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  • 公開日:2016.08.10

「薬剤師賠償責任保険」の概要と意義

薬剤師業務でもしものことがあった時に守ってくれる保険が薬剤師賠償責任保険です。薬剤師賠償責任保険の概要と意義についてご紹介します。

万が一の医療事故に備えるリスクヘッジ

薬剤師賠償責任保険とは、業務中に起きてしまった薬剤の投与ミス重大な副作用に関して保障を受けるためのシステムです。 命に関わる仕事をしている以上、完全にゼロにはできない人為的なトラブルが大事になってしまう可能性も高く、安心して仕事をするためにこのシステムが必要となります。

過去の判例で、薬剤の投与ミスによる死亡事故に対して個人と医療機関に対して賠償責任を課すケースがありました。 病院の管理責任だけではなく、薬剤師個人の職責が問われることも考えられます。

市販薬の副作用事故もあるので、ドラッグストア勤務の薬剤師も薬剤師賠償責任保険の準備が必要です。 トラブルが起きたときに自分を守る手だてとして、できる限り加入して万一に備えましょう。

施設で加入する保険と個人で加入する保険がある

薬剤師損害賠償保険の加入形態として、施設で契約するケース・個人で契約するケースがあります。

病院や薬局単位で加入するとしていても、パート・非常勤薬剤師は加入対象にならないことがあり、その場合事故に対する保障が受けられません。

保険の種類によっては、管理薬剤師のみが支払い対象になっていて、薬剤師個人に対する賠償責任は蚊帳の外ということもあるため、勤務先の加入している保険の概要と、自分が対象になっているかどうかを把握しましょう。 勤務先に保険制度があるから安心とは言えず、事故が起きる前にきちんと内容を確認しておかないと、思わぬ損害を被ってしまうということもあります。

施設の保険の対象になっていない場合には、個人での契約を検討できます。

継続コストとなる費用負担がネックですが、勤務先を問わずに保障を受けられる性質があり、転職や転勤があっても安心です。 万が一のことが起きてから後悔しても遅いので、担当者に概要を確認のうえ、しかるべき準備をしてください。

オプションで個人情報漏えい保険も検討

薬剤師が賠償責任を負うケースとして、個人情報漏えい事故も懸念されます。

調剤録・処方せん・レセプト・病歴・顧客台帳などの管理がおざなりだったことが原因で相手に被害が及んだとき、賠償責任を課されるものです。

厚生労働省の指導によると個人情報管理を行うのは管理薬剤師の仕事であり、勤務薬局で一定の地位に立ったら真剣に考える必要があります。

リスクヘッジ手段として、基本的な薬剤師賠償責任保険にプラスして個人情報漏えい保険をつけることが挙げられます。 個人情報漏えい保険の概要と保償内容を見てみましょう。

個人情報の漏えいに対する損害賠償
業務を進める上で個人情報漏えいがあり損害賠償を請求されたときの賠償金と争訟費用をサポートします。
ブランドプロテクト費用保険金
個人情報漏えいに起因して謝罪のための記者会見・謝罪文書送付などを行ったケースにおいて、費用をサポートします。

お薬に関するミスは避けようがないと認識する

薬剤師賠償責任保険について議論するとき、そもそも過失が起きない状況が理想であり、調剤ミスを防ぐ体制を整えるべきなどと言われることがあります。

筋が通った主張ではありますが、どんなに経験を積んだ優秀な薬剤師が担当したとしても100%ミスを防止することはできず、完璧な対策など不可能です。

しかし、実際の裁判で「医師が処方せんを間違えたことがそもそもの原因」「病院のオーダリングシステムに責任がある」と主張しても退けられている判例から「薬剤師はミスなく仕事をこなすのが当然」との考えが読み取れます。

ミスを起こしても仕方がない状況だったとしても、薬剤師個人に責任がのしかかるリスクがあると認識しましょう。

まじめな薬剤師ほどリスク管理に極度に慎重になり、身動きがとれなくなってしまいます。 安心して業務に取り組み、スムーズな調剤で患者さまの負担を少なくするためにも、適切な保険加入が必須です。

まとめ〜「薬剤師賠償責任保険」の概要と意義

1.万が一の医療事故に備えるリスクヘッジ
薬剤師賠償責任保険とは、薬剤の投与ミスや重大な副作用などに関して保障を受けるためのシステムです。 リスクをゼロにすることは難しいため、安心して仕事をするために必要となります。
2.施設で加入する保険と個人で加入する保険がある
薬剤師損害賠償保険の加入形態には、施設で契約するケースと個人で契約するケースの2種類があります。 施設で加入している保険の概要を正しく理解し準備することで、確実なリスクヘッジを実現できます。
3.オプションで個人情報漏えい保険も検討
薬剤師が賠償責任を負うケースには、個人情報漏えい事故があります。 有効な対策方法は、基本的な薬剤師賠償責任保険にプラスして個人情報漏えい事故に対する保障をつけることです。 管理薬剤師になったら、適時加入を検討してもしもの事態に備えましょう。
4.お薬に関するミスは避けようがないと認識する
そもそも過失が起きない状況が理想であり、ミスを防ぐ体制を整えるべきなどと言われることがあります。 筋が通った主張ではありますが現実的とはいえませんので、保険の準備は不可欠です。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/08/10

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