お役立ち情報
  • 公開日:2016.09.02

小児薬物療法認定薬剤師とは?

薬剤師の中には、さらに高い専門性を認める認定資格を持っている人もいます。小児薬物療法認定薬剤師もその中の一つです。ここでは、その仕事内容や年収について紹介します。

小児薬物療法認定薬剤師の年収は病院薬剤師と同じくらい?

薬剤師の関連資格の一つである小児薬物療法認定薬剤師は、2012年にできた比較的新しい資格のため、まだそれほど資格を持っている人は多くはありません。 資格保有者はだいたい400人程度で、年収に関するデータなどもまだ出ていません。

しかし資格の性格上、小児病棟のある病院で仕事をしている人が多いことが予想できます。 となると、病院で働く薬剤師と同じような年収レベルで仕事をしている人が多いと考えられます。

病院薬剤師の年収のデータを見てみると、450万円から600万円といったところが相場といわれています。 小児薬物療法認定薬剤師も同様の年収を基礎とし、そこに小児薬物療法-認定薬剤師に対する資格手当が上乗せされる場合もあるため、普通の病院薬剤師よりも若干高い平均年収になる傾向になると考えられるでしょう。

そもそも小児薬物療法認定薬剤師とは何か?

小児薬物療法認定薬剤師とは、日本小児臨床薬理学会日本薬剤師研修センターが2012年に設立した資格制度のことです。 小児薬物療法分野における一定レベル以上の専門知識スキルを持っている薬剤師に対して、認定を行っています。

主催の一つである日本薬剤師研修センターでは、小児薬物療法認定薬剤師に対して2つの役割を期待しています。

1つ目は、医薬品に関する専門知識を有して、小児科領域の薬物治療に医療チームの一員として参加することです。

そして2つ目には、患者さまである子どもとその保護者に対して、医薬品に関するアドバイスや教育などを行うことも、担当分野として期待されています。

ただ単に薬学についての専門知識を持っているだけでなく、母乳と薬の関係性や薬を飲むことを嫌がる子どもにどう薬を服用させるかという実際の事例に即した知識、テクニックなども求められます。 子どもと薬学を深く関連付けながら、知識やスキルを身につける必要があります。

小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得するには?

小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得するためには、まず大前提として薬剤師免許を取得して薬局などにおける3年以上の実務経験を有していることが必要です。

その上で、小児薬物療法研修会を受講します。 小児薬物療法研修会は36単位のカリキュラムで構成されていて、e-ラーニング方式を採用しているので自宅でネットを使って受講可能です。

研修会ですが、短い募集期間で全体で250名程度の募集のため、すぐに定員充足するおそれがあるので、申し込みが開始したら早めに手続きを進めましょう。

研修のカリキュラムを修了すると、資格試験を受ける権利が与えられ、これに合格する必要があります。 しかし、合格したら資格取得できるわけではなく、その後合格した年の末日までに、日本薬剤師研修センターに登録された小児科病棟で実務研修を受けないといけません。

この研修を修了して、晴れて小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得できます。

小児薬物療法認定薬剤師ですが、資格の期間制限があるので注意しましょう。 小児薬物療法認定薬剤師の資格は3年で失効してしまうので、更新手続きをする必要があります。

更新するためには条件があり、日本小児臨床薬理学会の年会に1回以上の参加、日本薬剤師研修センターの主催する講習会への参加などの条件を満たす必要があります。

小児薬物療法認定薬剤師のやりがいとは?

小児薬物療法認定薬剤師の活躍できる職場ですが、子どもに関わるところであればどこでも活躍できるでしょう。

たとえば小児病棟のある病院、小児科のクリニックなど小児薬物療法の必要なところであればどこでも力を発揮できます。 また、調剤薬局の中でも、小児科の近くにある店舗であれば小児薬物療法認定薬剤師の資格のある人は重宝されるでしょう。

その他にも今後は、子どもの関わる医療機関以外の施設でも活動できる可能性があります。 たとえば保育園や幼稚園において、専門知識を生かして服薬指導などのアドバイスを行うことも可能です。

このように薬剤師としてより広範囲に活動できる可能性があるので、小児薬物療法に興味のある人は資格取得して損はないでしょう。

小児薬物療法認定薬剤師は更新しないと、せっかくの資格も失効してしまいます。 このため、資格を持ち続けるために小児薬物療法に関する学習や研究を継続して行わないといけません。 しかし見方を変えれば、小児薬物療法に関する最新情報を常に勉強できるので、絶え間ないスキルアップができるのもやりがいといえますし、年収もアップする可能性があります。

まとめ〜小児薬物療法認定薬剤師とは?

1.小児薬物療法認定薬剤師の年収は病院薬剤師と同じくらい?
小児薬物療法認定薬剤師は小児病棟のある病院で仕事をしている人が多いです。 そのため、小児薬物療法認定薬剤師は病院薬剤師の年収に近い条件で仕事をしていると考えられます。
2.そもそも小児薬物療法認定薬剤師とは何か?
日本薬剤師研修センターでは、小児薬物療法認定薬剤師に対して2つの役割を期待しています。 ひとつは、専門知識を小児科領域の薬物治療に役立てること。 そしてもうひとつは、子どもの保護者に医薬品の知識提供やアドバイスを行うことです。
3.小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得するには?
小児薬物療法認定薬剤師の資格を取得するためには3年以上の実務経験が必要で、小児薬物療法研修会を受講の上、試験に合格しないといけません。 また3年で資格は失効するので、更新手続きも定期的に行わないといけません。
4.小児薬物療法認定薬剤師のやりがいとは?
小児薬物療法認定薬剤師の資格を持っていると、いろいろな職場で活躍できるチャンスがあります。 また更新制の資格なので、資格取得後も継続して勉強をする必要があり、常にスキルアップのチャンスがあるのもやりがいといえます。

ファルマラボ編集部

「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。

記事掲載日: 2016/09/02

あわせて読まれている記事