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2019.11.13

『がん専門薬剤師』とは?がん治療のスペシャリストになる方法などを徹底解説【薬剤師の資格入門】

『がん専門薬剤師』とは?がん治療のスペシャリストになる方法などを徹底解説【薬剤師の資格入門】

『がん専門薬剤師』は、がんの薬物治療に関する知識や技術、さらに豊富な経験を備えた薬剤師に認定される資格です。所定の単位を獲得すると認定されます。

この記事では、【がん専門薬剤師について/取得するメリット/取得方法】などを解説。がん専門薬剤師は、がん治療に関心がある薬剤師におすすめの資格です。ぜひ、スキルアップの一環として、資格取得を目指してみませんか?

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がん治療の知識や技術を持つ『がん専門薬剤師』

『がん専門薬剤師』とは、日本医療薬学会が認定する、がん治療において一定の水準以上の実力を備えた専門性の高い薬剤師です。

がん治療の進歩に伴い、薬剤師の専門性を活かして、さらに安全ながん治療を提供することを目的に、2009年11月にがん専門薬剤師認定制度が発足。以来、医療現場において活躍しうるプロフェッショナルの育成に努めています。

かつての薬剤師は、仕事に困ることは殆どありませんでした。しかし近年は、「がん治療専門病院」のように、高い専門性や深い実経験が必要な職場が増え、がん専門薬剤師のように+αの資格を取得することが求められているのです

がん専門薬剤師がチーム医療で担う役割

チームで働くがん専門薬剤師のイメージ

がん治療は、医師・看護師・放射線技師などで構成されるチームで取り組みます。薬剤師は、医師の処方計画に対して助言し治療に貢献。また、患者さまの状態やがんの進行度などを踏まえて、抗がん剤の変更を提案したり投与量を調整します。そうすることで、副作用の発現を未然に防ぐことが求められているのです。

ほかにも、患者さまと直接関わる業務もあります。薬物治療について十分に説明を行い、治療効果や考えられる副作用などを患者さまに理解してもらうことも大切な役割です。患者さまに正しくご理解いただければ、スムーズに治療が進むでしょう。

がん治療に携わる薬剤師の具体的な業務

抗がん剤などの調剤

がん治療は、発症した臓器や進行度などにより、抗がん剤の種類や投与量を変える必要があります。薬剤師は、処方が妥当か監査した上で処方に従って調剤することが仕事です。複数の抗がん剤を用いる際は、薬剤同士の相互作用を確認しなければなりません。また、注射剤であれば無菌調剤となり、より高度な技術と知識が求められるでしょう。

レジメン管理や支持療法薬の提案

抗がん剤の投与など治療計画を記したレジメンや検査結果を確認して、投与量やスケジュールを管理します。また、一緒に投与する輸液の量や支持療法薬の種類などを提案することも仕事です。がん治療は、抗がん剤の投与量や投与方法が複雑、かつ支持療法薬の組み合わせも多岐にわたるため、患者さま一人ひとりの細かな計画が決められていることが殆どです。

副作用や治療効果のモニタリング

副作用が発現していないか、十分な治療効果が表れているかを、聞き取りや日々の検査結果などからモニタリングします。時には、未知の副作用が出ることもあるので、十分に可能性を広げて考えなければなりません。また、便秘や下痢、吐き気などの副作用をコントロールするため、副作用に対する支持療法薬の提案を行うこともあるでしょう。

患者さまや医師からの相談に対応

患者さまをはじめ、医師や看護師などの医療従事者からの相談に対応します。抗がん剤についてや副作用の可能性など、がん治療薬や支持療法薬にまつわる様々な質問が投げかけられるでしょう。しっかりと答えられるよう、十分な知識を身につけておく必要があります。

