キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2020.11.10

薬剤師にキャリアプランは必要?キャリアプランの立て方と選択肢

薬剤師にキャリアプランは必要?キャリアプランの立て方と選択肢

様々な働き方を選択できる薬剤師が理想のキャリアを実現するためには、若いうちからキャリア形成について具体的に考えることが求められています。これまでは、30代を超えてから自らのキャリアについて考えることが一般的でしたが、近年では働き方の多様化に伴って、20代のうちから行動を開始する薬剤師も増えつつあります。

この記事では、キャリアプランを実現するための目標の立て方や実例について若いうちに考えた方が良いことを中心に解説していきます。

薬剤師にキャリアプランは必要?

病院や調剤薬局、ドラッグストアなど、様々な職場で活躍することのできる薬剤師。資格職であることの安定性や長年の売り手市場の影響もあり、多くの職場を経験しながら自分に合ったキャリアを見つけていく方法が一般的とされてきました。しかし、若いうちから明確なキャリアプランを持っている方は、実はそこまで多くないと言われています。

最近では、働き方の多様化や専門性の高まりにより、自らの理想とする薬剤師像を実現するためにキャリアプランが必要と考えられるようになりました。とくに、20代のうちから将来を見据えてキャリアプランを考えておくことができれば、ほかの薬剤師より優位に立つことはもちろん、とるべき行動が明確になるというメリットがあります。

キャリアプランの立て方

悩める薬剤師のイメージ

薬剤師として理想のキャリアを実現するために、3つの手順に沿って考えていきましょう。

①自己分析/キャリアの棚卸し

まずは自身のキャリアを見つめ直して、自己分析を行いましょう。これまでのキャリアや経験領域、現在のスキル、取得した資格、得意分野など、自身のもつ強みを具体的に棚卸しします。同時に、未経験の分野や苦手としている領域など、今後習得していくことが求められる内容についても書き出します。また、薬剤師を目指したきっかけや理想の薬剤師像について立ち返ることで、進むべき道が明確になることもあります。

②5年後、10年後自分がどうなっていたいかを考える

しっかりと自己分析をした後は、5年後10年後に自分がどうなっていたいか考えましょう。「管理薬剤師として薬局運営に携わりたい」「専門薬剤師として後輩を指導したい」など、漠然としたイメージでも良いので、中長期的な目線で考えることが重要です。とくに女性の場合は、出産や育児などのライフスタイルもあわせて考えることがポイントです。

③目標に応じて1年ごとのキャリアプランを立てる

5年後、10年後の理想を実現するため、現状で何が不足しているのかを考えます。「いつまでに何をするのか」具体的に1年ごとのキャリアプランを立てることがポイントです。目標を細かく設定することで、着実なステップアップを期待できます。ただし、すべて計画通りに進むとは限らないので、臨機応変に修正や変更を行うことも大切です。

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あなたはどのキャリアを選ぶ?

理想とする薬剤師像やキャリアプランは人それぞれであり、なにを選ぶかは自分次第です。ここでは、薬剤師のキャリアプランとして多い3つのパターンを解説していきます。

薬剤師としての専門性を高める

薬物治療の高度化に伴い、薬剤師にも高い専門性が求められるようになりつつあります。高い専門性を有していれば、幅広い領域の現場で活躍できるだけでなく、教育担当者としてのキャリアにつながることもあります。専門性を高めるためには、認定・専門薬剤師などの資格を取得することがおすすめです。また、大手調剤薬局やドラッグストアでは、独自の研修カリキュラムを導入している企業も多く、専門性を高めるには適した環境と言えます。

管理薬剤師や薬局長・マネージャーなどの役職を目指す

薬剤師の代表的なキャリアの一つに、管理薬剤師や薬局長、マネージャーなどの管理職を目指すことが挙げられます。これらの役職に就くことができれば、一般薬剤師に比べて高い年収を期待できます。また、管理職としてのマネジメント経験は重宝されるため、長期的なキャリア形成においても注目されています。薬局運営の知識も身につくため、独立を目指している薬剤師にとっても、おすすめのキャリアプランといえます。

"もうひとつの柱"を持つ

働き方の多様化に伴って、薬剤師以外の仕事を副業とする、"もうひとつの柱"をもつ方も増えつつあります。メディカルライターや医療翻訳などの薬剤師資格に関連するものだけでなく、イラストレーターやプログラミングなどの、得意分野を生かした仕事に挑戦するケースもあります。知識やスキルが身につくことにより、薬剤師としての活躍の場が広がるだけでなく、キャリアプランに良い効果をもたらすことも期待されています。

キャリアプランが定まらないときは?

悩める薬剤師のイメージ

薬剤師としてキャリアプランを立てることが求められるなか、「やりたいことが見つからない......」「どうやってキャリアを築いていけばいいのかがわからない......」と悩む方も珍しくありません。ここでは、理想とするキャリアがなかなか定まらない場合のキャリアの描き方について解説していきます。

理想の薬剤師像(ロールモデル)を見つける

キャリアプランを描くための最も簡単な方法が、理想となる薬剤師像(ロールモデル)を見つけることです。「こうなりたい」と思える先輩や上司に出会うことができれば、キャリアプランの構築に大きく近づくことが可能となります。勉強会や講演会などに参加して、薬剤師同士のコミュニティを広げることもおすすめです。

目の前のことを積み上げていくこともキャリア構築のうち

自分のやりたいことがはっきりしている場合には、キャリアプランを立てて進めることが効率的と考えられていますが、必ずしもすべての方がやりたいことを明確にもっているわけではありません。ふとしたタイミングでやりたいことが見つかるケースもあるので、まずは現在の業務に打ち込み、経験を積み重ねていくことも、キャリア構築の方法のひとつです。

困ったときには転職コンサルタントの活用を

キャリアプランを作成するためには、客観的な意見を聞くことも効果的です。自分だけでは気づくことの出来なかった強みや弱みを知る可能性もあります。とくに、経験の少ない20代のうちは、薬剤師専門の転職コンサルタントなどの就職・転職のプロのアドバイスを聞くことがおすすめです。

自分のキャリアを見つめ直そう

この記事では、キャリアプランを実現するための目標の立て方や実例について、若いうちに考えた方が良いことを中心に解説していきました。

薬剤師の働き方の選択肢は多く、様々なキャリアプランが存在しています。だからこそ、自分自身のキャリアプランをきちんと定めて、それを実現するために動き出すことが重要です。自分1人で決めることが難しい場合には、薬剤師専門の転職コンサルタントのアドバイスを参考にするとよいでしょう。多くの選択肢のなかから、きっと自分1人では辿り着けなかったあなただけの働き方を見つけ出してくれるはずです。

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記事掲載日: 2020/11/10

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