薬局探訪
2018.03.06

株式会社水戸薬局 薬剤師インタビュー

株式会社水戸薬局 薬剤師インタビュー

三戸薬局本店
薬局長 家守 保博さん

患者さまにとってオンリーワンの薬局として。地域に寄り添い90年

葛飾区、江戸川区を中心に13店舗を運営している株式会社水戸薬局様。本店は創業以来の地で90年を迎えます。地域の方々と共に歩み、地域の医療の質を上げることに貢献している水戸薬局様に会社の紹介をしていただきました。


地域に密着して90年。地域医療の質を向上させる店舗運営


最初に会社の紹介をお願いします。

水戸薬局の大きな特徴は、地域に根ざした店舗運営をしているということです。1927年の創業で、本店は今年(2017年)で90年を迎えました。葛飾と江戸川エリアを中心に13店舗を運営しています。本店はビルの建て替えや時代に合わせた運営形態に変わってはいますが、一貫しているのは、地域社会のみなさまとの信頼関係を大切にしているということです。2010年よりカメイ株式会社ファーマシーグループ(東証一部上場)の一員となり、より安定した経営基盤となりました。

地域に密着しているというのは、具体的にどんなところでしょうか?

お薬に関わる立場から、地域医療の質を向上させ、地域の方々の「Quality Of Life」の向上のお手伝いをしています。 それぞれの地域には、その地域を心から愛している方々がいらっしゃいます。私どもも同じように、その地域にこだわり、地域の「かかりつけ薬局」として認知していただいています。 同じ土地で長く店舗を運営していますので、世代を超えたお付き合いをしている患者様も多くいらっしゃいます。お一人おひとりの患者様のお顔もわかりますし、逆に私どもの顔を覚えてくださっている患者様もいらっしゃいますので、朝、店舗の前を掃除していると、「おはようございます」と声をかけていただいたり、お子様に対しても「いってらっしゃい・いってきます」「おかえりなさい・ただいま」と言い合うような関係性ができています。 どの店舗も、人と人のつながりを大切にしており、地域に根づき、地域の方々から"愛される薬局"を目指しています。

本店薬局長の家守様のお仕事をご紹介いただけますか?

私は、大手の薬局グループから転職をしてまいりまして、現在は本店の薬局長をしております。 本社の運営サイドの仕事にも関わりながら、現場である薬局店舗の管理もできるような立場で働かせていただいています。

産休、育休からの職場復帰率は85%以上。2016年度は100%の復帰率に!

家守様は、水戸薬局の社風をどのようにお感じですか?

とても風通しのいい社風だと思います。現在、薬局長は男性5名、女性8名となっています。 店舗運営はそれぞれの薬局長の裁量で行われています。例えば、お薬の仕入れでも、どの卸さんから仕入れるのかは、薬局長に裁量が与えられています。 店舗で勤務するスタッフの些細な意見も薬局運営に積極的に取り入れています。例えば店舗内に貼るポスターや設置する医療・健康情報資料、季節ごとの内装やお子様向けの絵本など、患者様に待ち時間を少しでも快適にお過ごしいただき、また薬局に親しんでもらえるよう、工夫を凝らしています。

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お子様向けのおもちゃや待ち時間に読める雑誌などもたくさん。職員の方が持ってきたり、患者様がプレゼントしてくれたりするのだそうです。

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実務実習に来た学生さんが作った資料も貼っています。最近はあまり実施できていませんが、今後もっと学生さんとの接点も増やしていきたいそうです。

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整理・整頓の行き届いたOTC棚。患者様、お客様の「こういう症状に効くものがほしい」という要望に応じて、仕入れ・陳列するものを決めているそう。

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長年に渡り店舗で作り続けている薬局製剤。「今年もこの薬もらいに来たよ!家族用にも何個か買ってくね」と風邪が流行る時期になると毎年買っていかれるファンの方も。

店舗間の連携などはありますか?

水戸薬局は葛飾、江戸川地域を中心にドミナント展開をしています。各店舗が近い距離にあるため、在庫医薬品を全店舗で共有することができ、小さな店舗でも在庫不足で患者様をお待たせすることがありません。 急なお休みや有給休暇の取得などについても、店舗内だけではなく店舗間ヘルプなど、会社全体でフォローする体制が出来ています。また、店舗間の距離が近いので引越しを伴うような異動がなく長く働きやすいといったメリットもあります。

特徴的な社内制度はありますか?

産休と育休の取りやすさと職場復帰のしやすさが特徴だと思います。 制度そのものは国のガイドラインに合わせて育休期間を3年としています。しかし大切なことは、育児休暇を終えたスタッフが戻ってきやすい雰囲気を作ることです。これまでの実績ですと、スタッフの約85%が復帰しており、昨年(2016年度)は100%仕事に復帰しています。

育休明けでも、小さいお子さんの場合、具合によって途中で仕事を抜けることもありませんか?

もちろんあります。そんな場合は、チームでカバーをしています。残るメンバーには多少の負担はかかることにもなりますが、そこはお互い様。気持ちよく送り出し、仕事を抜けるスタッフが「申し訳ない」と気にしすぎてしまわないような職場環境をつくっています。 女性は仕事も大切ですが、家族やお子さんを大切にしてほしいと思いますし、それがあってこそ仕事も充実していただけると考えています。女性が活躍できるこうした環境も、仕事がしやすい社風になっている要因だと思います。

「水戸薬局」の看板をこれからも長きに渡り残していけるように

人に貢献できる人を採用することで、地域との関係だけでなく職場環境もよくなる


現在、新卒採用と中途採用はどちらの割合が大きいですか?

