業界動向
  • 公開日:2021.04.02

ポリファーマシー対策における多職種連携の重要性「泥臭い活動を続けていく」<溝神文博インタビュー第2回>

ポリファーマシー対策における多職種連携の重要性「泥臭い活動を続けていく」<溝神文博インタビュー第2回>

高齢者の薬物治療のなかでも取り上げられる機会の多いポリファーマシー。高齢化が進む日本において、ポリファーマシーに対する薬剤師の働きかけは必要不可欠です。一方で、薬剤師だけがこの問題に向き合っても根本解決には至りません。解決のカギは医師、看護師など多職種との連携や患者さまとの深く継続的なコミュニケ―ションによる「総合的な評価による処方の見直し」にあります。

今回お話を伺ったのは、国立長寿医療研究センター薬剤部に勤めながら、長年ポリファーマシーの研究に携わる溝神文博【みぞかみ・ふみひろ】さん。連載第2回では、ポリファーマシー解決に向けた職種関連携の重要性や、溝神さんの取り組み、薬剤師に求められる役割について伺いました。

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ポリファーマシー解決には社会全体の認知度を上げることが重要

溝神文博先生

前回のお話で、ポリファーマシー問題には薬剤師こそ積極的に関わっていくべきだと感じました。解決に近づくため、薬剤師にはどのようなことが求められるでしょうか。

そうですね、薬剤師には患者さまを見る目を養ってほしいと思います。私たち薬剤師はどうしても処方された薬に意識が向きがちです。もちろん医薬品の知識を学んだうえで正しい情報提供は行わなければなりませんが、現状は良くも悪くも処方箋を受け取り必要な薬をそろえて患者さまに説明して渡す、これで業務が終わってしまえるんですね。そこから先の薬物療法に関わるかどうかは努力義務になっているので、積極的に関わっている薬剤師は少ないと思います

ただ、第1回で紹介した80代女性の症例は、「自分の薬を他人に飲ませてはいけませんよ」と旦那さんに服薬指導していたら防げたことかもしれません。ほかには、処方カスケードも薬剤師が患者さまの症状をしっかりと確認して疑義照会できれば防止につながると思うんですね。このように、単に薬の情報を説明するだけでなく、患者さまの状況に合わせた指導が求められます

一方で、このような状況になるのは、薬に対する患者さまと薬剤師の意識のギャップもあると思っていて。近年、医療関係者のなかではポリファーマシーへの関心が高まってきていますが、まだまだ社会的な問題としてはとらえられていないのが現状です。とくに高齢者は保険料が1割の方もいるので、とても安く薬が手に入るんですよね。そのぶん薬を扱う意識が薄くなっていて、残薬を宝のようにためている方も多くいます

患者さまの薬への意識については、以前アメリカに行かれた際に日本との違いを感じられたそうですね。

はい。アリゾナで薬剤師の服薬指導を見た時に大きな違いを感じました。そのときは10種類くらい薬を飲んでいる患者さまがいらっしゃったのですが、「どのような薬を何のために飲んでいるのか」「今このくらい薬が残っているから、次回はこれだけ欲しい」ということを患者さまや家族のほうから話していたんですね。アメリカは自分が支払った保険内でしか医療を受けられませんし保険料も高いので、患者さま自身でしっかり薬の管理をする意識があるんだなと感じました。

また、アメリカでは医師の診察の前に薬剤師の診察があるんです。まず薬の内容をチェックして、ポリファーマシーの観点から「この薬は不要かもしれない」などのお話しを患者さまにします。その内容をレポートにまとめ、医師に渡すといった流れでした。日本とは薬剤師の役割や社会的な立ち位置が大きく異なるんだなと痛感しましたね。医療従事者だけでなく、社会全体にポリファーマシーをもっと認知してもらわなければならないと感じました。

溝神さんは「ポリファーマシー」を社会全体に認知してもらうため、一般向けに様々な取り組みをされていますが、その活動について教えてください。

私も構成員として関わっている厚生労働省の「高齢者医薬品適正使用検討会」では、一般向けのパンフレットを作り啓蒙活動を行っています。また、当センターでは一般の方向けにポリファーマシーに関する公開講座を行うなどの活動を継続的に実施していますね。

日本でも急速に研究が進むポリファーマシー

実は現在、「薬局でどのようにポリファーマシー対策を進めていけば良いのか」と相談をいただき、調剤薬局との連携も進めています。調剤薬局の薬剤師は、薬剤師として正しく患者さまの評価ができていない方が多いのではないかと感じていて。知識はあっても経験がないので、どのように評価すれば良いのかわからないんですね。そこで当センターの病院薬剤師と連携して、2020年9月から、月に1回症例のディスカッションを行っています。さらに、もっと患者さまとお話しする時間を作ってくださいとも継続的に伝えていました。

