業界動向
2018.08.22

管理薬剤師はどんなお仕事?業務内容や求められるスキルを徹底解剖

管理薬剤師はどんなお仕事?業務内容や求められるスキルを徹底解剖

薬剤師として働く方々が、キャリアアップを目指す上でポイントとなってくるのが「管理薬剤師」。年収面だけでなく、働きがいのある役職として挑戦してみたいと考える薬剤師の方は多いでしょう。

しかし、どのような仕事をしなくてはならないのか、どうすればなれるのかについては、あまり知られていないのではないでしょうか。ここでは、管理薬剤師の仕事内容や、管理薬剤師として働く上でのポイントについてご紹介します。

エントリーボタン(ふぁるるん)

管理薬剤師とは

「管理薬剤師」とは、各薬局や店舗に配置される"責任者"のこと。通常の調剤業務に加え、従業員の監督や医薬品の管理をするのが主な業務です。「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保などに関する法律(以下、薬機法)」に基づき、ひとつの職場に1名の管理薬剤師がいることが義務付けられています。

管理薬剤師になる方法は、立候補して会社に認められれば管理薬剤師になることができる薬局や、会社や店舗から任命されて管理薬剤師に昇進するなど、職場によってそれぞれです。また管理薬剤師を募集している職場へ転職するという方法もあります。

ただし、何の経験もなく管理薬剤師になるのは難しいので、一定の実務経験を経てから、管理薬剤師へのステップアップを目指すのが一般的です。ひとつの目安として、地域支援体制加算(旧基準調剤加算)における管理薬剤師経験が5年と定められていることから、5年をひとつの区切りと考える薬局もあります。

管理薬剤師求人特集バナー

管理薬剤師にはどんなスキルが求められる?

管理薬剤師になるために特別な資格はありませんが、実際に働いていくために、いくつかの必要なスキルがあります。ここでは、どのようなスキルが求められるのか具体的に見ていきましょう。

・医薬品や医療制度の知識

管理薬剤師として働くためには、医薬品や医療制度に精通していなければなりません。臨床で用いられる薬の種類は多く、次々と新しい薬が販売されます。また診療報酬や難病医療法、各種保険制度などの医療制度も、年々変わっていくもの。さらに薬局スタッフの中には、経験の浅い薬剤師や薬剤師以外の事務職など、知識が十分ではない方もいます。

適切な薬物療法や調剤報酬の請求をおこなうためには、管理薬剤師がしっかりと医薬品・医療制度の知識を持ち、周りのスタッフに対して共有していくことが必要です。

そうした知識やスキルを習得するためには、日々の業務の中で疑問に思ったことをきちんと調べるなど、日頃から意識して身につけていくようにしましょう。

・在庫管理や数値管理の知識

管理薬剤師の仕事のひとつに、"医薬品の管理"があります。必要な量の医薬品を在庫管理し、正しい方法で医薬品を備蓄することや、期限切れの医薬品を適切に処分することなど、医薬品を管理するためには専門知識が求められます

たとえば、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の置き換え率なども、現行の診療報酬制度(※)においては重要項目となっています。そのため管理薬剤師は調剤業務だけでなく処方箋単価や薬価、後発品の有無など、臨床以外の経営部分にも目を向けなければなりません。

担当の薬局や店舗がきちんと利益を上げていけるように、薬を仕入れる金額や売り上げを適切に管理することも、管理薬剤師の重要な仕事なのです。

※診療報酬制度......保険医療機関及び保険薬局が、保険医療サービスの対価として保険者から受け取る報酬を決める制度のこと

・コミュニケーションスキル

従業員の監督業務も管理薬剤師の重要な仕事です。薬局や店舗には多くのスタッフが在籍しており、協力して仕事にあたっています。働き方や職種もさまざまで、管理薬剤師がうまくコミュニケーションをとってチームワークを高めていくことが求められます。スタッフが患者さまや取引先とトラブルを起こした際にも、管理薬剤師がうまく仲裁しなくてはなりません。

また、医師や看護師、周りの薬局のスタッフ、医薬品卸売会社の営業担当者であるMS(マーケティング・スペシャリスト)や薬剤師会の担当者など、社外の方とコミュニケーションをとることも多くなってきます。

