるよう、在宅は積極的にお引き受けします。

今後のビジョンを教えてください。

会社として長い間目標としていたグループ100店舗を今年度達成したので、次の目標は「10年後に250店舗」を目指して参ります。 私たちの目標としては、関西地区でもカメイが浸透することです。本社のある仙台出身の方にご来局いただきますと、関西地区の店舗でも「カメイってあのカメイさん?」と仰っていただくことがあります。大変嬉しいことです。まずは皆様に一度薬局にいらしていただき、当社のことをご理解いただきたいと思います。 そのためにも店舗を更に増やすこと、そうすると働くスタッフの力も必要になりますので新卒薬剤師の入社も増やしていければと思います。店舗拡大に伴い、中途採用も積極的に行いますので、現在のスタッフ一同、魅力的な会社にして行きたいと思います。

御社をひと言で表現するキャッチフレーズを

会社のスローガンとして「くらしの中に未来をひらく」というものがあります。患者様が心身ともに健康に生活をするために、くらしに取り入れていただきたい薬局です。 処方箋がなくても、日頃から健康相談に立ち寄ることができる薬局でありたいと思います。そうしていただくことで、薬だけでなく、OTCやサプリメント、基本的な食生活などのご案内をすることもできます。このように病気になる前にご案内をすることで、お役に立ちたいと思っています。 現在でも、病院で医師に相談できなかったことを患者様から相談していただくことがあります。医療の専門家であり、患者様のよき相談役として、患者様のくらしに取り入れていただきたいと思っています。

最後に、入社を希望する方にメッセージをお願いします。

以前より、薬剤師はモノから人へシフトすると言われています。当社はもともと患者様とのコミュニケーションを大切にしてきましたが、今後より一層地域の方々の健康をサポートする役割が大きくなると思います。患者様とのコミュニケーションを大切にして、患者様の健康をトータルでサポートしていきたい方にはぜひご応募いただきたいと思います。お待ちしています。

取材者後記

患者様とのコミュニケーションを大切にするため、研修の実施、設備の充実を図るなど、様々な取り組みを行っているカメイ調剤薬局さん。 「処方箋が無い時にも患者様に訪れてもらえるような空間にしたい」というお言葉通り、薬局内ではOTC医薬品や健康食品を豊富に販売されたり、患者様が楽しめるような飾りつけがされていて、スタッフのみなさんが、患者様のことを考えてお仕事をされている様子を感じました。 患者様としっかりと接したいとお考えの方へお勧めしたい、患者様、スタッフお一人おひとりに大切にされている薬局さんです。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2018/03/06

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