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  • 公開日:2021.07.19

【薬剤師転職】見本に学ぶ、基本的な職務経歴書の書き方

【薬剤師転職】見本に学ぶ、基本的な職務経歴書の書き方

企業の求人に応募する際、履歴書と共に提出を求められることが多い職務経歴書。定型化したフォーマットがありイメージしやすい履歴書と違い、職務経歴書はひな形があるのみで、決められた形式はありません。とくに転職活動が初めてという方は職務経歴書をどのように書けばよいのか悩んでしまうのではないでしょうか。

今回は、基本的な職務経歴書の書き方について解説していきます。見本を使ったポイントの説明もしていくので参考にしてください。

職務経歴書にはどのような役割がある?

職務経歴書にはどのような役割がある?

職務経歴書とは、これまでの業務経験、仕事を通して得た知識やスキルについて記載する書類です。職歴のほか、志望動機、詳細な業務内容や注力した事柄などの自己PRを記載します。

混同しやすい履歴書との違いは、履歴書が「応募者の略歴」を伝える役割であるのに対し職務経歴書は「応募者が転職後に何ができるのか」を担当者にアピールする役割をもっている点です。

【見本例】職務経歴書の書き方

【見本例】職務経歴書の書き方

実際の職務経歴書の例をもとに、どのような書き方をすればよいか見ていきましょう。

基本

職務経歴書に決まった形式はありませんが、履歴書などと同様、基本的なマナーを守って書きます。具体的には、年号や、「です・ます」調または「だ・である」調の統一、わかりやすい言葉の使用などを意識しましょう。また採用担当者が見やすいよう基本的にはパソコンで作成し、A4用紙1〜2枚程度にまとめます。印刷後もズレがないかきちんと確認することも大切です。

①日付

職務経歴書を郵送する場合は投函した日付、面接に持参する場合は面接当日の日付を記載しましょう。最新の情報であり、応募先のための書類であるというアピールにもなります。また、職務経歴書全体で西暦表記か元号表記どちらかに統一しましょう。

②職務要約

職務要約では、これまでの職種や業務、携わった期間などを2~3行にまとめて記載します。自分の経歴についてなるべく簡潔にわかりやすい表現でまとめましょう。また、応募する職場で活かせる経験を中心に書くとアピールにつながります

③職務経歴

どの時期にどういった業務に携わり、どういったスキルを得たのかを記述する項目です。異動や出向、正社員からパートへの切り替えなども一つの職歴としてまとめ、見出しやレイアウトなどで見やすくなるよう工夫しましょう。薬局や病院に勤めていた場合は、処方箋枚数や薬剤師数などの数値も目安として記載します。

また、表彰歴やマネジメント歴はアピールポイントになるため、経験があれば忘れずに記入しましょう

④取得資格

認定薬剤師など業務に活かせる資格を持っている場合は記入します。企業の求人に応募する場合はTOEICや語学スキル証明のための資格などもアピールになるため、きちんと書いておきましょう。

⑤得意とする分野・経験・スキル

こちらも業務に関わる経験やスキルであることが望ましいです。かかりつけ薬剤師としての業務や在宅医療の経験などは重宝されます。また、マネジメント経験や採用業務経験もアピールポイントにつながるでしょう。

そのほか、業務で身につけたヒアリング力やコミュニケーション力なども簡潔に記載します。今後はオンライン服薬指導やICTを活用した業務も増えていくと予想されるため、パソコンスキルも忘れずに記載しましょう。

⑥自己PR

自己PRは使いまわさず、転職希望先が求める人物像に合わせたアピール内容にしましょう。採用担当者は、求職者の強みは何か、職場の雰囲気に合うか、周囲に良い影響を与えるかなどを自己PRから確認します。「どのように職場に貢献できるか」をより効果的に伝えられるエピソードや表現を考えたうえでの記入が必要です。

書き方に迷う場合は、以下の要素を組み込んで作成してみましょう。ただし、すべてを書く必要はありません。

  • どのような思いで仕事をしてきたか
  • どのようなスキルが身に付いたか/どのような経験・勉強をしてきたか
  • 転職を希望する理由/転職で実現したいこと
  • 自信のあること
  • 理念への共感
  • 入社への思い
  • 【業種別】職務経歴・自己PRの書き方