そしたら12月にとても嬉しい報告があったんです。その調剤薬局では、処方日とは別の日に患者さまに来局いただきゆっくりお話しする機会を設けるお薬相談会を開いています。そこで、ポリファーマシーの観点で血糖の薬が問題にあがった方がいました。ただ話をじっくり聞いてみると、秋で果物がおいしいのでたくさん食べていたとのことだったそうで。そこで薬物療法の問題ではなく、一時的に果物の摂取量が増えたので血糖値のコントロールが悪くなったとわかったんです。

このような患者さまの置かれている環境や嗜好の話は、いくらかかりつけ薬局といっても処方箋を渡すタイミングではなかなか聞けません。薬剤師は遠慮しがちな性格の方も多いのですが、意識して患者さまとコミュニケーションをとる機会を増やしたほうが良いと思います。また、患者さまも薬剤師と初対面だったり周りに人がいたりすると私生活の話はしづらいので、お薬相談会のような患者さまが話しやすい環境づくりも重要です

多職種連携チームの活動成果が、日本全国に広がっている

溝神さんは2016年にポリファーマシー対策として、国立長寿医療研究センターで「高齢者薬物治療適正化チーム」を立ち上げられています。立ち上げに至った背景について教えてください。

当時、日本老年薬学会で「医師・薬剤師連携ガイド」を作ることになり、当センターからは当時、副病院長で現理事長の荒井先生と私が入っていたんですね。その際にガイドライン策定の代表である東京大学医学部付属病院老年病科の秋下教授に「医師と薬剤師の連携強化のために何をすれば良いか考えてほしい」と言われて。それで荒井先生と話すうちに「医師と薬剤師だけで良いのか?」という話になり、やるなら多職種でチームを組んだ方が良いよね、との流れで始まったのが当センターの「高齢者薬物治療適正化チーム」です。現在は老年内科、循環器内科、代謝内科、リハビリテーション科の先生方、看護師、栄養管理士、言語聴覚士、薬剤師に入ってもらっています。

チームを作るもうひとつのきっかけとしては、ポリファーマシーが、医師だけ・看護師だけ・薬剤師だけなど各々のスキルだけでは解決できない複雑な問題だった点もあります。 ポリファーマシーの問題を解決するためには、「クリニカルメディケーションレビュー」といって処方の見直しがとても重要です。ただ先ほども言った通り複雑な問題なので、1つの職種だけでその薬が必要かどうかを判断するのは難しいんですね。

クリニカルメディケーションレビューには3つのタイプがあり、タイプ1は患者さまの薬歴だけで処方を見直す方法。タイプ2は薬歴に加えて患者さまへのインタビュー、クリニカルデータなど患者さまの一部の情報を用いて処方を見直す方法。タイプ3はそれらすべての情報をあわせて総合的な評価を行う方法です。総合的な評価とは薬歴だけでなく、CGA(高齢者総合的機能評価)と呼ばれる、病状や認知機能、ADL、栄養状態、生活環境まで、あらゆる状態を評価することをいいます。海外ではこのクリニカルメディケーションレビューが一般的に行われていて、タイプ3が一番良いと言われていますね。

処方の見直しタイプ

クリニカルメディケーションレビューに関する論文は多くの薬剤師が出しているのですが、肯定的なものと否定的なものとどちらもあって。実際はどうなのかと調査した結果、タイプ1の薬歴だけを見て処方を見直す方法と、タイプ2・患者さまの一部の情報をもとに見直す方法では、緊急入院のリスクが高くなることが分かったんです。一方でタイプ3・総合的な処方の見直しを行った場合は、緊急入院のリスクは低い結果となりました

職種間の連携を行うことで、より多くの患者さま情報を集めることができます。それが総合的な処方の見直しにつながり、最終的には患者さまに良い影響を及ぼすとわかったことは大きいですね。「一部の情報だけを見て処方を見直すのはかえって患者さまに悪影響を及ぼす」との裏付けが取れたことで、多職種連携チームの重要性が示されました。

処方の見直しタイプ2

「高齢者薬物治療適正化チーム」では、具体的にはどのような活動を行われているのですか?

