クービビック錠25mg、50mg(一般名:ダリドレキサント塩酸塩)
ここがポイント!
- ・⽇本で3番⽬となるオレキシン受容体拮抗薬
- ・効果発現が早く⼊眠困難に適している。半減期が短く、持ち越し効果が起こりにくい。
- ・強⼒なCYP3A阻害薬との併⽤は、本剤の⾎中濃度を上昇させるため禁忌である。
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Q |
何のお薬?処方目的は? |
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A |
一般名はダリドレキサント塩酸塩で、適応は「不眠症」です。オレキシン神経ペプチドによるオレキシン受容体(OX1RとOX2R)への結合を阻害することで覚醒状態を抑制し、睡眠を促進すると考えられています。本剤は日本で3番目のオレキシン受容体拮抗薬です。 他のオレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ・デエビゴ)と比較し、効果発現が早く入眠困難の患者さまに使いやすい薬です。 それに加え、半減期が短いことが特徴であり、翌朝の眠気の持ち越し効果が起こりにくく、転倒リスクの減少も期待できます。(以下表参照) |
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Q |
用法・用量は? |
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A |
通常成人には1日1回50mgを就寝直前に経口投与します。 転倒リスクのある高齢者や中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者さまなどに対しては、状態に応じて1日1回25mgを投与することもあります。 なお中程度のCYP3A阻害薬と併用する場合は、患者さまの状態を観察した上で、1日1回25mgとします。 国内で発売されているオレキシン受容体拮抗薬一覧
※添付文書・インタビューフォームを参考に作成 |
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Q |
併用禁忌は?使用上の注意点は? |
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A |
この薬剤はCYP3Aにより代謝されるため、イトラコナゾール・クラリスロマイシン・ボリコナゾールなどCYP3Aを強く阻害する薬剤を服用している患者さまは本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあるため併用禁忌となっています。 また、重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)の患者さまも禁忌とされています。 食後すぐに服用すると、空腹時投与に比べ、本剤の血漿中濃度が低下することがあります。入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、食事と同時または食直後の服用を避けるよう指導します。 |
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Q |
主な副作用は? |
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A |
主な副作用として、傾眠(3%以上)、頭痛・頭部不快感・倦怠感・疲労・悪夢(1~3%未満)、浮動性めまい・睡眠時麻痺・悪心(1%未満)、幻覚・異常な夢・睡眠時随伴症(夢遊症・ねごと等)・発疹などの過敏症(頻度不明)が報告されています。 他のオレキシン受容体拮抗薬と比べると、頭痛は若干の軽減が見られるようです。なお、オレキシン受容体拮抗薬は悪夢が起こりやすいとの報告があります。 オレキシンがレム睡眠に関与しているためで、薬の服用によりレム睡眠が増加し、「夢の記憶が残りやすい」状態となるためです。 もし悪夢の発生により、睡眠の満足度や服薬アドヒアランスが低下している場合には、医師にトレーシングレポートなどを用いて情報提供してください。 翌朝の持ち越し効果によるふらつきが全く起こらないわけではないので、服薬指導の際に患者さまや家族に対し、特に飲み始めは起床時のふらつきによる転倒に十分注意するように説明をしておきましょう。 また、服用しても入眠困難が改善されない・中途覚醒が気になり始めたなどの場合は、他のオレキシン受容体拮抗薬などへの処方変更を医師に提案してみるのも良いかもしれません。 (2025年7月10日作成) |
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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