キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2018.10.18

異動?転職?副業?「20代の若手薬剤師」が年収アップを目指す方法

異動?転職?副業?「20代の若手薬剤師」が年収アップを目指す方法

社会ではまだまだ若手と呼ばれる「20代」。仕事の分からないことに右往左往しながらも、自身のキャリアについて、何かと考えることも多いのではないでしょうか?また20代は、スキルや給与に大きく差が開く時期でもあります。気がついたら、一緒に入社した同期がリーダークラスまで出世していた、なんてことも。

仕事に余裕ができたので、空いている時間を使ってスキルアップしたい。今の職場には不満はないけど、将来の自分のために勉強や貯金をしたい......。

そんな向上心を持って現在の働き方を見直している20代の若手薬剤師さんへ、年収アップのために知っておいたほうがいいポイントを"現職でできること"と"転職してできること"の二つに分けて紹介していきます。

現職でできる年収アップポイント

年収を上げることが目的なら、今の職場で働きながらでもできる方法もあります。この章では、現職でできることの例をご紹介します。

・在宅医療の職場で働いてみる

現職で年収を上げる方法として、忙しい職場への異動があげられます。忙しい職場では必然的に業務量が増えるため、残業代も増えることになります。しかし、生産性を求められる昨今では、無駄な残業ばかりしていると逆に評価を下げてしまう恐れも。

しかし、"在宅医療"がメインの薬局なら、残業をしながら評価を上げることも可能です。一般的に在宅医療の利用者は高齢者や通院困難な方が多く、そのような患者さまは症状が急変することも珍しくありません。勤務時間外に臨時で薬を届けることも珍しくないため、必然的に残業時間が増えるのです。

事実、超高齢社会を迎えるにあたり、2018年の調剤報酬改定でも在宅医療の重要性が高くなっています。この傾向は今後も続くことが予想されており、在宅医療ができる薬剤師は重宝されていくでしょう。一例ではありますが、そのような在宅医療がメインの忙しい職場で働くことで、地域医療に貢献する薬剤師として評価され、さらに年収を上げることができるでしょう。

現在、在宅医療をメインとする薬局は増えてきています。今の職場でも在宅医療にかかわる部署に異動できる可能性もあるので、一度人事に確認してみましょう。

・就業規則上OKならダブルワークで稼ぐ

今すぐできる年収アップ方法には、"ダブルワーク"という方法もあります。ダブルワークとは、空いている時間を有効活用して副業をおこなうこと。土日祝に診察をしている病院・クリニックの門前薬局やドラッグストアなどでは、人手が足りない傾向にあり、ダブルワーク薬剤師の求人を出しているところも多数あります。

本業の就業後や、休日などのあいている時間にダブルワークすれば、希望の年収に近づけるでしょう。また、ダブルワークを経験することで、薬局ごとの調剤手技、環境、処方箋の内容の違いなどを体験できるため、キャリアアップにもつながります。

ただし、本業の就業規則で副業が禁止されている場合、規則に違反すると懲戒処分の対象となる可能性も。ダブルワークをするのであれば、本業の就業規則で副業が禁止されていないかを必ず確認しましょう。

また、管理薬剤師の方は、薬事法により本業以外での薬事に関する仕事の兼務は基本的に認められていません。例外的に、非常勤の学校薬剤師や休日夜間診療所などでの仕事は、保健所長の許可があれば可能ですが、ドラッグストアなどと比べて求人数は少なくなります。

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転職で実現できる年収アップポイント

・現職でできないなら"転職"も視野に入れよう。20代は転職に有利!

