キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2023.02.02

20代薬剤師が転職を成功させるには?失敗パターンも解説

20代薬剤師が転職を成功させるには?失敗パターンも解説

20代薬剤師の転職はスキルや経験の浅さが不安になりますが、ポテンシャル採用など実は有利な点も。気になる年収への影響など、薬剤師の20代での転職事情を詳しく解説します。

薬剤師が20代で転職するのは早い?転職事情解説

まずは、いくつかの代表的な転職理由をご紹介します。転職を考える理由や原因はさまざまですが、「合わない=転職」とどの場合であってもすぐに決めず、まずは先輩や上司に相談してみてください。配置換えやシフト調整など、転職せずに解決できる方法があるかもしれません。それでも状況が変わらなければ、転職を視野に入れましょう。

薬剤師が20代で転職を考えてしまう理由とは

ここでは、いくつかの代表的な転職理由をご紹介します。転職を考える理由や原因はさまざまですが、「合わない=転職」とどの場合であってもすぐに決めず、まずは先輩や上司に相談してみてください。配置換えやシフト調整など、転職せずに解決できる方法があるかもしれません。それでも状況が変わらなければ、転職を視野に入れましょう。

人間関係に問題がある

年代や業界問わず、転職理由としてよく挙げられるのが人間関係です。とくに調剤薬局の場合、狭い空間の中で同じ顔ぶれで働くことになり、一緒に働く同僚の良いところだけでなく悪いところもよく知ることになります。

その結果、人間関係に悩むこともあるでしょう。仕事に必要なコミュニケーション以外の接点を減らすことで改善できるかもしれませんが、そうした環境に身を置き続けることで精神的に追い詰められてしまいます。部署異動や勤務地変更など会社が迅速に対応してくれれば良いですがなかなか改善が進まなかったり今の職場や部署以外に働ける場所がなかったりする場合は、転職が現実的な選択肢になるでしょう

やりがいが感じられない

「調剤以外の事務仕事が多い」「このまま働き続けても昇進が期待できない」など、思い描いていた働き方とギャップを感じて現在の職場にやりがいを感じられなくなってしまうケースがあります。お金のためと割り切れればそれも有りですが、やりがいや楽しさを感じられない仕事を続けるのは苦しいもの。自分の理想が叶う職場が他にあるはずと、転職を考えてしまうのも無理はありません。

年収が割に合っていない

仕事内容の割に年収が低いと感じた時も、転職がちらつく瞬間の一つ。例えば、調剤薬局の場合、相場よりも処方箋枚数が多いのに、周りと比べて年収が低いこともあるでしょう。急性期病院で働く病院薬剤師の場合は、当直で身体的な負担が大きいこともあり、「いまの働き方でこの年収では生活が苦しい...」と感じて環境を変えたいと考えるようになる方もいらっしゃいます。

また、頑張って昇進しても、思ったより年収が上がらないと分かれば、その職場で働き続けるモチベーションも下がってしまうでしょう

労働条件にギャップがある

新卒の就活では就業経験がほぼない状態なので、労働条件を見ただけではイメージが湧きにくいのも当然。入社後に多少のギャップを感じるのは仕方ない部分もありますが、聞いていた労働条件と実態が大きく異なっている場合は、職場への不信感が高まります。この先の会社の方針や決定事項なども信頼ができない、希望が持てないとなってしまうと、転職を考えるきっかけにもなるでしょう。

20代での転職は有利?不利?

若いうちに転職をするのは印象が悪く、転職活動や今後のキャリアにデメリットがあるのではと考えてしまうかもしれません。しかし、20代で転職するメリットは実はたくさんあります。時間は有限ですから、転職を決めたら早めに行動に移すことが重要です。

ポテンシャル採用が期待できる

アピールできる経験やスキルが少ない20代ですが、これからの伸びに期待する「ポテンシャル採用」で採用してもらえるチャンスはあります。転職理由が前向きで、新しい職場でも貢献してくれそうだと判断してもらえれば、逆に若さが強みになるでしょう。

異業種にも挑戦しやすい

職場が違えばルールや考え方も変わります。新たに覚えることも当然多くなりますが、1社あたりの経験年数が少なく固定概念がない内は、新しい環境にも比較的馴染みやすいため、異業種への挑戦もしやすくなります。ただし、中には年齢制限の職種もあり、その筆頭が公務員薬剤師です。興味がある方は、出来るだけ早い内に調べて、対策を進めるのが良いでしょう。

