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2020.03.27

先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の違いとは?

先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の違いとは?

医療用医薬品は、「先発医薬品」と「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」の2種類に分類されています。後発医薬品は先発医薬品に比べて薬価が安いにもかかわらず、品質、安全性と有効性は変わらないため、後発医薬品の使用を促進することが薬剤師の役割の一つとして求められています

この記事では【先発医薬品と後発医薬品の違い/後発医薬品の使用促進について】解説していきます。後発医薬品の普及は目覚ましく、すでにご存じの方も多いと思いますが、改めて確認していきましょう。

先発医薬品と後発医薬品

医薬品には、一般の薬局・薬店で販売されている「一般用医薬品」と、医師の処方せんによって交付される「医療用医薬品」があります。これらのうち「医療用医薬品」は先発医薬品と後発医薬品に分かれており、後発医薬品はジェネリック医薬品とも呼ばれています。

▼引用元はコチラ> ジェネリック医薬品についてー厚生労働省ー

先発医薬品(新薬)は、9~17年程度の長い期間と数百億円もの莫大な費用をかけて研究されます。そして、医薬品の臨床試験である「治験」を経て有効性や安全性が確認されたのちに、国の承認を受けて発売されます。こうした開発に成功した場合、医薬品の価格である薬価には原材料や製造費に加え、研究開発費や特許料、適正使用のための情報提供活動費用も上乗せされるため、比較的高額となる傾向があるのです。また、発売後も一定の期間(再審査期間)は、有効性や安全性について確認することが義務づけられています。

後発医薬品は、先発医薬品の再審査期間と特許権存続期間の両方が満了することで製造販売が可能となる医薬品です。先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同等の臨床効果が確認されています。先発医薬品に比べると承認を得るために必要な試験の数も少なく、臨床試験の代わりに生物学的同等性試験のデータを用いることが可能です。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、薬価も安く設定されています

先発医薬品と後発医薬品の違いは?

薬剤師のイメージ

効果・効能の違い

後発医薬品は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含有しており、効能・効果や用法・用量も基本的には変わりません。(※先発医薬品の特許が一部有効である等の理由により、効能・効果や用法・用量が先発医薬品と異なる場合もあります)

ただし、治療学的に「同等」ではあるものの、先発医薬品とまったく「同じ」であるわけではありません。たとえば、先発医薬品が製剤特許を有している場合には、異なる添加剤を使用して後発医薬品が製造されることもあります。

添加物が異なることで、効果の違いを心配する患者さまも少なくありません。しかし、先発医薬品と異なる添加剤を使用する場合、日本薬局方の製剤総則の規定により、薬理作用を発揮したり、有効成分の治療効果を妨げたりする物質は用いることが認められていません。添加剤の成分や配合量が先発医薬品と異なっていたとしても、ジェネリック医薬品の承認審査において、有効性や安全性に違いが出ることがないよう主成分の血中濃度の挙動が先発医薬品と同等であることが確認されています

薬価の違い

医薬品の価格である薬価については、後発医薬品がはじめて収載される場合、先発医薬品として収載された薬価に0.5(内用薬で銘柄数が10を超える場合は0.4)を乗じた額を薬価とすることが規定されています。後発医薬品がすでに収載されている場合には、最低価格の医薬品と同価格が薬価となります。先発医薬品の4~5割の薬価となることから、後発医薬品の使用には、価格面において大きなメリットがあるのです。

また、近年では「オーソライズド・ジェネリック(AG)」とよばれるジェネリック医薬品も増えつつあります。先発医薬品の製造会社から許諾を得て製造されるため、原薬や添加物、製法などが新薬と同一となり、後発医薬品に否定的な意見をもつ患者さまからも受け入れられやすい特徴があります。新薬とほぼ同一のものが安定的に生産・供給され、かつ価格は安いのが強みです

そのほか、分子量が大きく構造が複雑であるバイオ医薬品において、後続品である「バイオシミラー」も注目されています。バイオ医薬品は分子構造が複雑で、同一性を示すことが困難なため、同等性および同質性を示すことが求められています。なお、バイオシミラーの薬価は、先行バイオ医薬品の70%が基本です。

▼参考記事はコチラ 従来の薬よりも安い!ジェネリック医薬品のメリット

後発医薬品の使用促進について

薬剤師のイメージ

厚生労働省は、患者さまの医療費負担の軽減や医療保険財政の改善を目指し、平成29年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において、平成32年9月までに後発医薬品の使用割合を80%とすることを目標に掲げ、後発医薬品の数量割合が著しく低い(20%以下)薬局に対する減算規定の新設や、一般名処方を推進する取り組みなどを進めてきました。その結果、平成31年3月の実績で、薬局における後発医薬品の数量割合は77.7%と、80%に迫ろうとしています

さらに、令和2年4月の診療報酬改定では、後発医薬品のあるすべての医薬品が一般名処方とされる「一般名処方加算1」を6点から7点へ、1品目でも一般名処方されたものがある「一般名処方加算2」を4点から5点へ引き上げられることになりました

保険調剤の基本的事項を定めた「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)」にも、「保険薬局は、後発医薬品の備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必要な体制の確保に努めなければならない。医師が後発品への変更を認めているときは、薬剤師は後発品を調剤するよう努めなければならない」と記載されており、薬剤師の責務として、後発医薬品を普及していくことが求められています。

▼参考記事はコチラ後発医薬品の安心使用促進について

▼参考記事はコチラ令和2年度診療報酬改定の概要

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先発医薬品と後発医薬品の違いを理解して、患者さまに適切な説明を

この記事では、先発医薬品と後発医薬品の違いや後発医薬品の使用促進について解説しました。超高齢化社会をむかえる日本は、医療の質を落とすことなく国民皆保険制度を今後も維持していくために、後発医薬品の使用促進が求められています。

医薬品の専門家である薬剤師は、後発医薬品が先発医薬品と同等の品質や安全性、有効性あることを啓発し、普及に努めていかなくてはなりません。先発医薬品と後発医薬品の違いについて理解を深めることで、患者さまに適切な説明ができるようにしていきましょう。

記事掲載日: 2020/03/27

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