「希望を出しても、人員の都合などで異動できない」「ダブルワークも、就業規則で禁止されていてできない」......そうした場合は、もっと年収や自分のスキルを上げる手段として"転職"も視野に入れてみましょう。

厚生労働省によると、新卒から3年以内の離職率は約3割以上。3〜4人に1人は転職を経験している計算になります。今や"転職が当たり前"の時代になってきているといえるでしょう。

それは、"薬剤師業界"でも変わらないこと。特に薬剤師は売り手市場が続いており、20代の若手薬剤師は将来性を期待され、高年収を提示されることもあります。転職というと少し躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、どのような職場で働けば年収アップにつながるのか見ていきましょう。

※参考データ 厚生労働省「新規学卒就職者の就職後3年以内離職状況(平成26年3月卒業者)」

・責任がある分、手当がつく管理薬剤師を目指す

薬局のマネジメント職でもある"管理薬剤師"は、仕事量が多い分、手当がつくことがほとんど。

ただ、2018年の調剤報酬改定により基準調剤加算が廃止されて「地域支援体制加算」が新設され、そこでは管理薬剤師の実務経験などによる条件が設定されており、「管理薬剤師の実務経験(薬局勤務経験5年以上、同一の保険薬局に週32時間以上勤務かつ1年以上在籍)」と記載されています。

そのため、管理薬剤師として最大限にアピールできるのは自分自身の薬局勤務経験が5年以上(同一薬局に1年以上在籍することが必要。4年以上の薬局勤務経験でも1年後には算定可)が一つの基準となっています。大手のチェーン薬局ではすぐに管理薬剤師になるのは難しく、早くても1年後になってしまうかもしれません。

ですが、人手が不足している大手の店舗や地域支援体制加算を算定していない店舗、派遣やパートを利用している中小規模の薬局など......長期的な視野で管理薬剤師として採用する職場もたくさんあります。管理薬剤師に挑戦したいのであれば、転職サイトや人材紹介会社などを利用して積極的に情報収集していきましょう。

・慢性的な薬剤師不足のため高給料!地方就職を考える

まだ薬局実務経験が足りない、管理薬剤師のように責任がある立場は早いと考えている方におすすめの給与アップの方法が、"地方での就職"。地方によっては、経験年数の短い20代薬剤師でも年収600万円以上というところも珍しくなく、求人によって住宅費支給や自動車購入費用負担など至れり尽くせりなものもあります

都市圏と比べて地方薬剤師の求人が好待遇な理由は、"深刻な人手不足"。東京などの都心部では人口が多い分、薬剤師の数もそれなりに多いものですが、地方の特に人口の少ない場所の地方では慢性的な薬剤師不足となっています。また地方は高齢者の方も多いため、薬剤師が対応する患者の数も多いことも薬剤師不足の一因となっています。

地方就職のメリットは年収だけではありません。都心部と比べて一人ひとりの患者さまとの関わりが深い場合もあり、地域医療に貢献することができ、やりがいを感じることができます

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・ドラッグストアなど、薬剤師業界の中でも成長している職場で働く

"ドラッグストア"も、高収入を求める薬剤師におすすめ。ドラッグストアは調剤業務やOTC販売業務以外の食品や化粧品などでも利益を生んでいるため、大手門前薬局と比べて調剤報酬改定の影響を受けにくく、利益を生みやすい傾向にあります。

また、国の方針である「セルフメディケーションの推進」は、ドラッグストアのあり方と一致しており、急激に成長している業界でもあるのです。そうした成長速度から店舗の出店数が多く、薬剤師・登録販売者・管理栄養士などの医療従事者を必要しており、調剤薬局などと比べて年収が高い傾向にあります。

年収アップを現職で目指すか、転職で叶えるかはあなたの将来像で決めましょう

現職での年収アップを考える方は、部署異動は可能なのか調べた上で、上司に相談してみましょう。ダブルワークを検討している方は、必ず就業規則を確認し、自身の空いている時間とマッチする副業先を探してみてください。

転職で年収アップを狙う方は、管理薬剤師になってマネジメントを勉強するか、ほとんどの人が経験したことのない地方就職をしてみるか、ドラッグストアなど新しい分野に挑戦してみるか、自分自身のなりたい将来像を考えながら検討してみてくださいね。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2018/10/18

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