お役立ち情報
  • 公開日:2016.08.25

転職先の幅を広げることができる資格とは?

食品の品質管理や労務管理に貢献することも薬剤師の仕事の一つですので、転職先の選択肢として考えてみるのもいいでしょう。食品衛生管理者・食品衛生責任者・衛生管理者の資格について概要と取得のメリットを見てみましょう。

衛生管理に関する3つの資格と仕事内容

薬剤師資格を持っていると、食品衛生管理者・食品衛生責任者・衛生管理者などとして働くことができます。 それぞれの仕事内容の概要を見てみましょう。

食品衛生管理者
食品の製造・加工工場に所属して、食品や添加物の衛生管理に努めます。
食品衛生責任者
飲食店や食品製造会社に所属して、施設の衛生管理と指導を行います。
衛生管理者
職場の衛生管理のプロとして、従業員の健康状態の管理に貢献します。

3つのうち、薬剤師であれば、試験などを特に受けなくても食品衛生管理者もしくは食品衛生責任者として働けます。 衛生管理者として働きたいなら、第一種衛生管理者免許の申請をする必要があります。

いずれも社会的意義が大きく、必要度が高い仕事と言えます。 転職を考えているなら、こうした職種も視野に入れてみるといいでしょう。

食品衛生管理者の資格を活用して食品業界で働く

一定規模以上の工場や加工業者になると、必ず食品衛生管理者を設置しなくてはいけません。 法の定めによるものなので、有資格者に対しては安定した需要が見込めると言えるでしょう。

大手食品メーカーや食品加工工場に転職すると、以下のようなメリットが期待できます。

  • 土日休みなどシフトの融通が利きやすい
  • 資格手当が付くと年収アップも可能
  • 一般的な薬剤師の仕事とは異なるフィールドにチャレンジできる
  • 民間企業の求人なので、年収交渉しやすい

通常食品衛生管理者を取得しようとすると、3年以上の衛生管理業務の実務経験と1ヶ月程度の講習受講が必要です。 一方で、薬剤師だと実務経験と講習が免除となって、煩わしい手間なく食品衛生管理者として働くことができます。 薬剤師の転職先として、食品会社を選択肢の一つに入れてみるといいでしょう。

食品衛生責任者として食の面から健康に携る

食品衛生責任者の場合は、規模問わずあらゆる飲食店に需要があります。 食品衛生管理者と同じように講習なしで取得でき、面倒な手続きは不要です。

飲食店を開く場合は必ず必要とされる民間資格で、飲食店経営などに携わりたい時に役立ちます。 自分で薬局を開いた後のキャリアとして、薬膳レストランやカフェ経営に挑戦する方もいます。 有資格者を別に雇用しなくても自分で責任者ができることを理解しておくと、自分のお店を持とうと思ったときに安心です。

食事とヘルスケアは普遍的なテーマであり、老若男女問わず注目が集まります。 雑誌やメディアに取り上げられるなど上手に広告宣伝していけば、収入アップも期待することができます。

何より、おいしく料理を楽しむお客様の姿を見ることが嬉しく、大きなやりがいを感じるでしょう。 起業にあたっては一定のリスクがあることは理解したうえで、チャレンジする価値がある分野と言えます

ストレス社会で高まる衛生管理者の必要性

ブラック企業ランキングが公表されるなど、社員の労働環境や人材育成体制が、会社の価値に直結する時代です。 多くの会社が労働環境改善に向けて動いているため、衛生管理者の需要は増えるものと予想されます。

衛生管理者は、労働環境改善のプロフェッショナルとして、人事部などで働きます。

ストレス・過労などで疲弊が認められる社員に対して産業医との面談調整を行ったり、残業が多過ぎる部署に対して指導をしたりしながら、従業員が健康状態を維持できる、働きやすい環境を整備する役割があります。

すぐに転職をしないにしても、資格を持っていることはドラッグストアや薬局で患者さまと接する時にも役立ちます。 知識をもとに、心理的ストレスなどに起因する不調でお薬をもらいに来た人に対して声を掛けて適切なアドバイスができるためです。 客観的な肩書きがある人の意見は聞き入れやすく、より良いケアを目指す上での手助けになります。 患者さまの心のケアをしたいなら、取得を検討してみましょう。

まとめ〜転職先の幅を広げることができる資格とは?

1.衛生管理に関する3つの資格と仕事内容
薬剤師資格の保有者は、食品衛生管理者・食品衛生責任者・衛生管理者などとして働くことが可能です。 いずれも社会的意義が大きく、大切な仕事です。
2.食品衛生管理者を活用して食品業界で働く
一定規模以上の工場や加工業者では、食品衛生管理者の設置が義務になっています。 そのため、食品衛生管理者は安定した需要が見込まれています。
3. 食品衛生責任者として食の面から健康に携る
食品衛生責任者を持っていると、自分で飲食店経営するときに使えます。 自分で資格を保有していることで、資格保有者を新たに雇う必要もなくなります。 将来的なキャリアとして薬膳レストランやカフェを開いてみたいと思っているなら、とても役立つ資格です。
4.ストレス社会で高まる衛生管理者の必要性
衛生管理者資格をとると、企業の労働環境改善のために働くことができます。 民間企業の人事部・労働管理の仕事をしたいなら、おすすめの資格です。 薬局やドラッグストアで働くうえでもメンタルヘルスに悩む患者さまのサポートができるメリットがあります。

ファルマラボ編集部

「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。

記事掲載日: 2016/08/25

あわせて読まれている記事