骨粗鬆症のためボンビバ錠を服用していた患者が、骨密度検査の結果、状態が好ましくなかったので、今月から月1回の注射薬に切り替わった。どの注射薬に切り替わったと考えられる?

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骨粗鬆症のためボンビバ錠を服用していた患者が、骨密度検査の結果、状態が好ましくなかったので、今月から月1回の注射薬に切り替わった。どの注射薬に切り替わったと考えられる?

    それぞれの投与間隔は下記のとおりです。

    ・プラリア皮下注:半年に1回
    ・イベニティ皮下注:月に1回
    ・ボンビバ静注:月に1回
    ・テリボン皮下注用:週に1回

    月に1回の注射薬は、イベニティ皮下注かボンビバ静注のいずれかです。骨密度の状態が好ましくなかったとあるので、同一効果の注射薬への切り替えは不適切と考えられるでしょう。

    よって、イベニティ皮下注へ切り替わったと考えるのが妥当です。参考として、イベニティ皮下注は過去1年以内に虚血性心疾患または脳血管障害を起こした患者への投与を避けるよう添付文書に書かれているので、既往歴を患者に確認しておきましょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    今まで服用していたビスホスホネート製剤の処方がなくなった場合、院内で投与される注射薬に切り替わった可能性を考え、患者に質問をします。投与間隔を聞いて注射薬を推測するか、診療明細書を持っていれば、薬品名が記載されている可能性が高いので確認してみましょう。

    なお、低カルシウム血症の予防として、デノタスまたはビタミンD3製剤を併用することが多いです。また、投与期間が定められている注射薬(イベニティ皮下注は12ヶ月間、テリボン皮下注用は24ヶ月間)があるので、薬物治療が適切に行われているか、定期的に注射状況を患者に確認しておきます。使用期間満了となるタイミングで、医師に情報提供をしても良いでしょう。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2024/04/26
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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