転職ノウハウ
  • 公開日:2025.11.27

【データで見る】東京都の薬剤師年収・時給のリアル|エリア・業種別の特徴と年収600万円を目指す方法

【データで見る】東京都の薬剤師年収・時給のリアル|エリア・業種別の特徴と年収600万円を目指す方法

「東京都で働く薬剤師の年収ってどのくらいなの?」

転職や今後のキャリアを考えるとき、まず気になるのが「相場」ではないでしょうか。実は、東京都の薬剤師の平均年収は全国平均よりもやや低めです。

一方で求人は豊富にあり、エリアや業種、働き方を工夫すれば年収アップのチャンスも広がります。

本記事では、「東京都における薬剤師の平均年収・時給をデータで解説」するとともに、 「エリア別・業種別・年代別の違い」や「年収600万円以上を目指すための具体的な方法」「年収アップに成功した転職事例」までご紹介します。

「今の自分の年収は相場と比べてどうなのか?」「転職すれば、もっと良い条件で働けるのか?」そんな疑問を持つ薬剤師の方に役立つ情報をまとめました。

東京都の薬剤師の平均年収・時給

東京都の薬剤師の年収・時給は全国と比較して高いのでしょうか。ここでは、2024年12月時点のファルマスタッフの各都道府県求人情報をもとに、東京都の薬剤師の年収・時給を全国平均と比較して解説します。

正社員薬剤師の平均年収は579万円

東京の正社員薬剤師の年収分布グラフ

東京都の正社員薬剤師の平均年収は579万円となり、全国平均である599万円と比べるとやや下回る結果となりました。

地方では薬剤師が不足しており、採用が難しいことから高給与になりやすい傾向にあります。一方、東京都は薬局数・勤務薬剤師数ともに多く、地方に比べると高給与を提示しなくても採用がしやすい傾向にあるため、全国平均に比べて年収が下回る結果になったと考えられます。

ただし、東京都には大手企業や本社機能を持つ薬局も多く、キャリアアップのチャンスが豊富という点がメリットです。福利厚生については、地方に多い「借上げ社宅」などの住宅に関する条件は少ない一方で、家賃補助や家賃手当の上限額が高い傾向にあります。

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派遣薬剤師の平均時給は3,315円

東京の派遣薬剤師の時給分布グラフ

東京都の派遣薬剤師の平均時給は3,315円と、全国平均の3,515円と比べてやや低い水準です。

これは正社員同様、地方では薬剤師の採用が難しい地域も多く、高時給で募集されるケースがある一方で、東京都は求職者数が多く採用が比較的安定しているためと考えられます。

また、派遣会社の福利厚生制度が利用でき、健康保険や有給休暇、各種手当などのサポートを受けながら働けます。さらに、スキルアップを支援する教育研修制度が用意されていることもあるため、自分の成長を後押ししてくれる環境が整っています。こうしたサポートに加えて、働き方の自由度が高く、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点も派遣ならではの魅力と言えるでしょう。

効率よく収入を得たい方や、自分のペースで働きたい方にとって、派遣という働き方は有力な選択肢のひとつです。

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パート薬剤師の平均時給は2,243円

東京のパート薬剤師の時給分布グラフ

東京都のパート薬剤師の平均時給は2,243円と、全国平均の2,369円と比べると、他の雇用形態同様にやや低い水準にあります。

パート勤務では、扶養内や週2〜3日勤務など短時間で働きたい方が多い一方、採用側は週3日以上やフルタイム勤務が可能な方を歓迎するケースが増加しています。

また、土日祝勤務が可能な方を歓迎する求人も多いため、その条件で働ける場合は時給が上乗せされるなど、働き方や勤務条件によって待遇面がプラスになる可能性があります。

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【補足】東京都の薬剤師数と市場傾向

東京都は全国でも薬剤師数がトップクラスに多く、転職活動においては競合が多い地域と言えます。地方では薬剤師不足が深刻化しているのに対し、東京都は比較的充足しているため、希望条件によっては「地方での転職も選択肢に入れる」という視点も必要となるでしょう。

東京都の薬剤師数

厚生労働省の「令和4年医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、人口10万人あたりの薬剤師数は以下の通りです。

【令和4年度 東京都の人口10万対薬剤師数(全国・隣県との比較)】

地域 薬剤師数(人口10万人あたり)
東京都 235.7人
千葉県 195.6人
埼玉県 190.3人
神奈川県 215.5人
全国平均 202.6人

薬剤師数:厚生労働省 令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況より、薬局・医療施設の従事者(人口10万人対)

