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  • 公開日:2021.08.16

【薬学部の就活】インターンシップは行かなくていい?期間や参加のメリットを徹底解説

【薬学部の就活】インターンシップは行かなくていい?期間や参加のメリットを徹底解説

就活を意識する4~5年生になると「インターンシップ」という言葉を耳にする機会も増えてきます。「インターンシップ」とは、学生が興味のある企業などで実際に業務に触れてみる職業体験のこと。学生にとっては実際の職場に関わるよい機会となります。 しかし、国試対策や卒業研究で何かと忙しい薬学部。参加するメリットはあっても、目の前の忙しさで前向きに捉えられない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、就活を進めるうえで参考となる「インターンシップ」の概要や、参加するメリット、薬学生が選ぶおもなインターンシップ先などを詳しくご紹介します。

インターンシップとは?

インターンシップ1

インターンシップとは学生が在学中に行う就業体験のこと。本格的な就職活動を始める前に実際の現場に触れ、自分が働く姿をイメージしやすくすることがねらいです。

ここでは、インターンシップの種類や開催している時期について詳しくみていきましょう。

インターンシップの種類

インターンシップは「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2つに分けられます。それぞれのメリットを理解し、目的に合ったインターンシップに参加することが大切です。では、この2つのインターンシップにはどのような特徴があるのでしょうか。

●短期インターンシップ

短期インターンシップは、1日の体験型から1週間前後で行われる職業体験。基本的にはグループワークやセミナーが中心となっていますが、企業や病院によっては実際に簡単な業務を体験させてくれるところもあるようです。

短期インターシップのメリットは、なんといっても参加しやすいこと。そのため、いろいろな企業のインターンシップに参加することができ、日程を工夫すれば何社でも参加することができます。また、薬局、病院、ドラッグストアなど様々な職務形態のインターンシップに参加することで、薬剤師の中でも自分にはどういった職場が向いているのかを確認することができます自分のやりたいことが決まっていない、適性がよくわからないといった方は短期インターシップに参加し、いろいろな職場に触れてみましょう

●長期インターンシップ

長期インターンシップは、3か月から1年程度の長期間、企業の一員として実際の業務に携わり社員と同じような業務を行うインターンシップのこと。一年を通して多くの企業が長期インターンシップの募集をしているため、参加する学年はとくに定められてはいません。実務実習や国試対策など、学年があがるにつれ時間を作るのが難しくなっていく薬学生は1~3年生のうちに体験しておくことをおすすめします。 また、長期インターンシップは有給であることがほとんど。自身のよい経験になることはもちろん、収入が得られることは大きなメリットといえるでしょう。やりたい仕事、興味のある企業が明確な方におすすめです。

インターンシップの時期

インターンシップは、企業が募集する時期によって「サマーインターン」「オータム/ウインターインターン」の2つに分けられます。 そのうち、夏休みの時期に開催される「サマーインターン」は秋冬に比べ募集数も多く、多くの企業の職業体験を受けられるチャンスになります。

インターンシップのおおまかなスケジュールは下記の通りですが、企業や病院によりスケジュールが異なりますので、希望する企業や病院の情報はこまめにチェックしておきましょう

募集・エントリー 選考 実施・参加
サマーインターン 5~6月 6月末~7月中旬 7月中旬~9月
オータム/ウインター
インターン
9月~10月 9月~10月 年内開催
11月~12月 11月~12月 1月~2月

インターンシップ参加者は学生全体の約8割といわれていますが、2020年度はコロナウイルス感染症の影響でインターンシップを中止する企業もあり、参加できなかったという学生も見受けられました。

【参考資料】 NHK「就活応援ニュースゼミ」

薬学生がインターンシップに参加するメリット

忙しい勉強や研究の合間にインターンシップに参加するのは、気力も体力も消耗するもの。インターンシップに対して消極的になってしまう学生も少なくありません。しかし、様々な企業や病院などで職業体験をすることにはメリットも多くあります。ここでは、薬学生がインターンシップに参加すると、どのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

業界の理解を深め、ミスマッチを防ぐことができる

志望する業種や企業に対するイメージと、実際の職場の雰囲気では少なからずギャップが生じるものです。インターンシップに参加することにより、その職場の空気や働き方、人間関係など、具体的な雰囲気をつかむことができるので、就職後のミスマッチを防ぐことにつながります。 また、同時に新しい出会いや発見もあり、就活の軸を定めるのに有効となるでしょう。

自分の適性を把握できる

インターンシップを通じて実際の業務に触れてみると、その業界や企業の理解が深まるとともに、自分にとって「合う、合わない」が分かるようになってきます。どのような業務にやりがいを感じるのか、またどのような業務が苦手なのかを判断できますし、業界や企業によって仕事の進め方なども異なるので、企業研究と自己分析を同時に進めることができるでしょう