    【業種別】職務経歴・自己PRの書き方

    ここでは薬剤師の業種別に職務経歴の書き方を詳しく解説します。同じ薬剤師でも職場や業務が違うとアピールできる経験やスキルが異なるため、職務経歴書を書くために押さえるべきポイントも変えなければなりません。

    効果的なアピールができるよう、自分の経歴に合った項目を確認してみてください。

    調剤薬局

    調剤薬局

    調剤薬局での勤務経験がある場合は、処方科目・処方箋枚数・薬剤師の人数なども必要な情報です。担当者がイメージしやすいように、具体的な数字を入れて記載しましょう。加えて、業績面での功績がある場合は記入すると好印象となります。

    また、調剤薬局はコミュニケーション能力や対応力の高い人材を求める傾向にあります。自己PRでは、相手のニーズをくみ取る力についてアピールするとよいでしょう

    病院

    病院

    病院名などは省略せず、きちんと正式名称で書きましょう。また、薬局や企業と違い、資本金などは記載しなくてかまいません。

    自己PRにおいては、病院では他職種とかかわる機会が多いためチームでの活動実績があればアピールポイントになります。加えて医療全般の知識が求められるため、スキルアップのための継続的な取り組みなど、前向きな姿勢を伝えられると好印象です。

    ドラッグストア

    ドラッグストア

    ドラッグストアでは、どのような業務を担当していたかも重要です。具体的な業務内容が伝わるように記入しましょう。また、業績面で結果を出した、表彰を受けたなどの経験がある場合は記載します。

    自己PRは調剤薬局同様、コミュニケーション能力や対応力の高さをアピールするとよいでしょう。

    企業

    企業

    ドラッグストア同様、企業でも具体的な担当業務の記載が重要です。採用担当者が業務内容をイメージできるような表現を心がけましょう。業績を上げた経験はアピールポイントとなるため忘れずに記載します。

    製薬会社(おもにMR)の勤務経験がある場合は、自己PRで医薬品の知識や提案力があることを裏付けるエピソードを記載できるとよいでしょう。基本的なビジネスマナーがあるのは大前提と捉えられるため、職務経歴書の書き方のマナーはしっかりと押さえておきましょう。

    【2回目以降の転職の場合】職務経歴の書き方

    【2回目以降の転職の場合】職務経歴の書き方

    複数回の転職経験がある場合、職務経歴欄の見せ方にも工夫が必要です。大きく3つの形式があるので、自身の経歴が伝わりやすいものを選びましょう。

    編年体式

    もっともスタンダードな書き方で、時系列に沿って職務経歴を記載していくのが編年体式です。古い経験から記載していくため、異動や転職の回数が少ない方、初めての転職を考えている方に向いています

    逆編年体式

    時系列で記載する編年体式とは逆に、直近のキャリアから順番に書く方法です。逆編年体式は、直近の実績を一番上に記載できるメリットがあります。転職先の職場で活用できるスキルや経験を直近の職場で得ている場合、逆編年体式で書くと即戦力であることを伝えやすいでしょう

    キャリア式

    職務経歴を、職務分野別にまとめて記載する形式です。キャリア式では、経験とそこから得たスキルがセットで書かれています。幅広い分野でのスキルを持っている方は、応募先の企業に合ったスキルから順にアピールできるキャリア式が適しているといえるでしょう

    また、キャリア式の職務経歴書は転職回数が目立たなくなるという特徴があるため、転職回数の多い方にもおすすめです。

    良い職務経歴書を作り、納得のいく転職を

    薬剤師業界では売り手市場が続いていたため、提出を求められることは少ないと言われていた職務経歴書ですが、履歴書とセットで提出を求める企業が徐々に増えています。転職を考えている場合は、今回の記事を参考に自分の良さをアピールできる職務経歴書を作成してみましょう。経験や自身の強みをまとめることで自己分析が深められ、面接対策にもつながります。

    また、職務経歴書の書き方以外にも転職活動を進めるうえで迷うことも出てくるでしょう。そんなときは薬剤師専門の転職コンサルタントに相談してみるのも一つの方法です。転職コンサルタントは、転職先の紹介だけでなく職務経歴書の添削や面接の対策も行ってくれます。転職について悩んでいる方はぜひ利用してみましょう。

    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2021/07/19

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