業界動向
  • 公開日:2019.12.13

薬剤師が抱える人間関係ストレスとは?その解消法を紹介

薬剤師が抱える人間関係ストレスとは?その解消法を紹介

「上司と相性が悪い」「同僚と馬が合わない」など、職場の人間関係にお悩みの方も多いのではないでしょうか。実は、『薬剤師が転職したくなる理由』のトップクラスに入るのが人間関係の悩みです。深刻になると、うつ病になったり気が滅入り仕事に行けなくなったりする場合も。ストレスは早めに発散することが何よりも大切です。

そこで今回は、【薬剤師が抱える人間関係のストレスとその解消法】を説明していきます。

<相手別>薬剤師が抱える人間関係のストレス

薬剤師の仕事は、人命に関わるためミスが許されません。さらに、関わる人も多いことから、一般的な仕事と比べてもストレスがかかりやすいといえるでしょう。その中でも、とくに退職理由になりがちなのが「職場の人間関係」。ここでは、どのような悩みを抱えるのか、対人相手別にご紹介していきます。

1.一緒に働く同僚の場合

多くの薬剤師が働く調剤薬局。コンパクトであることから物理的な距離が近くなり、スタッフ同士の関わりは密接です。苦手な人がいても避けるのが難しく、限られた空間であることから緊張や息苦しさを感じる場面も多いでしょう。同僚と仲が悪くなくとも、人付き合いが苦手な方にとっては、少人数の職場はストレスが溜まりやすいのです。

2.上司や経営層との場合

薬局長やエリアマネージャーなどの上司を相手にしたときに、ストレスを感じることも少なくないでしょう。苦手な人の立場が上となると、どうしてもプレッシャーを感じてしまうもの。管理職であることを笠にきて、権力を行使するようなタイプであれば、より強いストレスを感じてしまうでしょう。

言いたいことが言えない風通しの悪さであったり、非合理的な決めごとや理不尽なものの言い方がまかり通っていたり、さらに相談や報告をしてもリアクションがなかったり。さらに、頑張りを正当に評価いただけないなど、上司側に問題があると薬局全体に不協和音が生じるケースがあります。すると、仕事に行くのが憂うつになってしまうでしょう。

3.医師などの医療従事者との場合

病院薬剤師であれば、同じ病院で働く医師や看護師。MRであれば、訪問先の医師や薬剤師との人間関係に悩みを抱えることもあります。どちらかが利害関係上で強い場合は強いストレスを感じやすくなりがちです。たとえば、相手が医師の場合、機嫌を取ろうとしたり怒らせないようにしたり、必要以上に気を遣うことで精神的に疲れてしまでしょう。

<その他>患者さまとの場合も...

同僚や上司、医師や看護師以外にも、患者さまとの関係に悩む方もいらっしゃるでしょう。患者さまの中には、さまざまな性格の方や疾患の方がおり、それぞれに配慮し会話することが求められます。コミュニケーションが得意でない人にとっては接客そのものが苦痛になり、大きなストレスを感じてしまうでしょう

<職場別>薬剤師が抱える人間関係のストレス

なぜ、薬剤師は人間関係に悩みを抱えてしまうのでしょうか。その理由は業種ごとに違いがあると考えられます。それぞれの理由を見てみましょう。

調剤薬局の場合

調剤薬局は、とくに人間関係のいざこざが起きやすい場所といわれています。働くスタッフは多くて20人~30人。少ない薬局では、薬剤師2人に事務スタッフ1人~2人ということもありえます。同じ顔ぶれのスタッフと、下手をすれば家族よりも長時間一緒にいることになる必然的に、嫌なところもよく見えるようになってしまうのです。物理的なスペースも限られるため、長時間にわたり同じ空間で過ごさなければいけない息苦しさもあるでしょう。

ドラッグストアの場合

ドラッグストアで働くのは薬剤師だけではありません。登録販売者、美容スタッフ、学生アルバイトなどが働いています。さまざまな年齢・経歴・雇用形態の人たちが集まっているのは、調剤薬局との大きな違いです。毎日異なるスタッフが働く場合も多く、交流が希薄で人間関係を構築しずらいため、問題が起こることもあるでしょう。また、常にお客さんが出入りしているので、いつも誰かに見られているような緊張感がストレスになる方もいます

病院の場合

薬剤師だけでなく、医師や看護師をはじめ様々なコメディカルと関わる病院薬剤師。大きな病院であるほど大勢の人と関わらなければなりません。相手の業務や立場を踏まえた気遣いが求められますし、薬剤師が板挟みになる場合も。チェーン展開の調剤薬局とは違い、異動という選択肢も基本的にないため、逃げ場がなく心理的に追い込まれる状況もストレスを感じる要因のひとつでしょう。

