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  • 公開日:2016.11.25

患者さまを待たせないために薬剤師ができること

薬剤師の仕事内容

 

忙しい薬局などでは、時間帯や混み具合などによって患者さまを長くお待たせしてしまうこともあるでしょう。患者さまがストレスを感じないように、薬剤師さんができる工夫を考えてみましょう。

 

■効率的に動ける調剤ルームを作りましょう

調剤ルームの配置や動線を工夫すると作業効率が高くなって、処方せんを受け取ってから提供するまで、一連の流れがスムーズになります。薬局内を見渡して不便に感じることがあれば改善し、薬剤師一人ひとりが作業しやすい環境に整えていきます。

定期的にスタッフミーティングを行って、改善策を出し合う取組みなども必要です。お薬の置き方や並べ方も意識したいポイントで、頻繁に処方されるお薬は手前、特定患者さまにしか処方されていないお薬は奥などルールを決めて運用すると作業効率が良くなります。

整理された調剤ルームは作業ミスの防止にも役立つので、薬局全体で考えたい重要なポイントです。一度調剤ルーム内の配置や動線などを見直してみましょう。

 

■スタッフのスキルアップをはかりましょう

管理薬剤師さんなど薬局全体のスタッフをまとめる立場にある場合は、教育制度の見直しを検討します。慣れない作業はどんな人でも時間がかかるもので、ミスなく正しい調剤を行うだけでも大変です。スタッフ一人ひとりの技能レベルがあがれば薬局全体の作業効率が高くなり、待ち時間短縮につながります。

時間がかかる調剤は熟練スタッフがフォローする、2人1組で仕事をして先輩薬剤師さんの動きを覚えるなど、OJTまで含めた教育体制はいろいろあります。お薬の種類を覚えるだけでも効率があがるので、新しいお薬が入ってきたら勉強会を開くなどの取組みも良いでしょう。

日々の業務に追われているとスタッフの動きに目がいかず、新人薬剤師さんのフォローが追いつかないケースがあります。早く仕事に慣れてもらって即戦力として現場になじむことができるよう、スタッフ一人ひとりのスキル向上を考えていきましょう。

 

■待ち時間の目安を患者さまに提示します

どんなに作業を効率化しても一定の待ち時間が出てくるもので、大まかな目安をあらかじめ患者さまに伝えておくとストレスを軽減できます。30分待ちなどまとまった時間が必要なときはあらかじめ伺いをたて、待ってもらえるか確認しましょう。

また、番号札と電光掲示板で待ち時間を伝えるシステムも、患者さまのストレスを軽減する工夫です。あと何人、とはっきりわかる状態にするだけでもおおよその目安が予想でき、気を揉むストレスがありません。

順番が前後してしまう場合には先に来店した患者さまにお声がけ、理由をはっきり伝えましょう。薬局の都合を事務的に伝えるだけでなく「お待たせして申し訳ございません」と一言添える配慮も重要です。

病院でも一定の待ち時間を過ごし、疲れたところに薬局で再び待たされると、患者さまの負担になります。具合が悪いときにはちょっとしたこともストレスと感じやすいため、相手の立場にたった声かけを意識しましょう。

 

■清潔で居心地が良い待合室を作りましょう

じめじめした薬局で長時間待たされるのはストレスなので、清潔で居心地が良い環境に変えていきます。たとえば、こんな工夫をして患者さまのイライラを減らしましょう。

・新聞や雑誌などの種類を増やす

・広くて使いやすいお手洗いを整備する

・隅々まで毎日お掃除して待合室をきれいに保つ

・血圧計、体重計など健康チェックができる器具を置く

・ウォーターサーバーを用意したり飲み物を提供したりする

・心地良いヒーリングミュージックをかける

・温かいお茶、のど飴などをサービスする

小児科が近くにある薬局なら、おもちゃや遊具を置いたキッズコーナーを作るとファミリー層に好まれます。子どもが多少騒いでも他の患者さまのストレスになりにくいよう、空間を分ける配慮なども必要でしょう。地域の人が集う健康コミュニティの場であることを忘れず、心地良い空間作りを意識することが、幅広い世代に愛される息の長い薬局経営の秘訣と言えます。

 

■まとめ~患者さまを待たせないために薬剤師ができること

1.効率的に動ける調剤ルームを作りましょう

調剤ルームの動線を工夫すると作業時間を短縮できて、処方せん受け取りから提供までがスムーズです。スタッフ全員が作業しやすい環境を目指して、改善案を考えてみましょう。

 

2.スタッフのスキルアップをはかりましょう

スタッフ一人ひとりのスキルアップも待ち時間短縮に役立つため、勉強会など職場研修を考えてみましょう。複雑な調剤業務は熟練スタッフが担当するなど、チームの役割分担も工夫できます。

 

3.待ち時間の目安を患者さまに提示します

どんなに工夫しても一定の待ち時間は出てくるため、患者さまの理解を求めます。待ち時間の目安を伝えたり番号札を活用したりして、ストレスを減らしていく配慮も重要です。

 

4.清潔で居心地が良い待合室を作ります

温かいお茶を出したりキッズルームを作ったり、待合室の環境を工夫すると患者さまの心証が良くなります。居心地が良い環境を整えて、待ち時間がストレスにならないように配慮しましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/11/25

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