2013.04.09

6年制卒とは働きたくない!?

薬剤師の皆さん、こんにちは。
ファルマスタッフです。

先日、6年制になって2回目の国家試験の結果が発表され、
新たに8,929名の新薬剤師の皆さんが誕生しました。
合格率は昨年より9.21ポイント減の79.1%
出題傾向としてはより現場の実務に近い実践的な問題が増えて難易度が上がったと言われていますが、
皆さんはこの結果をどのようにご覧になりましたか?

すでに6年制の方と一緒にお仕事されている薬剤師さんも多いと思いますが、
そんな中、薬剤師の皆さんから寄せられる転職相談の中で、
「6年制卒の方とは一緒に働きたくない」 というごお話を時々伺います。
詳しく伺ったところイメージだけで敬遠されている方が多いようなので、
ある大手調剤薬局の人事の方に伺ったお話をご紹介させていただきます。

その企業では当初、6年制の卒業者に対して、
臨床的な知識と視点・実践能力など、即戦力としての活躍を期待されていました。

2年長いカリキュラムと長期の実務実習を経験していることから、
入社時研修をこれまでより短縮して行うことも検討されていましたが、
結果的には従来と同様の研修が必要と判断し、実施されています。
個人や大学などによりレベルの差があったことと、やはり社会人としての基礎は一から指導していく必要性を感じたというのがその理由です。

働く上で必要とされる知識や経験は、実務でしか身に付かない と、その方は言っています。
中途採用の面接で高い評価につながるコミュニケーション能力や協調性も、長い時間をかけて少しずつ培われます。
そのため、4年制の薬剤師さんも、これまでのご経験に自信を持って採用面接にお越しください、とのことです。

ただし、薬学教育もこれからどんどん改善されていくことが予想されるため、
4年制・6年制に関わらず既卒者の方は、薬剤師として+αの経験や専門領域の知識習得など、一層の努力が求められます。

何年課程を卒業したということに拘らず、同じ薬剤師として1つの目標に向かって共に成長していけたら理想的ですね。

厚生労働省の出した試算によると、約15年後には3人に1人の薬剤師が余剰になると予測されています。
薬学部・薬科大の増設、分業率の鈍化、保険や薬価改正、薬のネット販売など今後も様々な影響がありそうですが、
「薬剤師」という職種の社会的評価を左右するのは、これからの皆さんの行動にかかっているのではないでしょうか。