東京都は235.7人と全国平均(202.6人)を大きく上回り、隣接県と比べても高い水準にあります。特に千代田区・中央区・港区といった都心部では薬剤師が集中しており、

  • オフィス街に薬局やドラッグストアが多いこと
  • 医療機関が集積していること
  • 交通利便性の高さ

といった要因が背景にあると考えられます。

東京都の市場傾向

東京都の市場傾向や特徴をまとめると、以下のことが言えます。

<薬剤師転職市場が活発>

東京都は薬剤師数や薬局数・医療機関数が多いため、薬剤師市場の動きが活発な地域です。同じ理由から求人数は地方と比べて豊富な一方、求職者数も多いため、特に好条件求人の競争率は高い傾向にあります。

<通勤手段は「公共交通機関」が一般的>

東京都の薬局・医療機関には駐車場がないことも多いため、車通勤ができない職場も少なくありません。通勤手段としては徒歩圏内の場合を除くと、電車やバスなどの公共交通機関の利用が一般的です。

【コンサルタントの動向予測】小規模病院の門前薬局が減少する可能性あり

今後の薬剤師業界全体の見通しとして、地域密着型などの「小規模病院の門前薬局が減少する」可能性があります。

背景には、国の方針として「慢性期病院の病床数削減」が進められていることがあります。

国の医療政策により、病院には「急性期」「慢性期」のいずれかを明確にするよう求められていますが、夜勤や救急対応が必要な「急性期」は、担い手不足から大規模施設に機能が集約されることが予想されます。

そのため、小規模病院は「慢性期」機能を担うことになりますが、病床数削減の方針により、今後は小規模病院が減少し、門前にある薬局も同様に減少する、もしくは大手チェーン薬局への統合や、在宅医療への転換など、新たな方向性の検討が求められるでしょう。

今後は、薬剤師にもこのような変化を見据えたキャリア形成が求められます。どの地域・環境においても必要とされる存在であるために、在宅医療への参画や、かかりつけ薬剤師として地域医療に貢献できるスキルの習得が重要になると考えられます。

【エリア・業種別】東京都内の年収・給与動向

【ランキング】求人数の多いエリアトップ10

2024年12月時点のファルマスタッフの求人情報をもとに算出した、東京都における薬剤師の求人数が多いエリアトップ10は以下の通りです。

順位 エリア 求人数
1位 足立区 505件
2位 世田谷区 417件
3位 大田区 408件
4位 練馬区 320件
5位 江戸川区 307件
6位 葛飾区 299件
7位 江東区 298件
8位 新宿区 292件
9位 板橋区 283件
10位 八王子市 266件

東京都では、人口が密集している都心部や商業地において薬剤師の求人数が多い傾向にあります。特に駅周辺には調剤薬局・ドラッグストア・病院が集中しやすく、通勤・通学で多くの人が行き交うため、薬剤師の需要が高まっています。

【ランキング】年収の高いエリアトップ10

2025年9月時点のファルマスタッフの求人情報をもとに算出した、東京都における正社員薬剤師、派遣薬剤師、パート薬剤師の平均年収(時給)が高いエリアトップ10を以下にまとめました。

【正社員の平均年収トップ10】

順位 市区町村 平均年収
1位 西多摩郡日の出町 673万円
2位 大島町 650万円
3位 千代田区 610万円
4位 八丈島八丈町 600万円
5位 港区 595万円
6位 あきる野市 590万円
7位 練馬区 589万円
8位 羽村市 588万円
9位 国立市 588万円
10位 中央区 587万円

【派遣の平均時給トップ10】

順位 市区町村 平均時給
1位 江東区 3,500円
2位 大田区 3,500円
3位 中野区 3,400円
4位 西東京市 3,300円
5位 足立区 3,300円
6位 日野市 3,300円
7位 板橋区 3,300円
8位 立川市 3,300円
9位 新宿区 3,267円
10位 港区 3,200円

※各エリアの派遣求人の募集状況はお問い合わせください。

【パートの平均時給トップ10】

順位 市区町村 平均時給
1位 あきる野市 2,450円
2位 東村山市 2,364円
3位 文京区 2,352円
4位 港区 2,336円
5位 立川市 2,334円
6位 品川区 2,305円
7位 渋谷区 2,305円
8位 江東区 2,304円
9位 荒川区 2,304円
10位 町田市 2,303円