薬剤師が20代で転職する時に注意すべき点

勤続年数が短い場合は不利になることも

ポテンシャル採用が期待できるとはいえ、「またすぐに辞めるのではないか」と懸念されてしまうなど、薬剤師が20代で転職する際に勤続年数の短さが不利になることもあります。

できれば最低1年は今の職場で経験を積むのをおすすめしますが、どうしても短期間で退職せざるを得ない場合は、前向きな転職理由を考えておくようにしましょう。

一時的に年収が下がる場合がある

スキルや経験の少ない20代は、転職直後に一時的に年収が下がる場合も。ゼロからのスタートになる異業種転職はよりその可能性に注意が必要です。

若手の内に新しい職場でスキルを身に付けキャリア形成ができれば、早い段階での昇給・昇進も期待できます。あまり今現在の年収額だけにとらわれすぎないようにしましょう

薬剤師が20代で転職を成功させるポイントとは

薬剤師が20代で転職を成功させるポイントとは

転職理由と目的を明確にする

転職をする理由や目的をしっかり持っておくことはとても重要です。「なぜ転職するのか」「薬剤師として目指したいキャリアとは」「どんな働き方がしたいのか」など、自身に問いかけて明確にしていきましょう。

前向きな理由で、ゴールに向かって計画的に転職活動をしていることが伝われば、面接でも良い印象を与えられます

希望条件を整理して優先順位を決める

目的を明確にしていれば、転職先に求める条件や優先順位も自ずと見えてきます。求人情報を探す際の検索条件やチェックする内容が絞られるので、転職活動も効率的に進められるでしょう。

年収以外の条件にも目を向ける

最初に提示されている年収額は目に見えて比較しやすいものですが、それ以外の条件も含めて総合的に判断したいところ。

例えば教育制度が整っている職場なら、地道にスキルアップすることで将来的な年収アップが期待できます。住宅補助や社員食堂などの福利厚生が充実している職場であれば支出を抑えることができるため、希望に届かない年収でも経済的に問題ないかもしれません。資格取得費用補助などの自己研鑽を支援する制度がある場合は、より安心してスキルアップに励めるでしょう。

また、業務内容以外のストレス要素になりうる職場の雰囲気や人間関係も重要なので、できる限り事前見学しておくのをおすすめします。

求人情報を見比べる・プロに頼る

納得できる転職のためには、さまざまな求人情報を比較することが必要です。ただ、まだ経験が浅く業界事情に詳しくない20代で自力で得られる情報には限りがあります。

そこで頼りたいのが、業界事情に詳しい薬剤師のための転職支援コンサルタント。求人を紹介してもらえるだけでなく、自身の適性や方向性について客観的な視点からアドバイスして貰うことができます。転職コンサルタントは、企業との日程調整や交渉などを代行してくれることも。転職活動は現職と並行して行う場合が多いため、スムーズに効率よく進めるためには、転職のプロの力を上手に活用しましょう。

転職で年収アップを狙うなら

薬剤師は他の業界の同世代に比べると高収入な職種です。全職種の20代前半の平均年収が約268万円、20代後半が約370万円なのに対して、薬剤師だけで見た際の平均年収は、20代前半で約378万円、後半が約473万円(※)となっています

※薬剤師20代の平均年収は、「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」より、薬剤師20代の現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で算出

とはいえ、実際働いてみると「業務負荷と年収が割に合わない」といった不満をもつこともあるでしょう。

転職で年収アップを狙うなら、資格や役職手当などの上乗せ要素も比較してみてください。エリアにこだわらない人は、給与水準が高い人材不足の地域も狙い目です。また、薬剤師の勤務先の中でもドラッグストアは比較的年収が高い傾向にあります。ただし、遅い時間や土日祝の勤務があったり調剤以外の業務も多かったりするので、人によってはハードに感じる面も。そういった勤務形態がどこまで許容できるか、自分の中で明確にしておくようにしましょう。

薬剤師が20代での転職でやってしまいがちな失敗パターン

転職する目的や求める条件が曖昧

転職の目的や希望条件があやふやだと、判断に迷って時間だけが過ぎてしまいます。焦りから詳細をよく調べずに応募をしてしまったり、不利な条件を承諾する・妥協で転職先を決めるといったことがあれば、転職活動が失敗する原因になりかねません。入社後にイメージとのギャップが大きくなり、結局また転職するという悪循環に陥る可能性もあります。

