2015.09.29

かかりつけ薬局制度、「健康サポート薬局」に名称決まる!

薬剤師の皆さん、こんにちは。
ファルマスタッフ神戸営業所です。
 
厚生労働省は、
「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」の報告書をまとめ、
名称を「健康サポート薬局」とすることが示されました。
新制度は2016年にも始まる予定で、
対象薬局は診療報酬改定でも優遇される見通しとなっています。
 
 
どのような点が要件となっているのか、
そして薬剤師さんの勤務環境が今後どのように変わっていくと予想されるのか、
見てみましょう。


 

かかりつけ薬剤師・薬局の基本的機能については、以下の3つとされています。
 
1. 服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導
2. 24時間対応、在宅対応
3. かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携強化
 
その上で、必要な機能として以下を定めています。(一部抜粋)
 
1. 地域における連携体制の構築
 医療機関等と連携し受診勧奨等に適切に取り組むこと
 地域の医療機関等とあらかじめ連携体制を構築していること
 
2. 薬剤師の資質確保
 適切な研修を修了し、一定の実務経験を有する薬剤師が常駐していること
 
3. 薬局の設備
 パーテーション等で区切られた相談窓口を設置していること
 
4. 薬局における表示
 健康サポート薬局である旨や、具体的なサポート内容等について薬局の内外に掲示すること
 
5. 要指導医薬品等の取り扱い
 
6. 開局時間
 平日の開局日には連続して開局していること、
(午前8:00から午後7:00までの時間帯に8時間以上が望ましい)
 さらに土日どちらかにも一定時間開局していること
 
7. 健康相談・健康サポート
 販売内容や相談内容を記録し、一定期間保存していること
 健康相談などの健康サポートの具体的な取り組みを積極的に実施すること
 健康の維持・増進に関するポスターの掲示やパンフレットの配布により啓発活動に協力していること
 
 
 厚生労働省「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」取りまとめ
 
 
 
まだ明確に定義されていない項目も多くありますが、
健康サポート薬局を目指す場合、
薬剤師さんのお仕事は、具体的にどのように変わっていくと予想されるのでしょうか。
 
 
まずは24時間対応
24時間薬局を開けておく必要はありませんが、
時間外でも患者さんの相談に対応できる体制が必要なので、
時間外の携帯電話当番などが業務内容に加わってくる可能性が高いでしょう。
 
在宅対応については、
「薬学的管理および指導の実績があること」と定義されています。
在宅業務は、薬剤師として仕事をする上で今後は必須業務となってきそうですね。
 
開局時間については、
1人薬剤師や中休みがある薬局さんは増員が必要になるでしょう。
9〜17時のみの開局や土日定休だった薬局は開局時間が増えることになり、
増員できない場合は現職スタッフの勤務時間を増やすしかありません。
 
また、OTC・健康食品・介護用品などを設置したり、
健康相談や健康フェアの企画・開催などの業務が求められる可能性があります。
 
 
新制度がスタートすることにより、
薬局・薬剤師にも変化が求められることになりますが、
健康サポート薬局の基準を満たすこと自体が目的化するようなことにならないよう、
名称やその機能が地域の皆さんにしっかり認識されて
セルフメディケーションへの意識を高めて健康寿命の延伸という目的に寄与できるよう、
取り組んでいかなくてはなりませんね。
 
 
 
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