薬剤師の平均年収や時給は、需要に対して薬剤師が不足している地域ほど高くなりやすく、反対に薬剤師の数が多い地域では低くなる傾向があります。

東京都内でエリアごとの差は大きくありませんが、人口が集中する23区内よりも区外エリアの方がやや年収が高い傾向にあります。そのため、転職活動をする際は希望地域に加えて、近隣エリアまで範囲を広げることでより高給与な求人に出会える可能性が高まります。

ただし、給与水準は単純に地域差だけでは決まりません。募集しているポジションや、求人の緊急度、企業規模などによっても大きく変動する点には注意が必要です。

業種別の給与傾向

東京都の薬剤師の平均給与は、業種によっても異なります。以下の表は、2025年9月時点のファルマスタッフの求人情報をもとに算出した、東京都で働く薬剤師の業種別の平均給与です。

【業種別 東京都で働く薬剤師の平均給与】

業種 正社員の平均年収 派遣の平均時給 パートの平均時給
調剤薬局 575万円 3,275円 2,266円
病院・クリニック 505万円 3,200円 2,166円
ドラッグストア (OTCのみ) 616万円 - 2,315円
ドラッグストア (調剤併設) 622万円 3,000円 2,354円
企業 668万円 3,200円 2,250円
全体平均 597万円 3,169円 2,270円

ドラッグストア

東京都の薬剤師の年収は、ドラッグストア勤務が他の業種に比べて高い傾向にあります。正社員ではOTCのみで平均616万円、調剤併設型では平均622万円と、いずれも全体平均を大きく上回っています。パートの時給についても、他業種より高めに設定されているケースが多く見られます。

ドラッグストア勤務で給与が高くなる主な理由としては、以下3点が挙げられます。

  • 日用品や食品、衛生用品なども扱うため診療報酬に依存しておらず、企業の営業利益が安定しているため
  • M&Aや店舗拡大により、薬剤師需要が増えているため
  • 夜間や土日祝勤務も発生しやすい点や、レジ打ちや品出しなど業務範囲が広い点で、薬剤師採用が難しくなりやすいため

また、店舗勤務に加えて複数店舗を統括する管理職ポジションも必要とされるため、給与が高めに設定されやすい点も理由として考えられます。

調剤薬局

東京都の調剤薬局で働く薬剤師の平均年収は575万円で、全体平均の597万円をやや下回っています。業務範囲が広く夜間や土日祝日の勤務が発生しやすいドラッグストアと比べると、給与は低めの水準です。

ただし、調剤薬局の給与は勤務する地域や薬局の規模によって大きく変動します。特に東京都より薬剤師不足が深刻な地方では、高めの給与を提示しているケースも多く見られます。

病院

東京都で働く病院薬剤師の平均年収は505万円と、ドラッグストアや調剤薬局と比べて低い水準にあります。病院薬剤師の給与が他業種より低い主な理由は、病院などの医療法人が非営利であることと、医療保険制度の報酬体系の違いが挙げられます。

病院が算定できる「診療報酬」と薬局の「調剤報酬」では薬学管理料に差があり、これが薬剤師の処遇の格差を生む背景にあると指摘されています。

【例外】企業

企業の場合、事業規模や職務内容などによって給与の幅が大きく異なるため一概に記述することは難しいものの、中には高年収のポジションも存在します。研究・開発・品質管理・営業などさまざまな職種があり、成果や実績が給与に反映されるケースも多いため、企業によっては高年収を目指せる場合もあるでしょう。

一方で、職種によっては薬剤師としての専門知識に加え、営業力やマネジメントなどのビジネススキルが求められることもあります。配属先や業務内容によっては「薬剤師としての専門性を十分に活かせていない」と感じる場合もあるかもしれません。

製薬会社や医療系企業などを検討する場合は、求められるスキルを理解することに加え、自身の目指すキャリアや志向に合った職種選びが重要と言えるでしょう。

東京で働く薬剤師が年収600万円以上を狙うには?

はてなマークと虫眼鏡

薬剤師の方の中には、年収600万円を一つの目安にキャリアを考える方も少なくないのではないでしょうか。

年収アップを重視する場合は、契約条件やポジションに応じて年収600万円以上を見込める職場を選ぶことがポイントです。ここからは、東京都で働く薬剤師が年収600万円以上を目指す際に押さえておきたいポイントを解説します。

