ファルマスタッフ薬学生
  • 公開日:2022.07.05
  • 更新日:2023-11-14

薬学生が学会に参加するメリットや得られるものとは?

薬学生が学会に参加するメリットや得られるものとは?

それぞれの大学によって違いはありますが、薬学部では研究室に所属するようになると、「学会」に参加する機会が与えられます。薬学生にとって「学会」は遠い存在...。「自分が参加してもよいのだろうか?」と考えている方も少なくありません。

今回は、そんな「学会」について、学会発表の目的や参加するメリットなどを詳しく解説していきましょう。

薬学生が学会に参加するケース

学会a

学会は薬学生の皆さんにとってなじみが薄い存在。そのため学会に参加するといっても、講義を聞くようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、学会は傍聴するほかにも、卒業研究を発表するなどのケースがあり、薬学部が6年制になって以降は発表する機会やポスター発表の掲示なども増えてきているようです。薬学生が学会に参加し、そこで吸収する知識はきっとリアルで興味深いはず。難しい研究発表ばかりではないので、今後のためにもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

薬学にまつわる代表的な学会

学会b

日本には「薬学」にまつわる様々な学会が存在します。ここでは、おもな組織とどのような活動を行っているのかをご紹介いたします。

一般社団法人 日本医療薬学会

●活動概要

日本医療薬学会では「医療薬学」誌の編集・発行、年会の開催、公開シンポジウムの開催、学会賞等の選考・表彰、医療薬学専門薬剤師の認定、がん専門薬剤師の認定、薬物療法専門薬剤師の認定、学術書籍の編集・出版などの事業を行っています。

学会の会員数は年々増加し(2022年12月末現在約14,000名)その構成も病院・保険薬局の薬剤師、薬系大学教員・学生、製薬企業関係者等多岐にわたっています。年会における一般演題数も847題を超えるなど、名実ともに日本の医療薬学領域を代表する学会に成長しています。

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一般社団法人日本医療薬学会

一般社団法人 日本薬学教育学会

●活動概要

日本薬学教育学会は、学術集会の開催、会誌等の刊行、国内外の関連団体との交流及び協力などの事業を通して、薬学教育に携わる会員の情報発信・共有の場を提供し、サイエンスとしての「薬学教育学」の確立、薬学教育に関する研究の発展・充実、そして薬学教育のさらなる向上を目指しています。大学教職員をはじめ、薬剤師、学生(学部、大学院)、病院・薬局・企業の教育研修担当者など、広く薬学の教育に携わる関係者が学会に参集し、薬学教育に関する学術活動を展開しています。

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一般社団法人 日本薬学教育学会

一般社団法人 日本老年薬学会

●活動概要

日本老年薬学会は、高齢者の薬物治療に関する実践と研究の振興及び知識の普及、会員相互及び内外の関連学会との連携協力を行うことにより、老年薬学の進歩を図り、わが国における高齢者医療の発展に寄与し、社会に貢献することを目的としています。

おもな活動として、公開シンポジウム、老年薬学ワークショップ、研修会、講演会、学術大会や内外の関連学術団体との協力活動などの他にも、老年薬学に関する機関誌、その他刊行物の発行事業活動を行っています。

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一般社団法人 日本老年薬学会

一般社団法人 日本精神薬学会

●活動概要

日本精神薬学会は、精神科領域の薬物治療及び向精神薬開発の進展を鑑み、臨床現場の薬剤師と基礎研究に従事する薬剤師の協働により、精神領域における薬剤師の専門性を向上させ、精神科における薬物治療の適正化をはじめとした、精神薬学の進歩発展を図ることを目的として設立しました。

学会誌「日本精神薬学会誌」の発行をはじめ、学術集会、講演会、各種セミナーなど様々な活動を行っています。

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一般社団法人 日本精神薬学会

一般社団法人 日本薬学生連盟

●活動概要

日本薬学生連盟は学会ではありませんが、WHO(世界保健機関)やFIP(国際薬剤師連合)と正式にパートナーシップを結ぶIPSF(国際薬学生連盟)に日本で唯一正式加盟している、薬学生による薬学生のための団体です。1998年に発足した『薬学生の集い』より、2011年に団体名称を『日本薬学生連盟』に変更し、2013年4月には一般社団法人化しました。

現在の会員は薬学部4年制・6年制、そして大学院生も含め幅広い学生が参加しており、北は北海道から南は九州まで、約70大学の薬学生が活動しており、会員数は330名を超えています。(2023年4月時点) 全国の薬学生との交流は勿論、他医療系学生との交流や社会人との意見交換の場なども提供しています。

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一般社団法人 日本薬学生連盟

薬学生が学会に参加するメリット

学会c

薬学生にとって、学会は遠い存在。大学で学んでいることと学会での内容がかけ離れているように感じる学生も少なくありません。そのため「そもそも学生は学会に参加してもいいの?」といった声を聞くことも。

ここでは、薬学生が学会に参加するメリットをご紹介していきましょう。

発表側で参加するメリット

発表を行うにあたり、発表内容をまとめる必要があるので、そのテーマに沿って専門知識を修得することができ、さらにロジカルシンキングやプレゼンテーション能力を身につけることができるのが最大のメリットです。 薬剤師として仕事を始めると毎日知らない患者さまとコミュニケーションをとることになるので、このようなスキルはとても役に立ちます。

また、学会での発表は社会的意義があるので自身の記憶にも残りやすく、今後のモチベーションにつながることも多いでしょう。

傾聴側で参加するメリット

普段学ぶことができない深い知識や研究に触れることができ、参加することで現役薬剤師や研究職の人と交流することができます。

また、現在学んでいることの意義や将来のビジョンを明確にするチャンスでもあります。自分が研究していることは、現場でどのように役に立つのかを学ぶよい機会となるでしょう。

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まとめ

今回は、学会の目的や参加するメリットなどを詳しく解説しました。

学会は薬学生にとって遠い存在のように感じますが、実際は現場で活躍する専門家が集まり、自身の活動や考え方、実践した結果などを発表する場です。自身が学んでいることの意義や将来のビジョンを明確にするよい機会でもありますので、ぜひ参加して見聞を深めましょう。

また、学会で発表することでロジカルシンキングやプレゼンテーション能力が身につくことも多いので、積極的に参加して自身のスキルアップを図りましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/07/05