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  • 公開日:2016.09.11

従来の薬よりも安い!ジェネリック医薬品のメリット

ジェネリック医薬品は、近年大きく普及を見せている、患者さま負担の少ない医薬品です。ジェネリック医薬品の特徴、そしてそれに対する薬剤師の役割、仕事内容をまとめました。

同様の効果・効能、用法・用量でありながら先発品よりも安い

医療費は、病気を抱える人にとって大きな負担となります。 とはいえ、健康で快適な生活を目指す上で避けては通れない部分なので、節約の難しい存在でもあります。

その点、医薬品にジェネリック医薬品を選択すれば、大きく負担が軽減できます。 なぜなら、ジェネリック医薬品は従来の先発品と効果効能や用法用量が同様でありながら、安く買えるためです。

ただ、隅から隅まですべてが先発品と同じかといえば、そうとも言い切れないのも実際のところです。 その点は、薬剤師が担う重要な仕事内容ともなってくるので、留意しておくべきでしょう。

ジェネリック医薬品が安い理由とは

ジェネリック医薬品を安く買えることには、もちろん理由があります。

それは、過去に新薬として登場した先発品の特許が切れると、別の製薬企業で製造・発売が可能となるからです。 先発品の価格には、原材料費、製造費のほか、研究開発費や特許料も含まれています。

ですが特許が切れた先発品を元にして同じ製造方法で製造された後発品には、後半の二つは必要ありません。 そのため、安く販売することが可能となっているのです。 割合にして、大体2〜8割抑えられた価格となっています。

ジェネリック医薬品という名前の由来は、医薬品の名称の特徴が関係しています。 医療先進国である欧米では、従来より後発医薬品に対しては有効成分を示す一般名が用いられていました。

そしてこの「一般名」は、英語で「generic name」と表記します。 このことから、総じて後発医薬品を、ジェネリック医薬品と呼ぶ風潮ができあがったのです。 日本のほか、世界共通名称として、各国で使用されています。

ジェネリック医薬品が広く普及している理由

ジェネリック医薬品が日本で一般的になりはじめたのは、比較的近年のことです。 そのため、ヨーロッパでは約70%、欧米で約90%というシェアを誇るにもかかわらず、日本国内ではまだ約50%強ほどに留まっています。

ですが2006年を境に、普及は上昇傾向を見せています。 その理由は、2006年より処方せん様式が変更され、「後発品への変更可の場合、以下に署名」の欄が「後発品への変更不可の場合、以下に署名」へと変わったためです。

これにより、医師が個別にサインしない限り、自動でジェネリック医薬品を処方できるシステムができあがったのです。

また、よりジェネリック医薬品の選択が進むよう、メーカーや各自治体で相談カードやシールを制作していることも普及に役立っています。 患者さまが自分からジェネリック希望を口にするのが負担に感じている場合でも、カードやシールを提示するだけで意志を伝えられる、便利な存在となっています。

こうした取り組みも踏まえ、今後は一層の普及が見込まれます。 薬剤師をはじめとした医療関係者は、しっかり詳細を把握しておくことが欠かせません。

薬剤師の仕事でジェネリック医薬品を扱う際における注意点

先発品の場合もジェネリックの場合も、調剤し、患者さまにお薬をお渡しするのは薬剤師に他なりません。 そのため、これらの違いについて、十分把握しておくことが大切です。

薬剤師がジェネリック医薬品処方時に注意すべき点としては、細かな成分の違いです。 効果・効能、用法・用量共に同じであり、また成分までもがほぼ同じであるものの、形状や色味、添加物などは完全には同じではなく、そのため飲みやすさが異なったり、薬の効果や副作用の出方に差が生じる場合もあります。 患者さま一人ひとりの症状や体質によってどの薬が合うかも変わってくる場合があります。

そうした部分の判断は、医薬品を実際手渡す薬剤師が担う大きな仕事内容の一つであるといえます。 医薬品についての正しい知識、そして患者さまのことを親身に想う心などが求められるといえるでしょう。

特に近年は、"お薬だけ"の場合、受診が減らせるリフィル処方せん制度の導入も予測されています。 そのため、こうした薬に関する専門知識をもって患者さまの治療により主体的に関わっていくことも、今後は一層重要な仕事になることが考えられるので、覚えておいてください。

まとめ〜従来の薬よりも安い!ジェネリック医薬品のメリット

1.同様の効果・効能、用法・用量でありながら先発品よりも安い
ジェネリック医薬品は、先発品と主成分を同じくした薬にもかかわらず、安く購入できます。 そのため、患者さまの医療費負担を大きく軽減してくれるといったメリットが感じられます。 ただ、隅々まで完全に先発品と同じというわけでもないため、薬剤師の正確な判断が欠かせません。
2.ジェネリック医薬品が安い理由とは
ジェネリック医薬品は、先発品の特許切れに伴い、別の製薬会社が先発品の製造方法に基づき製造した医薬品です。 それにより、研究開発費や特許料を省いた、比較的安い価格での販売が実現されています。 名称は、一般名表記が多いことから名づけられたそうです。
3.ジェネリック医薬品が広く普及している理由
日本におけるジェネリック医薬品の普及率は、国外の医療先進国と比べればやや劣っています。 ですが、2006年の処方せん様式変更や、メーカーや自治体による相談カード・シールの制作に伴い、近年まで順調な普及を見せています。
4.薬剤師の仕事でジェネリック医薬品を扱う際における注意点
ジェネリック医薬品処方における注意点として、患者さまそれぞれとの相性を見分けることが挙げられます。 先発品とジェネリック医薬品には、形状や色味、味、添加物といったわずかな違いもあるためです。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/09/11

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