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  • 公開日:2016.08.06

年収にも関係する?個人経営と大手チェーンの調剤薬局の違い

調剤薬局の経営スタイルには、個人経営と大手チェーンがあります。それぞれで薬剤師としての仕事内容や働き方、年収はどのように異なるのか見てみましょう。

それぞれの利点、欠点を理解して

個人経営の調剤薬局大手チェーンの調剤薬局とでは、年収や働き方に差があるようです。

個人経営の調剤薬局では、薬剤師の確保が難しいために年収を高く設定している傾向にあります。 けれど、扱う疾患、薬がさほど多くないので、上昇志向が強い薬剤師にとっては刺激の少ない労働環境と言えるかもしれません。

一方、大手チェーンの調剤薬局の場合、大学病院などの大きな病院の門前薬局になっている場合が多く、扱う薬の数が多かったり、大手チェーンならではの業務もあったりするので、薬剤師として調剤以外のスキルを得ることもできます。 ただ、年収はあまり期待できない場合も多いようです。

個人経営と大手チェーンでの年収の違い

大学を卒業し調剤薬局への就職を希望する学生さんの多くは、個人経営の調剤薬局よりも大手チェーンを選ぶ傾向にあります。 つまり、個人経営の調剤薬局の場合、薬剤師の人員を確保することに苦労しているのです。

この傾向は都市部よりもむしろ地方で強く、そのため特に地方にある個人経営の調剤薬局では、年収を高めに設定しているところが多いようです。 ただ、昇給を決める際に用いられる個人評価が経営者の裁量に任されているため、昇給率ではあまり期待できないかもしれません。

一方、大手チェーンの調剤薬局の場合、人員を多く確保していることもあってか就職時の年収はやや低めです。 ただ、人事考課や昇給のルールは明確に決まっていますので、公平性は保たれていると言えるでしょう。

また、昇給に関係するような、薬剤師としてのスキルアップに必要な研修や勉強会といった環境が充実しているところが多いので、上を目指して努力すれば年収アップにもつながっていきます。

労働環境には違いはあるの?

個人経営の調剤薬局では、経営体制の面からも多くの薬剤師を雇える環境にはない場合が多いため、有給休暇が取りにくかったり急に仕事を休むということが難しかったりするケースが多いようです。
けれど、薬剤師の人数が少ないことで、人間関係が良好である場合が多く、働きやすい職場になる可能性があります。

設備投資の面で言うと、最新設備を取り揃えることが難しく、古い設備そのままに仕事をしなければいけないことも多く、仕事の効率はあまり良いとは言えません。 また、取り扱う薬品数が少ないので、新薬などの知識を必要としない分あまり前のめりで勉強する必要もなくゆったりと働けるのかもしれませんが、スキルアップを目指す薬剤師にとっては刺激も後押しもいまひとつもの足りない環境ともいえます。

大手チェーンの場合はどうでしょう?
新しい設備が整っている傾向にあるので、業務の効率は良いと言えます。

また、調剤以外の業務、例えば本社での人事や企画、運営管理などといったキャリアが用意されている場合もあり、幅広い知識を身につけていくことができる可能性があるのが特徴の一つでしょう。

一方で、患者さまへの対応マナーや服装規程は厳しく取り決めているところも多く、ルールに従っていく必要があるため、労働環境としては楽とは言えないところも多いようです。

また、チェーンですので、店舗間での異動はありますし、調剤や服薬指導、薬歴管理といった通常業務の他に、本社へ提出する書類の作成業務もあるため、多少の残業は覚悟しておいた方がいいでしょう。

個人経営と大手チェーン、働き方のメリットとデメリットは?

個人経営の調剤薬局でも大手チェーンでも、一般的な業務に差はありません。 医師の処方せんに基づいて調剤し、お薬をお渡しする際に服薬指導をし、薬歴管理をするという点では、どちらも同じです。

個人経営の調剤薬局の場合、比較的小さな病院やクリニックの門前薬局になっているところが多いようです。 その地域に住む方たちが薬局へ来られる場合が多いので、必然的にそこに住む方たちの健康状態や服薬状況を綿密に把握することができます。 薬剤師である以前に人としてのつながりを持つこともでき、患者さまから慕われ頼りにされる薬剤師となることができます。

しかし、地域に密着しているからこそ、患者さまの急な体調変化に応じて調剤することが求められる場合もあり、店舗としての休業日を設けることが難しいといった難点もあります。

大手チェーンの場合は、大学病院や大きな専門病院などの近くに調剤薬局を構えることが多いようです。 大きな病院は基本的に日曜や祝日はお休みであることが多く、そのため調剤薬局も休業日を設けることができます。 定期的にお休みを確保することが、比較的容易であるといえます。

しかし、調剤薬局に来られる患者さまの数が非常に多いため、一人ひとりに十分な時間をかけての対応が難しい場合が多く、薬歴管理も短時間で済ませなければいけない場合もあり、綿密な対応がしにくいこともあります。

まとめ〜年収にも関係する?個人経営と大手チェーンの調剤薬局の違い

1.それぞれの利点、欠点を理解して
個人経営の調剤薬局と大手チェーンの調剤薬局では、それぞれ性格が異なります。 年収だけではなく働き方を知って、どちらが自分に合っているのかを十分に考えて選んだほうが良いでしょう。
2.個人経営と大手チェーンでの年収の違い
個人経営の調剤薬局の場合、初任給としては高めに設定されていますが、その後の昇給率は低めのようです。 一方、大手チェーンの調剤薬局の場合、初任給は低めであるものの、昇給ルールは明確なので公平性は保たれています。
3.労働環境には違いはあるの?
個人経営調剤薬局と大手チェーンとでは、業務内容やスキルアップなど労働環境にも差があるようです。 また、人間関係の良し悪しや異動、残業の有無といった面でも違いはあります。 何にやりがいを見出すかによって、考え方は人それぞれになってくるでしょう。
4.個人経営と大手チェーン、働き方のメリットとデメリットは?
個人経営と大手チェーンとを比較すると、扱う患者さまの数や、患者さま一人ひとりにかけることのできる時間は、随分と異なります。 年収以外の面もしっかり確認し、自分自身に合う環境を選んだほうが良いでしょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/08/06

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