重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)のある患者さまに禁忌と添付文書に記載されている便秘治療薬はどれでしょうか?

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重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)のある患者さまに禁忌と添付文書に記載されている便秘治療薬はどれでしょうか?

    モビコール(マクロゴール4000配合剤)の添付文書の禁忌欄には、

    「腸閉塞、腸管穿孔、重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、中毒性巨大結腸症等)が確認されている患者又はその疑いがある患者〔病態を悪化させるおそれがある〕」

    モビコール®配合内用剤 添付文書 2024年2月改訂(第3版)|PMDAより引用

    と記載されています。

    注意点として、モビコールの禁忌は、「重症の」炎症性腸疾患であり、炎症性腸疾患の患者さまを一律に禁忌としているわけではありません。 (※寛解期であれば投与できるといった直接の記載はありません。)

    潰瘍性大腸炎やクローン病では、メサラジン製剤(リアルダ、アサコール、ペンタサなど)、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などが処方されます。

    これらの薬剤で炎症性腸疾患を治療中の患者さまは、重症の炎症性腸疾患である可能性があるため、モビコールが処方された場合には禁忌に該当するかどうか確認しましょう。

    【補足:モビプレップ(ナトリウム・カリウム・アスコルビン酸配合剤)に関して】

    モビコールとモビプレップは、いずれもマクロゴール4000を含みます。モビプレップは、配合成分・使用目的・用法・用量が異なる別の製剤です。

    モビコールに含まれるマクロゴール4000を配合する「モビプレップ」の添付文書では、腸閉塞、腸管穿孔、中毒性巨大結腸症の患者さまには禁忌とされています。一方で、重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の患者さまにも禁忌とする記載はありません。

    しかし、添付文書「9.特定の背景を有する患者に関する注意」には、重度の急性炎症性腸疾患患者では「病態を悪化させるおそれがある。」と注意事項が記載されています。処方する際は、確認しましょう。

    処方監査・服薬指導のPOINT

    潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さまにモビコールが処方された場合は、念のため疑義照会をしましょう。

    また、炎症性腸疾患の治療を担当している主治医とは別の医療機関からモビコールが処方された場合は、処方医が現在の病態を把握しているか、あるいは炎症性腸疾患の主治医に投与可否を確認しているかについても確認が必要です。

    濱本 幸広(はまもと・ゆきひろ)さん
    京都薬科大学卒、薬剤師。
    調剤併設ドラッグストア、調剤薬局、派遣薬剤師など、数多くの経験をしながら処方鑑査の腕を磨く。
    2022年10月、4分類法を活用した処方鑑査の指南書『達人の処方鑑査術』を出版、好評発売中。
    ▼運営サイト
    https://kusuri-shidousen.com
    掲載日: 2026/10/21
    ※医薬品情報は掲載日時点の情報となります

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