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  • 公開日:2022.11.14

薬剤師の転職は厳しい?その理由と成功のポイントを解説【2022年版】

薬剤師の転職は厳しい?その理由と成功のポイントを解説【2022年版】

新型コロナウイルス感染症の流行を機に、多くの施設で処方箋枚数が激減するなど薬局や医療機関をとりまく環境は厳しくなっています。薬剤師の転職市場においても、採用控えや人材の流動性の低下に伴い求人数は減少傾向にあり、少ない採用枠に複数の薬剤師が応募するため転職市場の冷え込みを実感する方も増えています。

この記事では、現在の薬剤師の転職市場や厳しいと言われる理由、転職の成功事例と成功へ導くポイントについて解説していきます。

薬剤師の転職は厳しい?コロナ禍以降、転職市場の変化

薬剤師の転職は厳しい?コロナ禍以降、薬剤師の転職市場の変化

超高齢化社会の到来や院外処方への誘導政策により、薬局業界は急成長を続けてきました。毎年のように新規出店を続ける企業も多く、薬局の数も順調に増え続けたことから転職市場も長らく売り手市場といわれていました。そこで働く薬剤師も多様な働き方の選択ができたのです。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を機に、感染リスクを抑えるべく医療機関を受診する患者数は激減。薬局の売り上げは落ち込み、感染収束の見通しが立たないことから求人数は依然として減少傾向にあるだけでなく、求職者が増え採用基準も厳しい状況へと変化しています。

コロナ禍の転職成功事例

コロナ禍の転職成功事例

これまでと比較すると、現在薬剤師の転職市場は厳しい状況にあります。しかし、ポイントをおさえて転職活動を行うことができれば、コロナ禍でも転職の成功確率を大きく上げることが可能です。ここでは、薬剤師向けの転職コンサルタントから聞き取った転職成功事例をご紹介します。

成功事例1.薬局の経営悪化による転職(40代男性・Aさん)

個人薬局に勤務していたAさんは、コロナ禍による経営悪化の影響で手当のカットや予定されていた昇給が見送られたことをきっかけに、転職を検討するようになりました。転職先の薬局は、小規模展開ながら大手企業のグループ傘下にあるため、経営基盤が安定していることが特徴です。さらに、風通しが良く社員一人ひとりを大切にする社風も、決め手の一つとなりました。

転職コンサルタントに聞いた成功のポイント

転職成功のポイントは、現状のヒアリングをしたうえで自己分析と企業分析を行い、入職後のミスマッチを減らしたことにあります。「この企業は自分が活躍できる職場なのか」を入職前にしっかりと見極めることが長く働ける職場を見つける秘訣であると考えています。

成功事例2.人手不足のエリアで内定を獲得(70代女性・Bさん)

現在の職場に不満があるものの、70歳での転職は難しいと考えていたBさんは、転職コンサルタントから県外施設の紹介を受け、現在よりも好待遇で転職を成功させました。転職先の薬局は、交通アクセスの悪さによりコロナ禍であっても人が集まりにくく、管理薬剤師兼一人薬剤師という雇用条件もあり、年齢よりも実務経験を重視して求人を行っていました。

転職コンサルタントに聞いた成功のポイント

70代の転職活動であっても、勤務地や雇用条件に対して柔軟に対応できる姿勢を持っていたことや、転職コンサルタントの活用により広く情報収集を行っていたことが今回の転職成功のポイントとなりました。

成功事例3.コロナ禍だからこそ現場で働きたい(30代男性・Cさん)

新卒から企業で働いていたCさんは、コロナ禍だからこそ薬剤師として現場で働きたいと考え、転職を検討するようになりました。募集要項の段階では未経験者NGの職場でしたが、年齢が30代と若く将来性があることと、薬剤師としての使命感を持っていることが評価され、内定を獲得できました。

転職コンサルタントに聞いた成功のポイント

新型コロナウイルス感染症の流行により、薬剤師の転職市場も売り手市場から買い手市場へと変化しており、薬局や病院での臨床経験がない薬剤師は書類審査の段階で不利になるケースも増えています。しかし、薬局としても患者さま第一に働ける方を重視して選考していることも多く、使命感や将来性が強みになるケースもあります。

コロナ禍の転職を成功へと導くポイント

コロナ禍の転職を成功へと導くポイント

ここでは、コロナ禍の転職を成功へ導くポイントについて解説します。

明確なビジョン・目的を持って転職活動を行う

コロナ禍における薬剤師転職では、それ以前と比べて採用基準が厳しくなっていることがあげられます。売り手市場から買い手市場へと変化したことで、今後の薬局業界を支えていけるような明確な理想や使命を持っている薬剤師が求められるようになりつつあります。そのため、転職活動を通して今一度自身がどのような薬剤師になりたいのか目的を明確化したうえで、アクティブに動いていくことが重要です。

オンライン面接対策

オンライン面接の普及により、効率的に転職活動をすすめられるようになりました。しかしその一方で、オンライン面接では対面の面接以上に「相手への伝わり方」を考えながら応対する必要があるため、オンライン面接の対策も重要となっています。

入職前後のミスマッチの解消

前項で解説した通り、コロナ禍の転職活動ではオンラインでの面接が増えています。そのため、実際の店舗を確認せずに転職を決めてしまうケースも多くなり、入職前とのギャップが生まれやすくなっています。入職前には店舗見学を行うようにしたり、気になることはしっかり質問をするなどしてミスマッチを減らしましょう。

積極的な転職コンサルタントの活用

上記で紹介したような自己分析・目的の設定オンライン面接対策なども、転職コンサルタントに相談すればこれまでの経験やノウハウからアドバイスがもらえます。また、転職のミスマッチを防ぐうえで大切な情報収集も、転職コンサルタントが介入することでスムーズになるでしょう。

転職市場が変化してきていることに加えて、転職活動の流れも以前と変わっています。これまでに転職経験のある方も一度相談してみると良いでしょう。

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コロナ禍の転職は「柔軟さ」 と「明確な目的を持つこと」が成功のカギに

コロナ禍の影響で求人数が大きく減少したことにより、薬局業界は売り手市場から買い手市場へと変化しています。面接を受ければ内定が出ていた時代に転職活動をされてきた方にとっては大きなギャップを感じるかもしれません。

しかし一方で、コロナ禍にあっても、薬局の求める条件に対して柔軟に対応できる方や明確な目的を持って転職活動をしている方にとっては、転職自体そこまで難しいものではありません。転職の際は上手にコンサルタントを活用し、後悔のない転職をしましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2022/11/14

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