新卒採用も積極的に行っていますが、中途採用の割合が多くなっています。現在、スタッフは約100名おりますが、産休や育休に入るスタッフもいますので、新しい方に来ていただくことが増えています。

中途採用者の教育制度はどうなっていますか?

店舗でのOJTがメインになります。本店では各診療科目の調剤を行いますが、薬局によっては、近隣の医療機関の関係で診療科目に偏りがあることもあります。そのため、幅広い知識とスキルを身に付けてもらう目的で店舗のローテーションをすることもあります。店舗は葛飾区と江戸川区になりますので、通勤の負担が大きくなることはありません。

採用の流れはどうなっていますか?

まずは書類選考を行います。その後に、働いていただく店舗を見学していただきます。薬剤師さんのご希望に沿うようでしたら、面接を行います。紹介会社経由が多いですが、ファルマスタッフの場合は、こちらの要望に合っており、かつ薬剤師さん側としても当社の環境が合っている方を紹介していただけるので、採用率は高いですね。

どんな人を採用したいと考えていますか?

人柄を重視しています。自分のことを大切にすることはもちろんですが、人に貢献できる人が好ましいと思います。社風に合わせて、地域の方々のお役に立ちたいと考えていただける方を採用しています。人に貢献したいと考えるスタッフが増えることで、職場環境もよくなりますし、自分の仕事のしやすさにもつながります。

地域に密着することで、業界の動向にも自然と対応


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かかりつけ薬剤師について、どのように取り組んでいますか?

水戸薬局では以前からかかりつけ薬局として取り組んでいたので、ご希望があった際には対応させていただいております。また、かかりつけ薬剤師についても社内制度を充実させ個々の負担を軽減する仕組みを作っております。

在宅医療に関してはいかがですか?

この点も、以前から取り組んでいます。本社ビルのテナントとして、古くから在宅専門のクリニックに入っていただいています。そちらのクリニックと提携して医療に当たっていましたので、在宅医療については実績があります。さらに地域の方々のお役に立つためにも、力を入れたい分野となります。 地域の医療機関との連携においては、共同カンファレンスに参加しています。また、日本緩和医療薬学会など、専門的な学会にも参加して、緩和ケアに関する情報を収集しています。 また、地域の方のため近隣にお住まいの患者様へ医療用品の配達なども行っています。患者様お一人おひとりに対して、それぞれに必要なことがありますので、しっかり向き合いながら、ご希望、ご状況に応じて個々に対応させていただいております。 今後も、水戸薬局全体として積極的に在宅医療に取り組んでまいります。私たちを育ててくださった地域の方々への恩返しにもなると思いますし、信頼関係をより強くするために大切だと思います。

今後の展開を教えてください。

「水戸薬局」の看板をこれからも長きに渡り残していけるように展開していきたいと考えています。 企業ですから、成長のために発展していくことが必要です。そのためには、店舗数を増やしていくことも大切なことになります。しかし、規模ばかりを追うのではなく、これまでに育んできた地域との関わりを大切にしたいと考えています。 店舗を出す以上、長くその地域で皆さまに愛され続ける薬局を作りたいと思います。

「人」に寄り添った薬局として、すべての店舗が100年以上続いていけるように


御社をひと言で表すキャッチフレーズがあるとしたら?

「患者様にとってオンリーワンの薬局」ということになると思います。 地域に、地域の「人」に寄り添った薬局として、すべての店舗が100年以上続いていけるように、地域の一員として溶け込み、共に生きていくことを目指したいと思っております。

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最後に、入社を希望する方にメッセージをお願いします。

私はこの会社に入って良かったと思っています。これまでやりがいを持って仕事をすることができましたし、今も充実した毎日を送っています。 患者様と共に生きて行きたい、この薬局を一緒につくっていきたい。そんな思いを持てる薬剤師さんに来ていただきたいです。そうした水戸薬局の理念に共感していただける方のご応募をお待ちしています。私たちと一緒に働きましょう!

取材者後記

「例えば店舗の内装や薬局製剤、絵本等のお子様向けグッズの用意、一包化や分包、お薬カレンダーの設置、医療用品の配達といった対応など、店舗ごとに異なる、その店舗へ来る患者様に合わせた細やかで柔軟な対応をされている水戸薬局さん。 会社のカラーとして、そうした現場からの提案を受け入れてもらえる、やらせてもらえる、現場の声を大切にする環境があるのだそう。 店舗へお伺いした際には、勤務されている皆さまが和気藹々とした雰囲気でお話しくださり、良い職場環境・人間関係を築いていらっしゃる様子が感じられました。「ここで一緒に働きましょう!」と言える社員の方がいることが、会社としての魅力を物語っているのではないでしょうか。 地域に根づき、地域の人を大切にするだけではなく、勤務する現場の薬剤師という「人」も大切にする姿勢を持った、人に寄り添える薬局さんでした。

image店舗の壁に動物が!医療事務さんのオリジナルだそう。お子様にも好評なのだとか。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2018/03/06

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