Vol.6 「6年制薬剤師」で変わる?薬剤師の就業環境での3つの予測


2011年は6年制薬剤師が4月より最高学年の6年生になる年です。就職活動も順次本格化しており、2012年には初めての6年制薬剤師が社会に飛び立って行きますが、弊社への相談の中でも、2012年以降の就職・転職市場への影響について不安感の声が非常に多くなっています。 よって今回は、『6年制薬剤師の輩出後、薬剤師の就業環境はどう変わる?』というテーマで、今後の薬剤師業界を3つのポイントで予測してみたいと思います!

業界予測1、2012年は、6年制薬剤師の影響ほとんどなし?


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実践的な知識や経験が増え、即戦力の薬剤師として期待されている6年制薬剤師です。
しかし、2012年の転職市場で実際に変化がありそうなのは、企業やドラッグストアなどから調剤薬局に転職する、いわゆる「調剤未経験者」の採用のみであり、経験者の中途採用に関しては引き続き変わらないと見られています。 なぜかと言うと、6年制といっても社会人経験はゼロのため採用側では指導・教育体制が必要となりますが、新卒者の採用をあまり行ってこなかった薬局では、そういった新人教育ノウハウが充実していないため、即戦力としては経験値の高い中途採用を優先することになるのです。
反面、例年多くの新卒を採用している大手調剤薬局チェーンでは各社採用に積極的なため、調剤未経験者の採用には慎重になって行くでしょう。

 

業界予測2、後継者不足は、薬局よりもクリニック・診療所?


次に、薬剤師業界の今後の見通しとして、薬局経営者は、調剤報酬改定・薬価改定のマイナス影響や、調剤基本料見直しの話題も浮上してくる中、より厳しい経営を強いられて行くことになります。現時点では薬局の閉局は目立たなくとも、今後を見据えて売り先を探す法人も少なくありません。
さらに将来的に不安視されているのが、処方箋応需元のクリニック・診療所において医師の後継者不足で閉院・休診するケースです。これにより、複数科目や広範囲から応需する薬局以外は、人員体制の減少などの影響を受ける可能性が高いなど、将来的には薬剤師の就職・転職市場にとっても厳しい時代が来ることが予測されます。

 

業界予測3、2012年より深刻な「2015年問題」?


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今後、6年制薬剤師の影響で転職環境が大きく変わるのは、2012年よりも2015~2016年と見られています。なぜなら、2012年卒業の6年制薬剤師が社会人経験を3年ほど積み、ステップアップのために転職を考え始める年となるからです。2012年では新人教育の点で採用を渋っていた薬局でも、積極的な受け入れに変わっていくでしょう。また、大手調剤薬局チェーンも6年制薬剤師を安定して採用できると見込めば、新卒中心の採用に切り替えますので、中途採用の選考が厳しくなっていきます。 よって、「今は影響が分からないので、初めての6年制薬剤師の輩出後に少し様子を見てから転職しよう・・・」。多くの方がそう思って転職に慎重になっている今こそが、実際のところは最後のチャンスの時期とも言えるのです。漠然とした不安で機会を逃すのではなく、ぜひお気軽にご相談をいただきたいと思います!

 

編集後記

弊社への転職相談で、6年制薬剤師を見越しての動きで特に早かったのが、異業種から調剤への転職でした。予測1でも挙げた通りの読みをされた方たちですね。「業界が動いていく際に、自分の動き方で何か一番良いのか」。正しい予測をするのは簡単ではありませんので、迷った際はぜひ私たちコンサルタントにご相談ください。

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