コミュニケーションのスキルを高めるために、普段の仕事やプライベートにおいても、さまざまな人と積極的に関わるようにしましょう。

管理薬剤師になるメリット

管理薬剤師になるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

・管理者として責任感を持って仕事ができる

管理薬剤師として働くようになると、薬局全体の業務を任されます。経営方針や運営方法について、薬局開設者と議論を交わすことも

もちろん責任は重くなり、業務量も増えますが、一般の薬剤師とは異なる視点で仕事に取り組むことができるようになります。管理薬剤師にしかできない仕事もあるので、やりがいを持って業務にあたることができ、マネジメントスキルや経営視点を身につけることにもつながるでしょう。

・他店舗への応援や転勤が減る

大手の調剤薬局チェーンやドラッグストアなどでは、人手が不足している店舗に店舗間応援として派遣されることも多く、負担になってしまいがち。しかし、薬機法によって、管理薬剤師は店舗間応援も含めて他の店舗で勤務することが禁止されています。また、薬局の責任者でもある管理薬剤師は、一般薬剤師に比べると転勤の頻度も少なくなるので、同じ店舗で腰を据えて働くことができます

・年収がアップする

管理薬剤師は責任や業務量が増えるため、対価として基本給がアップしたり、管理薬剤師手当が支給されたりと、給料が高めに設定されているケースがほとんど。管理薬剤師手当は月数万円にのぼることも多く、年収が数十万円単位で一気に増えることもあります。給料のアップは、管理薬剤師を目指す大きなメリットであり、やりがいにもつながりますね。

・転職の選択肢が増える

管理薬剤師の経験があれば、目指せる薬局の幅が広がります。たとえば、処方せん枚数の少ない薬局では、管理薬剤師しか正社員を募集してない場合も。個人薬局や小規模チェーン調剤では、管理薬剤師の高額求人を出していることもあるので、年収アップを目指す方におすすめです。

管理薬剤師になりたい!でもその前に知っておきたい注意点

管理薬剤師はメリットも多いですが、必ずしも良いことばかりというわけではありません。そこでこの章では、管理薬剤師になる前に知っておきたい注意点を解説していきます。

・業務量が増える

管理薬剤師は、一般の薬剤師に比べると、より多くの仕事をこなさなくてはなりません。具体的には、各種申請資料の作成、シフト管理、在庫のチェックや発注、医薬品卸売会社の営業担当であるMS(マーケティング・スペシャリスト)との価格交渉、粗利や売り上げの数値管理など......。業務量の増加により残業時間が増え、休みがとりにくくなる可能性も考えられます。

・副業や兼業ができない

薬剤師はパートや派遣就労の時給も高く、副業でもある程度の収入を得ることが可能です。さまざまな職場を経験でき、スキルアップにもつながるため、ダブルワークとして複数の薬局を掛け持ちで働く人もいます。

しかし、管理薬剤師は薬機法によって兼業することが認められていません。働き方に制約ができてしまうことも、管理薬剤師になる際に注意すべきポイントのひとつです。

・一人薬剤師の店舗には注意

処方箋枚数の少ない店舗において、管理薬剤師が「一人薬剤師」として勤務する店舗もめずらしくありません。しかし、ひとりで調剤・監査・投薬・薬歴管理といった業務に加え、管理薬剤師としての仕事も行わなくてはなりません。有給もうまく使用できないことも多いため、ワークライフバランスを重視したい方は注意しましょう

一方で自分ひとりで全てをこなすことは大変ですが、一人薬剤師で管理薬剤師をしていた経験は自信にもつながります。転職でも評価されるポイントにもなるので、挑戦する価値は十分にあるといえるでしょう。

エントリーボタン(ふぁるるん)

キャリアアップのためには「管理薬剤師」の経験は必要不可欠

管理薬剤師の仕事内容や、一般薬剤師からキャリアアップする際のポイントや注意点について、解説してきました。

管理薬剤師は、専門的な立場から薬局を管理する役職。一般的な調剤業務に加えて、スタッフや医薬品の管理などをおこないます。仕事における裁量は増えますが、もちろん責任も重くなります。特定の資格や要件などは設けられていないので、日々の業務の中で少しずつスキルを身につけ、管理薬剤師を目指しましょう。

薬剤師としてキャリアアップをしていくためには、管理薬剤師の経験は必要不可欠。ここでご紹介したメリットや注意点を参考にして、チャンスがあれば積極的に経験することをおすすめします。

記事掲載日: 2018/08/22

あわせて読まれている記事