荒井先生とチームを立ち上げた際は、まずは患者さまのスクリーニングを行いました。それから先ほどのCGA評価を用いて、患者さまの詳細な情報を確認しましたね。チームでは現在でも必ず患者さまのところに行って聞き取りをするようにしています。泥臭い活動ですが、話を聞くとカルテには書かれていない重要な情報が結構出てくるので、ポリファーマシーの見直しにはとても重要です。そして集めた患者さまの情報に基づいたカンファレンスを開き、処方医へのフィードバックを行います。その後も経過観察を続け医師への情報提供を行うのが一連の流れです。

医師へのフィードバックでは、具体的な削除候補薬を選定しています。たとえば、薬を10剤から5剤に減らしたほうが良いときに、先生としても非専門領域の薬が処方されていたらなかなか手を出しづらいんですね。ですので、どのような順番で減らすと良いのか優先順位を提案しています。また、患者さまに対する治療は適切なのか評価することも重要ですね

そして忘れてはならないのが、いかに処方が適正でも、薬を飲む環境が整っていないと薬物療法は完結しないということです。たとえば嚥下機能に合わせて剤型変更を行うなど、リハビリテーション科のスタッフと協力しながら患者さまが安全に正しく服用できるように調整しています。私たち薬剤師はどうしても薬ばかりに目が行きがちですが、非薬物療法も含めて処方提案していくといった活動を行っています

常に患者さまのことを考え、重要な活動を続けられてきたのが伝わります。多職種連携チームの取り組みの成果はどのような場面で感じられましたか?

当センターでは、チームができてから患者さまへの処方薬が実際に減り、服薬回数も調整してもらえるようになりました。一番大きく変わったのは医療者の意識ですね。チームの存在をきっかけに、、一人ひとりの先生方が自分の処方が適正かどうかを改めて考えてくれるようになったのは大きな変化だと感じています。

それから、実は私たちのチームの取り組みを厚生労働省に情報提供したことで保険診療点数の改定に繋がりました。ポリファーマシーに関する保険診療点数は、これまで6剤から2剤減らすと加算されるといった内容でした。それを、多職種によるチームでカンファレンスを行い処方変更されるとまず100点。2段階評価で、2剤減薬されれば追加で150点を取れる形に変更となりました。処方の見直しには総合的な評価が重要だと、保険診療点数として明確に示されたのはひとつの成果ではないでしょうか

また現在、厚生労働省の事業として、ポリファーマシーチームの作り方について実際に現場で使える業務手順書をまとめています。当センターを含めた様々な医療機関のノウハウをまとめた内容になっており、早ければ2021年の4月か5月あたりに世に出てくる予定です。

当センターで始まったチームの活動が、センターだけにとどまらず大きく広がっていることを実感しています。

処方の見直しはコミュニケーションがカギ。「どうすれば聞いてもらえるか」を考える

処方の見直しはコミュニケーションがカギ。「どうすれば聞いてもらえるか」を考える

多職種連携チームの重要性がよく理解できました。ほかの医療機関でも同じような取り組みをする際に意識するポイントはなんでしょうか?

チームを立ち上げた当初はすべて自分でやっていて、うまくいかないことがありました。しかし今はセンター内での認知も広がり、多くの方が積極的に関わってくれるのでやりやすくなったなと。こうなったのは、荒井先生と一緒に進められたのが大きなポイントでしたね。

組織のトップから指示を出してもらったことで認知も広がり、様々な職種の方がチームに積極的に関わってくれるようになったので話を聞いてもらえる土台ができました。これってとても重要で、薬剤部のなかだけで何かやっても他部署にはなかなか伝わりません。薬剤師1人で処方医に「この薬を中止してください」といっても聞いてもらえないですよね。ではどうすれば受け入れてもらえるのかを考えることが重要です。

たとえば多職種連携チームでカンファレンスをして、「〇〇薬は△△の理由で、この患者さまには影響があるので、××薬への変更や中止を検討した方が良いと□□先生が言っていました」のように、第三者の評価も伝えれば聞き入れてもらいやすくなります。自分の意見を押し付けるのではなく、その意見を聞き入れてもらうためのプロセスまで考えて、職種横断であることを活用する。そうすれば処方の見直しもスムーズにいきますし、患者さまにとってもハッピーですよね。

それから、とにかく継続すること。最初は話を聞いてくれなかった先生にも、念仏のようにポリファーマシーと言い続けたら聞いてくれるようになりました(笑)。うっとうしいと思われるくらいやり続けるのが重要だと思います。

調剤薬局の薬剤師は、他の職種とのチーム連携もなかなか難しく、病院と距離を感じている方も多いと思います。そのなかで連携を強めていくために必要なことはなんでしょうか?