製薬メーカーの場合

MR、開発モニター、研究職など幅広い職種で働く薬剤師がいます。その中でも、MRは営業色が強く、対外的な交渉やコミュニケーションが必要です。担当する病院の雰囲気や医師の性格などによって、強い圧迫感を受けることも少なくありません。また、医師や薬剤部のスタッフには、忙しい中で時間を割いてもらわなくてはならないため、肩身の狭さや緊張感から心が疲れてしまうこともあるでしょう。

薬剤師必見!人間関係のストレス解消法

薬剤師のイメージ

ストレスが溜まってしまったら、自分なりの発散法で早めにケアするのが一番ですが、真面目で責任感が強い人ほどリラックスが苦手で精神的負担を溜め込みがち。緊張が常につきまとう人命に関わる仕事なので、業務中に息抜きというわけにもいきません。とくに人間関係のストレスは、その溜まった「心の澱」を誰とどうやって発散するかが大切です

そこで、ぜひ実践してほしい人間関係のストレス解消法をご紹介します。

同僚ではなく社外の人に相談する

人間関係に悩んだとき、職場の同僚に相談したくなるでしょう。しかし、同じ職場で働いていても、感じ方は人それぞれ。余計なトラブルに巻き込まれたり、愚痴を言い合うだけで終わったり、意見の食い違いから同僚との関係がこじれたりすることも考えられます。

だからこそ、あえて社外の人に話を聞いてもらい、客観的な意見をいただく方が良いでしょう。自分の気持ちが整理できる可能性が高まります。また、とりあえず話を聞いてもらうだけでも、案外すっきりとストレスが解消できることもあるものです。

職場以外のコミュニティをつくる

「休日も職場の人と遊びに行く」のは決して悪いことではありません。しかし、同じ仕事をして同じ境遇にいる人と四六時中一緒にいると、小さなコミュニティに慣れてしまい考え方に偏りが生じてしまうでしょう。

薬剤師以外の友人など仕事から離れたコミュニティの人たちと一緒に過ごす時間をつくるようにしましょう。いろいろな業種や立場の人から聞く話の中には参考になることも多いはず。まったく考え方の違う人の意見は、新しい気づきを与えてくれるかもしれませんよ

没頭できる趣味を見つける

職場と自宅の往復だけで、「何のために働いているんだろう?」と考えることはありませんか?思い当たる節があるなら、趣味に費やす時間を増やすことをおすすめします。「時間を忘れて没頭できる趣味」があればマイナスな感情に揺さぶられにくくなるでしょう。

その楽しみのために働くという軸があると、人間関係ばかりに向いていた気持ちが、違うところに向けられるようになるものです。趣味に没頭してリフレッシュできたら、「また明日から仕事を頑張ろう!」と思えるようになる。良い循環も生まれるでしょう

身体を鍛えて心を整える

身体を鍛えるのもひとつの方法です。身体と心はつながっているので、体幹がしっかりすると心も安定しやすくなります。薬剤師は立ち仕事とはいえ、十分な運動量が確保できている訳ではありません。ジムに行く時間がなくても、自宅で体幹トレーニングやヨガなどをはじめてみてはいかがでしょうか。脳が刺激されますし、リフレッシュ効果も期待できます。

休みをしっかりとる

心が疲れたと感じるときは、休息が不足しているサイン。最近、十分に睡眠をとれていますか?最後に有給休暇をとったのはいつですか? 「あまり休めてないな」と思った方は、積極的に静養する努力をすることをおすすめします。しっかり休めば心に余裕が生まれ、他人の嫌なところも許せるようになるかもしれません。

ストレスは早めに解消しよう

本記事では、薬剤師に特有な人間関係の悩みと、ストレス解消法についてお伝えしました。ストレスを放置してしまうと、仕事のミスが増えてしまったり、大きなトラブルの火種になったりするので、なるべく早めに解消させる必要があります。今回紹介したような解消法を参考に、人間関係のストレスから抜け出せるような行動をとりましょう。

限界まで我慢して取り返しのつかない事態となる前に、転職を考えることもひとつの手段です。職場を変えて解決できるのであれば、転職も検討してみてはいかがでしょうか。実力ある薬剤師専門の転職コンサルタントがお話を伺い、的確なアドバイスをしてくれます。ぜひ、気軽に相談してみてくださいね。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2019/12/13

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