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  • 公開日:2016.08.11

薬剤師の海外渡航経験はキャリアアップに繋がる?

薬剤師が海外渡航して仕事をすると、キャリアアップできるのでしょうか。海外で職歴を積むメリット・デメリットについて紹介します。

海外渡航経験がキャリアアップに繋がる理由

海外渡航経験は、キャリアアップにつながる可能性があります。 理由は、大きく分けて3つです。

実務レベルの語学力を習得できる
薬剤師にも英語スキルが求められる時代ですので、実務レベルで語学力を習得している人材は重宝されます。
国際的な視野が身につく
日本と違う文化圏で仕事をするにあたっては、文化・宗教・生活スタイルの違いまで理解した上で医療サービスを提供する必要があります。 薬剤師としてグローバルな視野が身につくと、今後のキャリアに役立ちます。
公衆衛生に関する思考が育つ
国境なき医師団などに入って難民支援や緊急援助を行うと、公衆衛生に関するスキルが身につきます。
薬剤師の職能の根幹にある「地域社会の健康生活を保持する」ことには欠かせないスキルです。 培った知識をもとに、専門的な研究機関に転職も可能です。

海外渡航で身につく自覚と心構え

治療費が非常に高いアメリカではセルフメディケーションの思考が主流であり、ドラッグストアなどで薬剤師に対して積極的に質問をします。 質問を受けたときに正しいアドバイスができるように、病気やケガのケアについて深く知っておく必要があるでしょう。

ヨーロッパの場合も地域の薬剤師を深く信頼する傾向があり、コミュニケーションカウンセリングにしっかりと時間をかけます。 欧米諸国で培った、医療を担い地域から頼りにされる立場としての自覚は、海外渡航を終えた後に帰国して、服薬指導で役立つはずです。

責任が重いことを不安に感じる気持ちはもっともですが、本来ならばどんな薬剤師も認識しておくべき心構えの一つです。 かかりつけ薬剤師制度などがはじまると、日本の医療も同じように変化する可能性が否めません。 海外の患者さまと信頼関係を築ける仕事ができれば、国内でも重宝される人材となります。 専門職として志高く働く気持ちを大切に、前向きに業務にあたりましょう。

海外研修に参加するだけでも意識が変わる

海外の薬局で働く場合は日本国内の免許をそのまま使えるわけではなく、対象国の免許を取得する必要があります。 すでに現職として働いている場合、キャリアの空白期間がでてしまう状況を懸念して、海外渡航を断念する薬剤師さんもいるでしょう。

せっかく世界の医療に関心を持ったのに、お金や時間の問題でチャンスを逃してしまうとしたら残念です。 そこで検討したいのが、職場や外部機関で実施される海外研修制度です。

日本では経験できないような経験国内未承認新薬の開発現場に触れることができて、今後のキャリアにプラスとなります。 研修で得たスキルを今後に活かし、ステップアップすることもできるでしょう。

短期間の研修なら、ある程度まとまった休みがとれれば参加できます。 研修に出た結果「やっぱり海外に行きたい」と思うようなら、改めて準備を進めることもできます。 転職の合間や長期休暇を利用して行ける渡航先を探してみましょう。

海外渡航経験がスキルの差別化につながる

薬剤師不足の状況が改善されて供給過剰になった場合、他の薬剤師と差別化できる強みがあると有利です。 海外渡航経験で培ったスキルや思考パターンを前面に押し出し活動すると、キャリアアップしやすくなります。

患者さまとのコミュニケーション地域医療を重視する流れもあり、単に薬を出すだけ・処方せんを処理するだけが薬剤師の仕事という時代ではなくなっています。 患者さまのために何ができるか・自分はどう立ち回ればいいのかをよく考えて行動できる人材が好まれます。 患者さまの潜在的なニーズまで考え、先回りした行動が必要となるでしょう。 そうした思考・行動ができる素養は、海外渡航を経験することでより身につけやすくなるでしょう。

海外渡航は、薬剤師としてのキャリアを変えるきっかけになります。 慣れない土地で仕事をこなす大変さはありますが、得るものが多く、薬剤師としての価値向上を後押しします。 あれこれと思い悩んでいるより、まずはチャレンジという気持ちを持って、海外渡航のチャンスを活かしましょう。

まとめ〜薬剤師の海外渡航経験はキャリアアップに繋がる?

1.海外渡航経験がキャリアアップに繋がる理由
海外渡航経験は、キャリアアップにつながることがあります。 実務レベルの語学力を習得できること・国際的な視野が身に付くこと・公衆衛生に関する思考が育つことなどが理由としてあげられます。
2.海外渡航で身につく自覚と心構え
アメリカやヨーロッパのように薬剤師の地位が高い地域で働くと、仕事への取り組み方や心構えが変わります。 患者さまと接する時に培ったスキルを帰国後に活用でき、より信頼される薬剤師として活躍できます。
3.海外研修に参加するだけでも意識が変わる
海外の薬局で働く場合、国内免許をそのまま使えるわけではありません。 キャリアにブランクができるのが不安なようでしたら、海外研修制度を活用しましょう。 研修で得たスキルを今後に活かし、ステップアップすることも期待できます。
4.海外渡航経験がスキルの差別化につながる
海外渡航経験は、スキルの差別化要素の一つになります。 将来的に懸念される薬剤師の供給過剰に対応し、キャリアアップし続けるための手段です。 チャンスに恵まれたら積極的に挑戦し、将来のキャリアにつなげましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2016/08/11

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