管理薬剤師・ラウンダー・在宅専任薬剤師を目指す

薬剤師で年収600万円以上を目指す場合、以下のような職種を検討すると現実的です。

  • 管理薬剤師
  • ラウンダー
  • 在宅専任薬剤師

これらの職種は責任や負担が大きい分、手当がつくことも多く、高収入につながりやすい傾向があります。

管理薬剤師

管理薬剤師は薬局やドラッグストアにおける責任者であり、役職手当が支給されるケースが一般的です。そのため、年収アップにつながりやすい職種と言えます。ただし原則として5年以上の実務経験が必要とされ、通常の調剤業務に加え、従業員の監督や医薬品の管理なども担う責任も求められます。

ラウンダー薬剤師

ラウンダー薬剤師は、急な欠員や繁忙期の人手不足を補うために、複数の店舗を巡回して勤務する薬剤師です。勤務先が日ごと・週ごとに変わることもあり、一定の生活リズムを保ちにくい一面はありますが、さまざまな環境や処方箋に触れることで幅広い経験を積むことができます。

店舗によって応需する処方箋の科目やシステム、ルールが異なるため、柔軟な対応力や広い知識が求められます。業務を翌日に持ち越しにくい分、効率的な仕事の進め方を意識できる環境とも言えるでしょう。

こうした経験の幅広さや対応力の高さが評価され、ラウンダー薬剤師は比較的高い給与水準で採用される傾向があります。

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在宅薬剤師

在宅専任薬剤師は、調剤・監査・服薬支援のほか、訪問記録や計画書などの作成も行うなど幅広い業務に携わる点から、その専門性や責任の重さが評価され、給与水準も比較的高めに設定される傾向があります。

23区外にも目を向ける

東京は大きく23区と23区外に分けられますが、年収600万円以上を目指す場合、23区外のエリアを視野に入れるのもひとつの方法です。

23区外のエリアでは地域によって採用ニーズが高くなる場合もあり、同じような業務内容でも年収がやや高めに設定されている求人が見られることがあります。通勤が困難にならない範囲で、勤務可能エリアを広げた場合に給与水準を上げることが可能かを、コンサルタントに確認することも有効な手段です。

家賃手当や資格手当等の福利厚生が充実した職場に転職する

家賃手当や資格手当など、福利厚生が充実した職場を選ぶことも年収アップにつながる場合があります。家賃手当のほか、認定薬剤師や、がん専門薬剤師などの資格を取得することで資格手当が支給されるケースもあり、結果として年収がアップする可能性があります。

求人票だけでは、家賃手当の具体金額や、資格手当の対象となる資格が何か分からないケースもあります。より具体的に確認したい場合は、コンサルタントに確認すると良いでしょう。

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薬剤師で年収1,000万円を目指せる?

薬剤師でも年収1,000万円を目指すことは可能ですが、平均年収が600万円前後であることを考えるとハードルが高いのが現状です。

年収1,000万円を目指す場合、社内で昇進して部長職などの管理職を狙う、大手企業へ転職する、あるいは独立・開業するといった道が考えられます。

例えば製薬会社のMR(営業・広報担当)は給与水準が高く営業成績や昇進次第で1,000万円に届くケースがあります。また大手ドラッグストアや調剤薬局でも、事業や部門を統括するポジションに就けば可能性はあるでしょう。

ただし、薬剤師としての専門性を高めるだけでなく、マネジメント力やコミュニケーションスキルを磨き、信頼を得ることで昇進への道が拓けます。まずはしっかりとご自身のスキル・キャリアアップのための努力を重ねることが大切です。

東京で年収アップに成功した転職事例

給与アップを目指しつつも、「環境を変えるのは不安」となかなか行動に移せない方も少なくありません。しかし、勇気を持って一歩踏み出すことで、自分の理想に近づける可能性があります。

ここでは、転職をきっかけに理想を実現した薬剤師の成功事例を3つご紹介します。

事例1.企業の成長フェーズと自身のキャリアプランが合致したケース

東京都の薬剤師が年収アップ転職できた成功事例1

【成功のポイント】

  • 社員数が多く一人当たりの給与水準が上がりにくい大手薬局チェーンから、企業成長を目的に大手よりも高い給与を設定していた中小薬局チェーンに転職した
  • 転職先は店舗拡大を続ける成長企業だったため常に新しいポジションが生まれており、大手で5年の経験が十分活かせると判断され、役職手当がついた

全国展開する大手調剤薬局チェーンから、首都圏を中心に店舗を拡大している中小薬局チェーンに転職した、薬剤師経験5年の男性(29歳)の例です。

この方は今後の大幅な年収アップが見込めないことや業務の責任が増える一方、それに見合った給与でないことに悩み転職を決意しました。

出店が活発な中での採用だったため管理薬剤師のポジションに空きがあり、面接では大手で培った丁寧な業務スキルや後輩指導の経験を高く評価されました。提示された基本給は前職の同年代よりも高く、さらに管理薬剤師としての役職手当が加わり年収が大幅にアップしました。