就職活動の予行演習となる

インターンシップの選考段階で、エントリーシートや履歴書、志望動機や自己PR、面接といったプロセスがあります。複数のインターンシップを受けることで、本番前の就活の予行演習にもなります。 また、インターンシップでの経験や成果は就職活動で自己PRのエピソードにもなり、今後の就活につなげていくことができるでしょう。

薬学生がインターンシップに参加する心構えとポイント

インターンシップ

インターンシップに参加し、多くのことを吸収していくためにはどのような姿勢で臨むとよいのでしょうか。ここでは、インターンシップで気をつけておかなければならないことや心構えついて詳しく解説していきます。

迷ったら、まず参加してみよう!

ある程度志望する企業や病院が決まっている方も、まだ就活の軸が定まっていない方もインターンシップにはぜひ参加してみましょう。ギャップがないか、働けるイメージがつくかなど得るものも多いはず。ただし、5年生は実務実習と重なるので、スケジュールを調整して短期インターンシップに参加することをおすすめします。

目的をもって参加しよう

インターンシップに参加する際は、目的を持つとより得るものが多くなります。「業界・企業理解」「就活の軸を決める」「自分の適性を知る」など、目的をもって参加することを意識しましょう。「とりあえず友人と一緒に参加してみる」「インターンシップ先で薬学部の友人をつくる」など参加することが目的となってしまうと必要な情報が得られなくなってしまうことも。

実務実習との違い

実務実習でも薬局や病院で薬剤師の業務に触れることができますが、それはあくまでカリキュラムの一部です。実際に働くことに携わってみると、職場の雰囲気や働いている人の気遣いなど、様々な発見があり自分自身の視野も広がります

薬学生のおもなインターンシップ先

薬学部向けのインターンシップ先には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、毎年多くの薬学生が選択しているインターンシップ先を順番に紹介していきましょう。

調剤薬局

薬学生のインターンシップ先に選ばれることが多い調剤薬局。大学病院の門前、医療モール内の薬局、商店街や駅前の個人店舗など、立地によって客層や業務に違いがあるので、いろいろなタイプの薬局を体験してみるとよいでしょう。短期インターンシップでは、業務に深く関わることは少ないですが、実際に薬歴記入や、在宅医療の同行などのプログラムが用意されている薬局もあります。

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ドラッグストア

OTC医薬品を取り扱うほか、様々な職種の人たちと一緒に働くドラッグストア。毎日たくさんのお客さまと接するため、症状や悩みを上手に聞き出し、適切な商品が提案できるコミュニケーションスキルが求められます。企業によっては、漢方ケア体験や人事部の働き方体験など、ほかとは違った体験ができる店舗もあるので、興味のある企業があれば悩まずにエントリーしてみましょう。

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病院

おもに大学病院や市民病院などに所属して、医師や看護師などと一緒にチーム医療に加わり臨床の第一線で活躍する業務です。インターンの内容に関しては、見学に近いところがほとんどですが、がん・緩和の治療を見学し、多職種連携を知るためのチーム医療体験や、カンファレンスに同席、薬剤管理指導の病棟業務を体験させてくれる病院もあるようです。

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製薬会社

製薬企業では、医療従事者に医薬品の情報提供とセールスをする「営業職(MR)」、新薬を開発するための実験を行う「研究職」や、臨床試験を行う「開発職」など様々な職種の薬剤師が活躍しています。製薬会社のインターンは短期のものが多いため見学や自社の説明などを行うことが多いようです。製薬会社は人気の業界のためインターンの倍率も非常に高く、選考に向けて早めに準備をしておくとよいでしょう。

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一般企業

薬剤師の仕事先は病院や調剤薬局だけではありません。医薬品の豊富な知識や資格を活かし企業で働く薬剤師も多く、「化学メーカー」「食品メーカー」「化粧品メーカー」など、一般企業など幅広い分野で活躍しています。薬剤師として将来どのような働き方をしたいのか明確にするためにも興味がある企業があれば、できるだけ多くのインターンシップに参加してみるとよいでしょう。

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まとめ

他の学部に比べ学習量が多く、実習や研究など毎日忙しい薬学部。時間をうまく調整してインターンシップに参加するのは、なかなか大変なことです。しかし、最近は授業や研究の時間などに支障が出ないようインターンシップを土日に開催しているところが多く、予定が調整しやすくなっています。この夏、気になる企業のインターンシップに参加し、自身の就活に役立てていきましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2021/08/16