医薬品情報や論文からの情報収集

最新の医療データを集めて、治療計画に活かすことも業務のひとつです。抗がん剤の情報は日々更新されるので、国内外から文献を取り寄せて読み込むことも必要です。最新のガイドラインや臨床情報などを理解して、使いこなすような高いスキルが求められるでしょう。

地域の薬局との連携

退院後も患者さまのフォローを万全の体制で行うために、地域の薬局と連携します。外来で訪れた時に持ち込まれた処方箋などから薬局を特定し、働きかけましょう。連携の中で求められている役割は。副作用情報に関するフィードバックなど情報提供を行うことです。

資格取得のメリットとは?<4つの魅力をご紹介>

がん専門薬剤師の資格の取得するイメージ

病院への就職・転職に有利

がん専門病院、急性期病院、大学付属病院、国公立病院などがん治療に力を入れている病院への就職・転職に、『がん専門薬剤師』は有利に働きます。また、「がん患者指導料」の点数を加算する上で、がん専門薬剤師は必要要件に該当します。つまり、資格保有者の存在は収益上のメリットになるため、病院側としてもぜひ採用したい人材と言えるでしょう。

給与や収入アップが見込める

『がん専門薬剤師』を取得していれば、手当の支給などにより収入アップが見込めるケースもあるようです。すぐの収入アップが見込めなくても、昇給や昇進の面で優遇される可能性もあります。資格の取得は将来的にみても有利に働くことでしょう。もちろん、病院ごとに条件は異なるため、事前に確認することをおすすめします。

深いレベルで治療に貢献できる

薬剤師としてのやりがいを高められます。命に関わるがんという病気の治療効果を高めたり、副作用を防いで患者さまのQOL向上に貢献できたりと、薬剤師としての職能を大いに発揮することができます。がん治療における薬のエキスパートとして、深いレベルで治療に貢献でき、医師から一目置かれる存在となるでしょう

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資格取得の方法とは?<8つの要件を押さえよう>

『がん専門薬剤師』を取得するには試験に合格する必要があります。その前に、受験資格の有無を確認する審査を通過しなければなりません。必要な要件は8つです。

  • 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。
  • 薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。
  • 日本医療薬学会の会員であること。
  • 日本医療薬学会の認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師であること。
  • 日本医療薬学会が認定するがん専門薬剤師研修施設において、同学会の定めた研修ガイドラインに従って、がん薬物療法に関する5年以上の研修歴を有すること。
  • 日本医療薬学会が認定するがん領域の講習会を50単位以上履修したこと。
  • がん患者への薬学的介入実績50症例(3臓器・領域以上の癌種)を提出すること。
  • 日本医療薬学会が実施するがん専門薬剤師認定試験に合格すること。

  • ▼引用元はコチラ>一般社団法人日本医療薬学会 がん専門薬剤師認定制度規程

    いずれの要件も、実務経験を積まずに満たすことはできません。しかし、実務経験を積み重ねることで、「がん患者への薬学的介入実績50症例の提出」は達成に近づきます。自信にも繋がるので、胸を張ってがん専門薬剤師であると名乗ることができるようになるでしょう。

    取得後は、5年毎の更新に向けて自己研鑽を続ける必要があります。最先端の情報に触れ続けるなど努力を惜しまなければ、プロフェッショナルとして活躍し続けられるでしょう。

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    がん治療のスペシャリストを目指してみては

    今回は、【がん専門薬剤師について/取得するメリット/取得方法】などを解説していきました。 近年、専門薬剤師の資格を取得する人が増えていますが、その中でも、『がん専門薬剤師』はがん治療領域のエキスパートとして非常に注目が集まっています。

    「がん」に対して、薬剤師という立場から貢献できる『がん専門薬剤師』。取得までの道のりは平坦ではないかもしれませんが、患者さまのお役に立つことができますし、キャリアアップにも繋がります。ぜひ取得を目指してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

    ▼参考サイトはコチラ>日本医療薬学会|がん専門薬剤師認定制度
    記事掲載日: 2019/11/13

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