今回の事例から、経営層が直接採用に携わることが多い中小薬局チェーンでは、「大手で5年間しっかりと経験を積んできた」という経歴による安定感と、教育コストが少ない即戦力として高く評価され、企業が成長を目指す中でその期待値が給与に反映されるケースもあることが分かります。

事例2.企業の求める経験・スキルが合致したケース

東京都の薬剤師が年収アップ転職できた成功事例2

【成功のポイント】

  • 病院勤務における多職種連携の経験が、在宅医療の現場で求められる経験・スキルと合致し、教育コストが少ない即戦力として評価された
  • 長年の病院勤務により、病院の内部事情や医師の思考を理解していることから、複数クリニックとの連携がスムーズに進められ、信頼性向上につながると判断された
  • 年収アップだけでなく、転職により夜勤がなくなり、規則的な勤務が可能になったことで、長年の悩みだったワーク・ライフ・バランスが劇的に改善された

地域の中核病院で15年間勤務していた女性薬剤師(38歳)の例です。

仕事にやりがいは感じていたものの、慢性的な人手不足により月4〜5回の夜勤や緊急呼び出しが続き、体力的な負担が大きい状況でした。責任の重さに比べ昇給も少なく、ワーク・ライフ・バランスや正当な評価を求めて転職を決意しました。

結果として病院で培った臨床経験や高いコミュニケーション能力が評価され、在宅医療に特化した薬局へ転職。年収アップに加え夜勤がなくなり、規則正しい勤務が可能となったことで、長年の課題だったワーク・ライフ・バランスが大きく改善しました。

この事例から分かるのは、これまでに培った経験やスキルによって、数年後には給与や待遇だけでなく働き方そのものを大きく変えられる可能性があるということです。

今後のなりたい姿や理想の働き方がある程度定まっている方は、それに向けてどのような経験やスキルを積むべきかを考えることが重要です。その際には、転職コンサルタントなどから客観的なアドバイスを受けるのも有効な手段でしょう。

事例3.自身の特徴と働き方がマッチし、かつ給与水準が高い職場に転職したケース

東京都の薬剤師が年収アップ転職できた成功事例3

【成功のポイント】

  • 働き方の柔軟性が求められる代わりに、給与水準が高い傾向にあり、特別手当が上乗せされた
  • 求職者が新しい環境や経験を求める傾向にあり、ラウンダー薬剤師としての働き方が合っていた。今後、さらなる給与アップのために管理薬剤師やエリアマネージャーを目指す場合は、有利な経験となる

大手調剤薬局チェーンで勤務していた薬剤師経験3年目の男性薬剤師(27歳)の例です。都心部での勤務は安定していたものの、毎日同じ業務の繰り返しに物足りなさを感じ、給与面も伸び悩んでいたことから、変化と収入アップを求めて転職を決意しました。

体力に自信があり勤務地が固定されない働き方にも関心があったため、中小規模の薬局チェーンへ転職。急な欠員や繁忙期のヘルプ要員として、担当エリア内の5〜6店舗を車で巡回するポジションに就きました。

転職後は日々新しい学びや経験が得られるだけでなく、各店舗から感謝される場面も多いことでやりがいを強く感じているそうです。給与面でも改善が見られ、理想に近いキャリアを歩み始めています。

今回の事例を基にすると、経験やスキルだけでなく、薬剤師自身の適性や働く際に求めることも、給与アップにつながる可能性があることが分かります。これまでの自身の考え方や、大切にしていることを振り返り、働く際の軸を明確にしてみることで自分でも気づいていなかった適性や特徴が見えてくるかもしれません。

東京で年収アップを目指すなら、キャリアを戦略的に選ぼう

東京の風景写真

東京都は地方に比べ薬剤師の人数が多く、採用の難易度があまり高くないことから、平均年収はやや低めに抑えられる傾向があります。しかし、資格取得による手当や管理職などへの昇進、条件の良い職場への転職といった工夫次第で給与をアップできる可能性は十分にあります。

高年収を目指すためには、転職市場の動向を把握するとともに、ご自身の目指す薬剤師像や叶えたい働き方と照らし合わせながら、戦略的にキャリアを築くことが重要です。すべてを一人で進めるのが不安であれば、転職コンサルタントのサポートを受けるのも有効な選択肢でしょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2025/11/27

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