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2019.09.09

【日本調剤の教育担当者が伝授!】トレーシングレポートの書き方のコツ-ファーマシーセミナーレポート-

【日本調剤の教育担当者が伝授!】トレーシングレポートの書き方のコツ-ファーマシーセミナーレポート-

「最近、あの健康食品を飲むようになった」
「前回処方された薬、ちょっと残ってしまったんだよね」

保険薬局では、患者さまの声を直接聞くことができます。この記事で取り上げるトレーシングレポートは、そのような「緊急性は低いものの処方医に伝えたほうが良い情報」を共有するためのツールです。

今回は、2019年6月9日に行われた、メディカルリソース主催『第2回 実践ファーマシーセミナー』の内容を一部ご紹介します。講師としてお迎えしたのは、日本調剤株式会社の教育担当・伊藤昌裕さんと加村潤さん。トレーシングレポートの書き方のコツについて聞きました。

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トレーシングレポート(トレレポ)とは

トレーシングレポートに記載する内容

トレーシングレポート(トレレポ)とは、服薬情報提供書とも言い、保険薬局が得た情報を保険医療機関に伝える文書のことです。医療機関に処方内容の確認の問い合わせをするものとして疑義照会がありますが、疑義照会が「緊急性の高い問い合わせ」であるのに対し、トレレポは「緊急性は低いが伝えた方がよい内容」となります。処方箋の内容に不備や疑わしいと思う箇所があった場合、薬剤師はその部分を解決しなければ調剤ができないことになっており、少しでも疑問に思う点などがあれば医師などに確認することが必要です。

「疑義照会だけでも問題ないのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、昨今の医療は「治療の補助は看護師、在宅医療はケアマネジャー」というように医療もチーム制となってきています。各医療機関との連携が必要となってくるため疑義照会だけでは足りず、薬剤師自身が処方内容を提案していくことが求められるようになりました。そこで、看護師や医師などにトレレポを共有する必要が出てきたのです。

また、医療費の削減という業界トレンドの中で、各医療機関は患者さまに対して減薬することも求められています。そのためには医師の判断材料として薬剤師の見解が必要であり、トレレポが役立つのです。

トレーシングレポート活用のメリット

トレーシングレポートのメリット

トレレポの活用には多くの利点があります。ここでは、トレレポを活用することのメリットについて見ていきましょう。

タイミングを選ばず確実に伝達できる

口頭とは違い、トレレポは目で見て内容を確認できます。そのため、いつでもどこでも内容を確認可能です。

医師の診療の妨げにならない

上の内容に繋がりますが、トレレポはいつでも閲覧できるため、診療の妨げになりません。忙しい医師に対しても情報提供ができます。

連携強化により医師との信頼関係を構築できる

トレレポを開始するには事前に医療機関から承諾を得る必要があり、医師との連携につながります。適切なトレレポを提出することができれば、医師との信頼関係を構築することができます。

参考資料を添付できるなど、多くの情報を盛り込める

疑義照会とは違い、トレレポは参考資料を添付できます。根拠を提示するなど、疑義照会よりも多くの情報を医師に伝えることが可能です。

薬局・医療機関の双方に記録が残る

トレレポは文書に残るため、診療の際のエビデンスとしても機能します。メディカルスタッフ間での情報共有も可能です。

医療機関間の連携にもトレレポが役立つ

トレーシングレポートは役立つ

特に高齢者の方は複数の医療機関を受診している可能性があり、患者さまがどの病院を受診しているのか医療機関側が把握できていないというケースがあります。そこで、いわゆる「かかりつけ薬局」は、服薬状況に関して医療機関に情報提供することが必要です。そのような場合にも、トレレポは有効になります。患者さまの状態、副作用について情報を医療機関側に伝えることが可能です。

なお、患者さまへのヒアリングの中で、医師に伝えていない情報があった場合は、その情報を医師に伝えて良いのか否かについてしっかりと確認しましょう。患者さまの治療効果に影響はないかを考慮し、患者さまにとって何が有益なのかをよく考えながら、報告すべき内容を検討することが大切です。

トレレポに記載する内容

それでは、トレレポに記載する内容にはどのようなものがあるのでしょうか。 具体的には以下のものがあります。

医療機関から情報提供を求められている内容

服薬に関するアドヒアランスや残薬状況、併用薬や摂取している健康食品の情報などが該当します。また、副作用など患者さまの状態、薬剤の開始後や変更後に生じた軽度の体調変化なども、ここに含まれます。

薬剤師からの提案事項

処方に関する減量・中止提案や患者さまへの指導内容などが該当します。薬物療法と直接関係のなさそうな情報提供も、こちらに含まれます。

他職種から得られた情報

看護師やケアマネジャーなどが気づいた点などが該当します。「飲み忘れが多い」「薬を隠していた」など薬物療法に疑わしい箇所がある場合、トレレポに情報を記載します。

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トレレポは読み手にわかりやすく

今回はトレレポに関して、メリットや書き方のコツについてご紹介しました。単にトレレポを書いて提出すれば良いというわけではなく、読み手にとってわかりやすく書く必要があります。ぜひ上記の内容を参考にトレレポを活用してみてください。
実践ファーマシーセミナー
  • 実践ファーマシーセミナー
  • -明日から使える!トレーシングレポート書き方のコツ-
  • 2019年6月9日(日)
  • 講師:日本調剤株式会社 教育情報部
  • 課長 伊藤様/課長 加村様
記事掲載日: 2019/09/09

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