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2021.02.15

『救急認定薬剤師』とは?仕事の役割や資格取得の方法を解説【薬剤師の資格入門】

『救急認定薬剤師』とは?仕事の役割や資格取得の方法を解説【薬剤師の資格入門】

救急医療というと救急救命士や救急救命室で働く医師、看護師のイメージが強いかもしれません。しかし、実際には救急医療において活躍すべき役割があり、最良の医療を提供するためにも薬剤師の積極的な参加が期待されています。

そこで創設されたのが「救急認定薬剤師」という資格。今回は、「救急認定薬剤師」という資格の位置付けや求められる役割、活躍できる場所、資格の取得方法などをご紹介します。

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「救急認定薬剤師」とは?

「救急認定薬剤師」とは?

最近では様々な認定薬剤師制度が設けられており、救急救命室やICU(集中治療室)で働く薬剤師も増えてきています。「救急認定薬剤師」は、そうした現場で活躍できる救急医療に特化した薬剤師を養成するべく創設された認定薬剤師制度。医師や看護師だけではマンパワー不足である医療現場では、薬の専門家である薬剤師の存在がますます重要になってきているのです。

日本臨床救急医学会は、日本病院薬剤師会の協力を得て平成23年より「救急認定薬剤師」の認定制度を設けました。「救急認定薬剤師」は、救急医療における薬物療法に関する高度な知識、技術、倫理観を備えた薬剤師として、"最適な医療を提供すること" "国民の健康に貢献すること"を目的として設置されました

▼参考記事はコチラ
救急認定薬剤師について
救命救急認定薬剤師制度規則

「救急認定薬剤師」に求められる役割とは

「救急認定薬剤師」に求められる役割とは

救急救命に携わる薬剤師といっても、少しイメージしづらいかもしれません。では、「救急認定薬剤師」にはどんな役割が求められ、どのような仕事内容を担うのでしょうか?具体的な内容について解説します。

「救急認定薬剤師」が携わる範囲とは?

救急の現場には表からは見えづらい様々な業務が存在しています。薬剤師が担当するのは救急医療における薬物療法です。たとえば次のような仕事内容があります。

  • 医薬品の管理
  • 薬剤処方設計
  • TDM(治療薬物モニタリング )
  • 救急医療に関する教育
  • 災害医療
  • 以上のように病院薬剤師としての通常業務にもある医薬品の管理、在庫管理や適切な処方設計における提案やアドバイス、TDMの実施やそれを元にした投与量変更の提案などがあります。

    また、救急医療という特色から救急医療に関する薬剤師の教育、災害が発生した場合の医療提供に関わる業務など、薬剤師の仕事は広範囲にわたります。

    「救急認定薬剤師」がかかわるべき傷病

    「救急認定薬剤師」は薬剤師という立場から、どのような救急医療で扱う傷病にかかわるべきなのでしょうか?かかわるべき傷病としては、次のような内容があげられます。

  • 臓器障害
  • 外傷(怪我)
  • 中毒(アルコール、薬物、化学物質など)
  • 循環器系疾患
  • 意識障害等
  • 以上のような救急救命で取り扱うことの多い緊急性が高い傷病の治療に、薬剤師も積極的に参画することが求められています。また、病態が多岐にわたり、多数の合併症を来たすことも多くあります。

    具体的には持参薬や投与薬物のチェック、適切な薬剤の推奨、薬理作用や副作用のモニタリングなどが薬剤師の仕事です。病態に合わせた薬学的管理を主体的に行うことが「救急認定薬剤師」に期待されている役割となっています。

    薬学的な介入により高度な救急医療を提供する

    一般的な病棟業務との違いとして傷病の緊急性と重症度が高くなることが救急医療の特徴です。救急医療の現場ではほかのスタッフと連携して高度かつ迅速、そして安全な治療を提供することが求められます。

    とりわけ救急救命となると、通常の状態とは異なり様々な可能性を考慮して治療計画を立てる必要があります。薬剤投与についても、たとえば多臓器不全や全身性の炎症疾患が、ある通常の薬物代謝・薬物クリアランスとは異なる状態が想定されるため、患者さまに合わせた用法用量の最適化が必要です。

