外資系製薬メーカーのMRから転身

外資系製薬メーカーのMRから転身

日本調剤株式会社 大阪支店 健保施設推進部
 薬剤師 高田佳代

外資系製薬メーカーのMRから転身

在宅医療が未経験でも、活かせる経験はあります。

日本調剤では、MR経験や病棟業務を経験した薬剤師さんが、施設の在宅医療専門薬剤師として活躍されています。職歴も経験も違う、お二人に、施設での在宅医療についてお話していただきました。


なぜ、施設在宅の専門薬剤師の道を選んだのですか。

前職では、骨粗しょう症、リウマチなどの整形系のMRをやっていました。薬の仕事にたずさわるにあたり、自社品の副作用の聞き取りや処方獲得といった狭い領域ではなく、医療現場で、薬剤師として患者さまを中心とした医療に関する仕事がしたいと思い、施設在宅での専門薬剤師を選びました。

現在のご担当についてお聞かせください。

担当している施設は、介護付有料老人ホーム2件、サービス付高齢者住宅3件 個人宅在4名、約130名の患者さまを担当しています。

おなじ薬剤師で、MR職と在宅医療、どんな違いがありましたか。

興味の対象が薬から患者さまに移りました。 施設での診療同行は真剣勝負の医療現場です。医師、施設の看護師、介護職員、日本調剤の薬剤師と組織も職種も異なるメンバーがチームで患者さまを診ていく仕事には、大変ですがやりがいもありますね。

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キャリアで役に立ったものはなんですか。

MR時代は学術情報の伝達や勉強会などで話すことには慣れていました。 実際、業務では「話す」ことより「聞く」ことが多くなります。あと、調べる習慣ですね。診療同行では医師から、とっさに尋ねられることも少なくなく、あいまいな事を言わず、必ず調べて答える習慣は役立っています。

今、関心があることはなんですか。

今、一番の課題は、高齢者のポリファーマシー問題ですね。 正直、MRのときは多くの患者さまに自社品を処方して欲しかったですが、(笑)今は必要のないものは、減らせないか医師にも提案しています。

これから施設在宅の薬剤師をめざす方にメッセージをください。

在宅医療は薬剤師としての活動範囲が広がり、また周りからも期待されています。医療専門職の薬剤師として、より良い在宅医療サービスを提供したいという仲間が増えればいいなと思います。

高田さんの1日

高田さんの1日を紹介

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    大阪支店を出発朝、オフィスでスケジュールを確認。本日の施設の処方せんを応需している薬局に向かいます。施設には、本日新規で入居される方がいらっしゃいますので、ご家族に「居宅療養管理指導」の説明と契約締結をする予定です。

    9:30
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    訪問施設の事前打合せ担当薬局(日本調剤 中津薬局)で配薬を確認します。利用者さまごとに調剤されたビニールをひとつずつ確認。まちがえは許されません。ついつい顔も真剣になります。

    11:00
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    施設到着
    株式会社チャームケアコーポレーション 介護付有料老人ホームチャーム東淀川瑞光
    施設ではなく住まいであることをコンセプトに、一人ひとりの価値観を大切にし、お客様に合ったライフスタイルを提供することを理念として運営されており、規模、質感等 同社内で標準的な介護付き有料老人ホームです。 (施設職員の方へのインタビュー:施設の在宅医療で薬剤師さんに望むこと)

    11:30
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    入居者の残薬確認患者さまの外用薬や頓服薬の使用状況を確認しています。使用量を確認したり、同種同効のジェネリック医薬品など検討しながら、今回の診療で医師にオーダーする量を決定します。

    12:30
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    施設看護師とカンファレンス往診前に患者さまの状態を確認しています。薬剤師が薬の効果判定や副作用の状況、外用薬の状況などを事前に確認することで、医師がスムーズで精度の高い診療ができるよう、サポートに心がけています。

    13:00
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    新規入居者への居宅療養管理指導の契約実施するサービス内容や保険制度について説明しています。説明事項が多いので、疑問点がないか確認しながら実施します。サービスに対する対価(料金:一部負担金)に関しては、実際の患者さまの負担割合を確認し、支払い金額がイメージできるように工夫しています。

    13:30
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    診療同行の開始診療前には各患者さまの治療の流れを再確認する必要があります。患者さまの状態をしっかりとイメージできている上で現状を把握すれば、薬剤変更の可能性が予測できます。予測できれば、事前に代替薬の検討ができますし、PEGの方なら粉砕の可否などもあらかじめ調べておくことができます。

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    たとえば、外用薬の変更のケースで、患者さまの持参薬から、使えそうな外用薬をピックアップしておき、医師に報告し、変更したりしました。また、PMDAから出されている情報を医師に提供し、薬剤の追加がなされたこともあります。

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    施設での診療は、患者さまの部屋で行なわれます。そこは患者さまの生活の場であり、医療情報以外にも、ヒントや気づきがたくさんあります。かかりつけ薬剤師としての観察力や洞察力が養われます。

    14:00
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    診療後のカンファレンス診療中に実施された内容の再確認をしています。基本的な治療方針から、なぜ薬が追加されたのかの処方意図など、診療チーム全体が共通の認識を持つようにしています。また、この情報を薬局に持ち帰ることで、調剤薬剤師とのあらたな連携が生まれます。

    16:00
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    施設看護師とのカンファレンス最後に間違いを防ぐために、もう一度内容の確認を実施します。看護師さんは、患者さまのご家族に内容のフィードバックをします。そのとき、薬について質問されることもあるので、説明のしかたも含めて、共有化していきます。在宅医療は、患者さま、医療従事者に加えて、ご家族の理解がとても大切になります。

    16:30
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    大阪支店に帰社外用薬の処方量の制御は、私が実施していますので、管理指導計画表などで変更点の再確認をします。 外用薬が変更になる可能性がある場合は、退院時共同指導報告書や医師からの診療情報提供書などで持参薬から代替薬がないか検討します。 また内服薬の変更、追加に関しても前回の内容を確認し削除・減量が必要かの検討、他院処方の薬の切れ日の確認などを実施していきます。

    18:00

日本調剤には、本気で在宅に取組む環境があります。


持ち前の好奇心と明るさで施設のチーム医療で活躍している姿が印象的でした。その背景には日本調剤の薬剤師の在宅医療への本気の取組みが感じられます。 「へこむこともありますよ(笑)でも、私を待っている患者さまもいますから」と最後まで明るい薬剤師さんでした。

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0120-38-8931

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