服薬指導に活かす医薬品情報

バイアスピリン錠

Q

何のお薬?処方目的は?

A

適応症は狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)・心筋梗塞・虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制、川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)です。最近では、抗血小板作用のみならず、抗酸化作用、血管内皮機能改善作用なども報告されています。まずは既往歴を確認しましょう。確認できた場合には、プロフィールにも忘れず記載します。


Q

出血傾向に注意

A

重篤な副作用として出血があります。鼻出血やあざ、血尿などのチェックはもちろんですが、脳出血の危険もありますので、初期症状(頭痛、悪心・嘔吐、片麻痺など)を伝えておきましょう。


Q

抜歯時の対応は?

A

以前は、「抜歯する=抗血小板剤の服用中断」というのが基本でしたが、現在では、脳梗塞・急性心筋梗塞の発症リスクが上昇するため、原則として抗血小板剤の服薬は中断しないとされています。アスピリンの休薬により、脳梗塞発症リスクが3.4倍高まるとも報告されています。ただし、抗血小板剤を継続したまま抜歯したことで、出血が止まらなくなったケースも報告されていますので、薬剤師の判断のみで安易に服用を続けるように指導することは避けなければなりません。対応としては、抜歯するという情報があれば、事前に歯科医師とバイアスピリンの処方医に十分連絡をとっていただくよう患者さまにお伝えすることです。白内障の手術も同様です。


Q

胃腸障害に注意

A

動脈硬化性疾患の予防目的の低用量アスピリン療法は長期に渡るため、NSAIDs 潰瘍がしばしば問題になります。NSAIDs に起因する消化性潰瘍は、比較的自覚症状に乏しく、貧血や吐血・下血などで発見されることもあります。出血傾向も伴い、それらの症状が重篤化するケースもあります。胃痛や胸やけなどはもちろんですが、疲れやすさ、血便の有無なども確認する必要があります。


Q

服用時の注意点は?

A

胃腸障害を防ぐため、腸溶錠となっています。本来の目的が損なわれないよう、噛まずに服用するように指導しましょう。ただし、急性期では粉砕したり噛み砕いて服用することがあり、通常では効果発現に4 時間程度かかるところ、15 分と短時間で効果が発現します。


Q

注意すべき疾患は?

A

まず、消化性潰瘍のある患者さまには投与禁忌です。併用薬(PPI やH2ブロッカー)などから消化性潰瘍が疑われるケースもあるため、既往歴について必ず確認します。また、当然ですがアスピリン喘息の患者さまには投与禁忌です。気管支喘息患者さまの約1 割がアスピリン喘息とも言われており、中には患者さま自身がアスピリン喘息であることを自覚していないケースもあるため、「市販の風邪薬を服用して、息苦しくなったことはないか」など確認します。


Q

飲酒の習慣は?

A

アルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがあるため、アルコールを常飲している患者さまには慎重投与です。


Q

OTCの服薬状況は?

A

アスピリンは低用量の投与で血小板凝集抑制作用が発揮されますが、高用量ではそれが発揮されません。これをアスピリンジレンマといいます。アスピリンはアセチルサリチル酸としてOTC でも販売されているため、併用には注意が必要です。その他イブプロフェンでも抗血小板作用が減弱するため併用注意です。


掲載日: 2023/12/07
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