2013.08.05

【東海地区の薬局出店ラッシュは若手薬剤師にチャンス?!】

こんにちは、メディカルリソース(ファルマスタッフ)名古屋支店です。

今回は最近の薬剤師転職市場・業界に関しての注目話題についてお知らせです。

 

1、出店を加速する調剤薬局
最近毎日ニュースをにぎわせておりますが、法案通りであれば来年4月から実施される「消費税増税」には注目ください。
診療報酬は非課税のため、医療機関にとっては収入は増えないですが薬を購入する際の支出は増えてしまう現状がございます。
そのため、現在院内処方せんで対応のクリニックや病院が院外処方せんへ切り替わりを検討しています。
その他の要因も含めて、例えば名古屋市では今年の5月の名古屋第一赤十字病院(中村区)の院外処方せん化を皮切りに院外発行の話題は増えております。
東海地区の平成24年度の医薬分業率は愛知県59.5%、三重県56.8%、岐阜県63.6%、静岡県71.5%、長野県66.1%と
東京(77.6%)や神奈川(81.6%)に比べて伸びしろがあるため、今年から来年にかけて急速に分業が進むことも予想されます。

2、出店ラッシュで生まれる新たな役割
処方せんの院外発行に伴い調剤薬局が新規出店をすると、それに伴い人材が必要となります。
まず、薬局登録上必ず必要となるのが「管理薬剤師」です。
そして会社で管理薬剤師が増えればその上の管理者として、「エリアマネージャー」の役割も必要になる可能性があります。
上記の2つの役割は一定の薬剤師としての経験と管理能力が求められるため、すべての方にとってチャンスということではないかもしれませんが、もう一つ新たな役割が生まれる可能性があります。

それは「複数店舗掛持ち職」です。

3、複数店舗掛持ち職が求められる理由
「複数店舗掛持ち職」とは会社によっては「店舗サポート職」、「ラウンダー職」とも呼ばれ、常に複数の店舗を掛持ちして勤務をする働き方です。

すでにいくつかの調剤チェーン薬局で設けられている役割です。


明確な定義はありませんが、エリアマネージャーに比べ管理能力を問われず、店舗での業務のみを主とすることが多いようです。
そのため、比較的若手の薬剤師に任せられる役割でもあります。
すでにあるクリニックが院外処方せんに切り替わる際、薬局オープン時に想定の外来患者数や処方せん発行枚数に対して人員配置が2名だと少ないが3名だと多いという時があります。
パート薬剤師の採用だと、さらに新規の出店計画があった際に異動は難しいため、そういった際にも複数店舗掛持ちを役割とする正社員は求められる存在です。
ただし、この役割は店舗間の移動時に物理的に車での移動が必須だったり、職場の欠員対応を急にお願いされたり、さらに業務はスピーディーかつ効率的に行う必要があったりと、業務負担が大きいため希望者は少なく希少な存在と考えられております。そのため、会社での地位や給与において高待遇の条件を提示されるケースも少なくありません。

4、チャンスはピンチ?年功序列制度が変わる
このように調剤薬局の新規出店ラッシュは新たな役割を増やし、若手薬剤師がキャリアアップをするチャンスにつながると言えます。
ただし、ある程度の経験があり、掛持ち就業することに抵抗がなければ店舗掛持ち職にチャレンジすることは可能なため、6年制薬剤師にも同様にチャンスがあるということになります。
もし、積極的な6年制薬剤師が志望すれば、今まで後輩だった者が会社の立場としてはポジションは上ということにもなるかもしれません。
医療業界は年功序列的な要素はまだまだ根強いですが急速な出店ラッシュがその崩壊の一要素になる可能性があるかと思います。