先程も言った通り、自分の意見を聞いてもらうためのプロセスに重きを置くことが重要だと考えています。つまり、医師への伝え方ですね。処方提案をする際、「この薬はこういう理由で中止したほうが良いです」と簡単に説明している方が見受けられますが、医師も必要だと思って処方しているので、それ相応の理由を添えるべきでしょう。

たとえば「患者さまから聞き取った情報でこういうことがわかりました。しかしそれだけでは評価が弱いと考え、家族やケアマネージャーにも確認したところ、同じことを言っていました。服用歴から考えてもこの薬の副作用である可能性が高いと思います」と先生に伝えれば説得力も増しますよね。医師も自分だけで中止の判断をするのは勇気がいると聞いています。そんなときに客観的に評価できる形で情報を提供するのはとても重要なのかなと。

また、「中止を検討してください」と言い切る必要はなく、「どうですか?」と投げかける聞き方も良いと思います。先生はどう考えていますかと聞いてみると、「実は嫌な感じがしていたんだよね」と言ってもらえることも結構あるので。そこから「じゃあ中止します?」とコミュニケーションが始まることもありますし、ディスカッションにもつながります。これは病院にいなくてもできることなので意識してほしいですね。

ポリファーマシー対策を行ううえで、病院薬剤師と薬局薬剤師それぞれに求められる役割と、同じ薬剤師として意識すべきことを教えてください。

立場が違うぶん得られる情報やシチュエーションも異なるので、患者さまとの関わり方は変わってきますよね。病院薬剤師はある程度緊急性を要する状態の患者さまとの関わりがメインになります。一方で、調剤薬局の薬剤師は、緊急度は低いものの患者さまとの継続的な関わりが求められるでしょう

ただし、立場は違っても適正な薬物療法を提供するという点では同じなので、共通して行わなければならないのはやはり処方の見直しですね。薬物療法が適正化されているかの確認を継続的に行わなければなりません。とくに薬局薬剤師は、病院薬剤師よりも患者さまと深く継続的に関わることができるので、ポリファーマシー対策を進めるうえで大きなメリットがあると思っています。

ただし処方を見直すために重要なのは本人にその意識があるかどうかです。たとえば雑談のなかで患者さまの生活環境や家族構成などを知ったとき、処方見直しに意識が向いていれば「この患者さまは自分で薬の管理ができないからお孫さんに頼めないかな」と考えられますし、最近お茶を飲むと聞いたら「もしかして口腔乾燥が起きているかも」と推測できます。

意識がなければ、ただの世間話として流してしまう情報ですよね。何気ない会話の中にヒントが隠れていることは多いので、それをいかに薬とつなげられるかは薬剤師として非常に重要な意識です。

まとめ

「患者さまのために最適な薬物療法を提供したい」という気持ちはどの薬剤師も同じです。今、「患者さまとなかなかコミュニケーションを取る機会を取れていない」「多職種の同僚と連携が取れていない」と感じた方は、少しずつその時間を確保できるよう意識してみてはいかがでしょうか。その意識が、ポリファーマシー解決の大きな一歩になるでしょう

次回、連載第3回では、ポリファーマシー対策として溝神さんが実際に行っている患者さまとのコミュニケーション方法について伺いました。コミュニケーションを取ることによってポリファーマシーを解決した事例など、今後の服薬指導の参考になる情報をお届けします。

▼▼ 溝神文博さんのインタビュー一覧


第1回 「ポリファーマシー」の現状と課題から考える、薬剤師にできること
第2回 ポリファーマシー対策における多職種連携の重要性「泥臭い活動を続けていく」
第3回 ポリファーマシー真の目的は「患者さまの希望に寄り添う薬物療法の提供」
溝神文博さんの写真

    溝神文博(みぞかみ・ふみひろ)さん

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター薬剤部所属。2007年に名城大学卒業後、同センターにて薬剤師業務の傍らポリファーマシー研究の第一人者として活動を続けている。2014年に慶應義塾大学大学院薬学研究科にて薬学博士取得。日本老年学会、日本老年薬学会、日本褥瘡学会、日本サルコペニア・フレイル学会等に所属。ポリファーマシー研究の一環として「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン(日本老年医学会)」の改訂作業に従事、厚生労働省の高齢者医薬品適正使用検討会に構成員として携わっている。そのほか、大学での非常勤講師など活躍の場は多岐にわたる。日本医療薬学会Postdoctoral Award受賞。

記事掲載日: 2021/04/02

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