お役立ち情報
  • 公開日:2016.09.05

薬剤師の資格保有者がなれる「麻薬取締官」という仕事

薬剤師というと職場としてイメージしやすいのは調剤薬局やドラッグストアでしょう。しかし、薬剤師免許保有者の中には麻薬取締官として働いている人もいます。麻薬取締官の仕事内容や年収を詳しく見ていきましょう。

麻薬犯罪を取り締まる麻薬取締官

薬剤師の働く職場としては、調剤薬局やドラッグストア、病院、製薬会社などが挙げられるでしょう。

しかし、その他にも活躍できる場所はあり、少し珍しいものの一つに麻薬取締官があります。 麻薬取締官とは文字通り、麻薬の犯罪を取り締まる役割を持つ職業です。

麻薬取締官になるためには、厚生労働省の麻薬取締部の採用試験合格する必要があります。 採用試験で合格すると、麻薬取締官初任者研修などを受けた後、実際に現場で活躍します。

麻薬取締官の年収は、平均すると600〜650万円程度といわれています。 ここには、基本的な給与の他に、業務の性格上つく各種手当も含まれています。 最初のうちは平均年収には届きませんが、年齢や役職によって、段階的に年収が上がっていく形となります。

麻薬取締官の適性はどのようなもの?

麻薬取締官は薬物犯罪を取り締まる仕事なので、正義感や責任感を持っている人向きの職種といえます。 場合によっては過酷な捜査などを行うこともあり、社会的使命を持って仕事に取り組める人が好ましいでしょう。

特に危険ドラッグは、日々法律の規制をかいくぐるようにして新しい種類のものが登場してきます。 このため、薬物に関する最新情報を常に勉強する姿勢も求められます。 また、法律に関わる仕事でルールもどんどん変わっていくので、法学的な専門知識も要求されるでしょう。

最近の薬物犯罪を見てみると、外国人がらみの案件も増えてきています。 このため、取り締まりや事情聴取にあたって外国人とコミュニケーションをとる必要があるので、語学力も必要です。 英語力が大前提になりますが、アジア系外国人の犯罪も増えているので、アジア圏の言語を習得していても活躍しやすくなるでしょう。

不規則になりやすい麻薬取締官の仕事

麻薬取締官になると国家公務員扱いとなります。 1日の勤務時間は7時間45分・土日祝日は休みというのが基本ではありますが、この限りにはならないこともあります。

麻薬取締官は、捜査や容疑者の張り込みといったことを行わなければならないケースも考えられます。 場合によっては、夜中の張り込みや土日祝日でも捜査のために業務を行う必要も出てきます。

また、立件する直前には最後の追い込みとして泊まり込みをして捜査を行うこともあるので、大変不規則なスケジュールの中で仕事をしなければならないこともあります。

もし休日出勤をして業務を行った場合、その分は平日に振替休日として繰り越すことは可能です。 その他にも4月採用者はその年は15日間、そのほかは年間20日間の有給休暇を取得することができます

さらに夏季や結婚、配偶者の出産のために捜査状況の許す限り特別休暇の取得もできるようになっています。

ただし、いわゆるサラリーマンのような一般の仕事と比較すると、仕事のスケジュールは不規則になりやすいでしょう。しかし、そのような勤務形態なので、サラリーマンより年収が高くなる可能性はあります。

麻薬取締官の採用試験

麻薬取締官になるためには、採用試験に合格しなければなりません。 この採用試験は、誰でも受験できるわけではなく一定の条件をクリアした人が対象になります。

まずは、国家公務員試験一般職試験の「行政」もしくは「電気・電子・情報」に合格していること。 そしてもう一つは、29歳以下の薬剤師もしくは薬剤師国家試験合格見込の者であることです。

麻薬取締官の薬剤師採用に関しては、基本、欠員が発生した場合に実施されることが多いです。 そのため、毎年決まった時期に採用されるわけではなく、不定期に募集が実施されます。 もし麻薬取締官になりたいという方は、厚生労働省のホームページなどで最新情報を確認しておきましょう。

麻薬取締官として活動している人は、日本全国で260名程度と言われています。 もともとの定員数が多くないので、採用試験が実施されても実際に麻薬取締官として採用される人は少ないでしょう。 ちなみに地域別に見ていくと、関東信越と近畿地区は規模が大きめで比較的頻繁に募集が出る可能性があります。

まとめ〜薬剤師の資格保有者がなれる「麻薬取締官」という仕事

1.麻薬犯罪を取り締まる麻薬取締官
薬剤師の中には、厚生労働省の麻薬取締官として薬物犯罪を取り締まる仕事をしている人も見られます。 薬剤師免許を持っていることが受験資格の一つになっています。
2.麻薬取締官の適性はどのようなもの?
麻薬取締官になるにあたっては、いくつかの適性が問われます。 特に、捜査が過酷になることもあるため、正義感を強く持って働ける人が求められます。
3.不規則になりやすい麻薬取締官の仕事
捜査の状況によって仕事が左右される麻薬取締官は、不規則なスケジュールで業務にあたる必要があります。 夜中の張り込みや泊り込みで捜査を続ける、時には土日や祝日も仕事をしなければならないケースもあります。その分、年収は高くなる可能性はあります。
4.麻薬取締官の採用試験
麻薬取締官になるためには、採用試験を受けて合格する必要があります。 しかし、麻薬取締官は日本全国で260名程度なので、毎年定期的に採用試験が行われるわけではありません。

ファルマラボ編集部

「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。

記事掲載日: 2016/09/05

あわせて読まれている記事