薬局探訪
2018.03.06

日本調剤株式会社 インタビュー 人材育成篇

日本調剤株式会社 インタビュー 人材育成篇

日本調剤株式会社
東京第一支店薬剤部長 薬剤師 松浦慎哉さん

職場の雰囲気がより伝わる動画をご用意いたしました!求人票からは見えない情報が盛りだくさん。実際に取材したファルマスタッフだけの情報になっていますので、ぜひ、インタビュー記事とあわせて動画をご覧ください。

自己紹介をお願いします。

日本調剤 東京第一支店の松浦です。 現在、部長職として東京の南方面の46店舗を統括しています。エリアを5つに分けてそれぞれの管理者がいます。私は会社の方向性に合わせて全体をマネジメントする立場ですね。予算の達成はもちろんですが、医療従事者として地域の活性化、人材育成に力を注いでいます。

日本調剤さんの紹介をお願いします。

当社は病院門前の薬局が多いイメージがあるかと思います。最近では地域密着型の「面対応薬局」店舗展開を行っています。病院とは関係なく、街中や駅前に店舗があり、あらゆる医療機関の処方箋に対応しているので、仕事帰りの方にご利用いただくこともできます。またメディカルセンターの1階に店舗を出すことで、来院者様の利便性を高めたいと考えています。

各店舗の運営はどうなっていますか?

お店の管理は、責任者である管理薬剤師が行っています。各お客様対応、店舗内の人材育成などの権限は委譲しています。ただし、現場にいると全体のことが見えにくくなりますので、私たちがサポートしています。

日本調剤は、業界内でどんなポジションにいますか?

まず調剤薬局としては、トップクラスの規模です。その中でのポジションは革新的な企業だということではないでしょうか。新しいことは他社がやる前にまずは自分たちが始める、という企業姿勢があります。ですから、よく見える反面、新しいことをやるので大変だという印象があるかもしれませんね。

革新的な企業として、ジェネリックへはどのような取組みをなさっていますか?

業界内でいち早く取り組んだのが当社だと思います。関連会社に日本ジェネリックという製薬会社を設立しました。当時、薬局が製薬会社を持つというのは革新的なことでしたが、この辺りが他社にない発想ですね。ジェネリックを普及させるためには、自分たちが先頭に立つという考えでした。

日本調剤としては、今後薬局業界はどうなるとお考えですか?

薬局というのは国が定めた診療報酬に則って運営されます。診療報酬は2年ごとに改定されますから、その度に経営の方向を定める必要があります。今回は在宅医療に力を入れること、医療費の削減のためにジェネリックを積極的に取り入れることが求められていますので、当社のその方針に従った展開を考えています。今回、大きく変わったのは在宅に力を入れるという方針が示されたことではないかと思います。また、先ほどお話をしたジェネリックへのニーズが大きくなると考えています。 今後、薬局自体は増えることはない。すでに、病院の前に5~6店舗あることは珍しくありませんから、これ以上増えることは考えにくいですね。むしろ、お客様に選ばれる薬局が残って行くのではないかと思います。

在宅に力を入れることで、薬剤師さんの仕事に変化はありますか?

これまで薬局というのはお店という箱を構えて、お客様が来ていただくのを待っている業態でした。在宅は箱を出るということですから、待ちから攻めに変わるということでもあります。高齢化社会に伴って、病院に来ることができない方々も増えて行きます。これまでは病院に来ることができる方にお薬をお出ししていましたが、これからは、病院に来ることができない方をフォローすることも必要になります。医療人として、薬剤師にも大きな変化があると思います。

そうした中で、薬剤師さんに求められるスキルに変化はありますか?

あると思います。薬剤に関する知識はもちろんのことですが、お客様とのコミュニケーション力が大切になると思います。お客様との意思の疎通ができるだけでなく、薬剤師につくお客様がいらっしゃるように、人としてのコミュニケーション力を高める必要があると思います。

漢方への取組みはいかがですか?

今後、需要は増えると思います。今のところ、専門の先生がいらっしゃる地域はカバーしています。西洋医学と東洋医学は違いますから、薬剤師としては面白い仕事かもしれませんね。医療の進む方向に合わせて対応して行きたいと考えています。

日本調剤は、これからどんな方向に進んでいくのですか?

国政の発表を考慮して、どんなところに需要があるのかを考えて行く必要がありますね。特に在宅の需要が増えたり、国の医療費削減策がさらに進めば、ジェネリックの需要も大きくなると思います。こうした方向性の一歩先を進んで行きたいと考えています。

日本調剤さんでは、どのようなシステムで薬剤師さんを採用なさっているのですか?

新卒の方の採用は、人事部に一本化して行っています。リクルートのために、大学回りを行います。また、当社の薬剤師が母校に伺って学生さんとお話をする機会も設けています。 中途採用に関しては、紹介会社さんからご紹介いただいた方を私たちで面接させていただいています。

求める薬剤師さんの人材像はどんな人ですか?

冗談が言える柔軟性のある人ですね。薬剤の知識だけでなく、人としていかに話ができるのかということを重視しています。コミュニケーション力が高い人を評価しますね。お客様にお薬の説明をする機会も増えますし、相手の心を掴むことができる会話ができる人を採用したいと考えています。

入社してから研修はどうなっていますか?

研修に関しては、業界でも最も充実していると思います。新入社員研修はもちろん、年度ごとにスキルアップの研修を実施しています。どんなにベテランでも、薬剤師としてのレベルを保つための研修は欠かしません。

途中入社の方の研修プランはどうなっていますか?

入社日は毎月2回設けていまして、どんなにベテランのスタッフでも、2日間の短期集中研修に参加してもらいます。ここでは薬剤の基礎から、当社のレセプトシステムについて勉強します。現場に出てからも、一人のスタッフに必ず一人の先輩がついて、1対1の指導を行います。現場では、CS(お客様満足)に重きをおいて指導しています。

薬剤師さんは女性が多いと思いますが、女性の就労支援に関して行なっていることを教えてください。

最近では男性の薬剤師も増えています。しかし、女性が多い職場であることは間違いありません。ですから、産前産後の育児休暇制度は充実させています。当社の場合、産後に職場復帰するスタッフが多いことも、制度が充実しているということではないでしょうか。 男女を問わず、これからは薬剤師もさらにプライドを持って仕事をする時代だと思います。自分がどうしていきたいのかを考えて、会社の制度を利用すればいいと思いますね。

これから薬剤師さんのキャリアアップにとって最も大切なことはなんだと思いますか? 部長はいわゆる薬剤師っぽくないですが。

あくまで私の場合ですが、薬剤師という名刺で仕事をしないということだと思います。ある意味、薬剤師らしくない方がいいかとも思います。薬剤師という肩書きがない時に、その人がどう評価されるのかということが大切ですね。いわゆる薬剤師という枠にとらわれない人間的な魅力を備えることが大切ではないかと思います。

最後に、転職をお考えの方にメッセージをお願いします。

これから薬剤師にはさらに多くのことが求められると思います。医薬分業がすすんで、薬剤師という立ち位置が明確になりました。言われたことをやるだけでなく、相手の期待以上の仕事をしていただければいいですね。医療人として自分に何ができるのか、何をするべきか考えていただきたいと思います。その上で、薬剤師でよかったと思えるような仕事をしていただきたいですね。当社は受け身での仕事ではなく、他社よりも先に革新的なことを行っていきます。ですから、夢や希望のある方には、ぜひ来ていただきたいと思います。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2018/03/06

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