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SSRIの中では、パロキセチンが抗コリン性の副作用に最も注意が必要な薬とされています。 一般社団法人日本老年薬学会が2024年に公表した「日本版抗コリン薬リスクスケール(第2版 2024年5月公開)」では、抗コリン性のリスクを3段階で評価しており、スコア3が最もリスクの高い評価となります。 この中で、パロキセチンはスコア2、他のSSRIはスコア1と記載されており、リスク差が明確に区別されています。 一つの目安として、総スコアが3以上の高値の場合には、口渇、便秘、排尿困難、嚥下困難などの抗コリン性の副作用が出やすくなるおそれがあるため注意が必要です。 病態や副作用の状況などを踏まえてスコアの低い薬への変更などが検討されます。医師に処方提案をする時に、このスコアを併記して伝えると理解が得られやすいでしょう。 また、SSRIは血小板凝集能を低下させるため、消化管出血などの出血リスクを上げるおそれがあります。 NSAIDsやステロイド内服薬、バイアスピリン、DOACなどの抗血栓薬を併用している患者さまでは、さらにリスクが上がるので注意が必要です。 鼻出血や歯肉出血に加えて、黒色便の有無などを確認することが重要になります。 処方監査・服薬指導のPOINTパロキセチンが処方されている患者さまに対して、抗コリン作用による口渇や便秘、排尿困難、嚥下困難などの副作用が生じていないか聞き取り、副作用が疑われる場合には抗コリン作用の少ないSSRIへの変更も選択肢となります。 また、抗血栓薬などを併用している場合、出血症状がないかを確認し、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の追加も検討されます。 必要に応じて医師への情報提供を行うと良いでしょう。 |

Q |
口渇、排尿障害など抗コリン性の副作用に最も注意が必要なSSRIはどれでしょうか? |
掲載日: 2025/12/15
※医薬品情報は掲載日時点の情報となります
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