    また、緊急時の患者さまでは消化機能も大幅に落ちている可能性があるため、限られた投与方法の中から治療効果が高く、かつ安全に投与できる方法を検討する必要もあります。急激に病態が悪化しやすい状況の中で、安全に薬剤投与を継続できるかどうかなども含めて、患者さまのQOL向上に貢献することが救急医療の現場で薬剤師に求められています

    ▼参考記事はコチラ>救急医療における薬剤師への期待

    「救急認定薬剤師」が活躍できる場所

    救急認定薬剤師が活躍できる場所

    「救急認定薬剤師」の資格を取得すると、救命救急センターや集中治療室(ICU)などが主な活躍の場となります。救急車で緊急に運ばれてきた方や容体が急変した方への処置を行うために、速やかに状態を把握して、迅速で的確な判断のもと行動する必要があるでしょう。

    また、災害医療でその職能を発揮することも求められています。災害医療では、設備の整う医療現場から離れて災害の起きている拠点に向かうことも...。実際に東日本大震災では多くの薬剤師が被災地に派遣され、避難所や被災病院などの医療支援にあたりました。

    このように「救急認定薬剤師」の活躍の場は、病院内から災害が起きている場所まで広がっており、様々な場面で救急医療における知識と経験を発揮することが求められています。

    「救急認定薬剤師」の資格を取得する方法

    「救急認定薬剤師」として認定を受けるには、まずいくつかの要件を満たすことで受験資格を得られます。その後、さらに試験に合格すると「救急認定薬剤師」としての認定が受けられます。日本臨床救急医学会が定める規則による認定条件は、以下の通りとなります。

    認定条件

    まずは試験を受けるための認定条件をチェックしましょう。以下の項目を満たしている場合に申請が可能となり、申請を行うと「救急認定薬剤師」認定試験を受験できます

    [1]本邦における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び救急治療における薬物療法に関する見識を備えていること

    [2]申請時において、薬剤師としての病院・診療所勤務歴を5年以上有し、そのうち2年以上救急医療に従事していること

    [3]申請時において、日本臨床救急医学会の正会員であり会員歴が2年以上あり、かつ会費を完納していること

    [4]日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師(2022年度申請時まで有効)、日本医療薬学会認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された認定薬剤師、あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師の資格を有していること

    [5]医療機関において、救急医療に関する業務を通じて患者の治療に自ら参加した25例以上の症例を報告できること

    [6]認定薬剤師認定委員会が指定し、理事会の承認を得た学術集会、研究発表などにおいて、細則に定める単位数を履修していること

    [7]認定薬剤師認定委員会が開催する講習会を受講していること

    [8]日本臨床救急医学会評議員または所属施設長の推薦があること

    引用:日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師制度規則

    更新について

    「救急認定薬剤師」の資格は5年毎に更新が必要です。認定を受けてから更新までの 間に認定薬剤師認定委員会の指定する学術集会、研究発表などにより、所定の単位を取得すること、また認定薬剤師認定委員会が開催する講習会に定められた回数参加することも条件となります。

    申請・認定にかかる費用について

    申請および更新には次のとおり手数料がかかります。

    申請手数料 10,000 円
    更新手数料 10,000 円

    新規の認定には手数料のほか20,000円の認定料がかかります。日本臨床救急医学会が申請書類と認定試験成績を総合的に審査し、基準をクリアしている方が「救急認定薬剤師」として認定されます。また、上記の手数料・認定料のほかにも認定条件を満たすために講習会に参加する費用、雑費などが別途かかるので認識しておきましょう。

    救急医療の第一線で活躍する薬剤師に

    「救急認定薬剤師」の認定を受けることで、救急救命センターや集中治療室、そしてときには被災地支援などの場所で高度な救急医療を提供するために役立つスキルが身につけられるでしょう。

    ハイレベルな知識と豊富な経験が求められる仕事ですが、緊急時という状況下で最良の薬物治療を提供するためには薬剤師の存在が欠かせないものとなってきています。

    ぜひ、救急救命の第一線で医療に貢献したい方は、「救急認定薬剤師」の取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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    ファルマラボ編集部

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    記事掲載日: 2021/02/15

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