年収だけで判断してしまう

「少し不安な条件もあるけど、年収が他より高いから決めてしまおう」と収入だけを重要視して決めてしまうと、失敗する可能性が高まります。

確かに収入は大切ですが、雰囲気が悪くて働きづらい・対応する業務内容が多い・キャリアアップができないなど、ストレスを感じる職場ではいくら年収が高くても長く続けることは困難。前の職場と同じ理由でまた転職する・ストレスから働けなくなってしまう...といった事態になれば、転職活動にかけた時間が無駄になりかねません。

勤務条件や待遇面はもちろん、職場の雰囲気や先輩スタッフのキャリア・年齢層などのさまざまな視点で転職先候補をチェックしたうえで、総合的に判断するようにしましょう

事前の情報収集が足りない

求人票や会社情報だけで判断するのではなく、職場の口コミやSNSでの評価も調べてみましょう。ドラッグストアなど店舗勤務の場合はお店のレビューもチェックすると、お客様の視点から別の気づきがあるかもしれません。

他の職場で働く薬剤師の友人に話を聞くのもおすすめ。違うエリアや業種の生の声が聞ければイメージもしやすくなります。

充分にリサーチしたとしても、ネット検索や知り合いの話だけでは情報に偏りがある可能性も。よりリアルで有益な情報を得るために、転職支援のプロの力を借りることも検討しましょう。

"とりあえず転職"で進めている

「今の職場が嫌だから」と、とりあえず転職してしまうと、目的や条件も曖昧になり上手くいきません。合わない職場に転職してしまってまたすぐに辞めることになれば、「すぐに辞めてしまうのではないか」とその後の転職活動に不利な印象を与えてしまいます。

もちろん耐え切れないほどのストレスを感じている場合は、まずその環境から距離を置くことは大切です。しかし、「あの職場じゃなければどこでもいい」といった考え方ではなく、「次はこんな職場で、こんな働き方がしたい!」と前向きな理由を持って転職活動をすれば、自身にとって良い転職先に巡り合える可能性が高まります

20代薬剤師の転職成功事例集

20代薬剤師の転職成功事例集

転職活動の成功ポイントや失敗パターンを知っても、新しい環境への挑戦は不安がつきもの。ましてや20代での転職活動では、薬剤師の転職事情や、業界の働き方の変化やトレンドといった情報もつかみにくいのではないでしょうか。

おすすめなのが、薬剤師の転職支援サービスを活用すること。特に、医療業界選任のコンサルタントがいると、より薬剤師を取り巻く環境に理解が深いでしょう。ここでは、薬剤師の転職支援サービス「ファルマスタッフ」での転職成功事例をご紹介いたします。

薬剤師の転職活動には、求人誌や求人サイト、企業のWebサイトなどを通じて自身で求人に応募する直接応募、転職コンサルタントを通した応募などさまざまな方法があります。直接応募の場合は自身で情報収集から応募、企業とのやり取りを行う一方で、転職コンサルタントを介した転職活動では、これらの選考過程に発生する作業の多くを代理で行ってくれます

転職事例1:趣味の時間の充実とキャリアを両立(27歳・女性)

転職前は残業が月30時間以上あり、それが体調を崩す原因に。パートナーとの同棲を機に転居をすることになり、転居先近くの店舗への異動を考えていましたが、残業などの勤務環境は変わらないとわかり転職活動を始めました。

ファルマスタッフさんからは、休みの取得がしやすく、かつ興味があった在宅医療や病院勤務ができる転職先を3社もご紹介いただけました。比較検討の結果、今後のキャリア形成も考えて、病院薬剤師を経験できる会社を選ぶことに。

ライフワークバランスが取れる転職先を紹介いただいて、薬剤師としてのキャリア形成だけでなく、パートナーとの共通の趣味の時間も大切にできています。

転職事例2:趣味の時間の充実とキャリアを両立(27歳・男性)

転職前の職場に少し不満があったときに、相談会に参加させていただいたのが最初のきっかけです。その時は転職を決めなかったのですが、職場への不満が大きくなったときに転職活動をスタート。

働いている薬剤師のモチベーションが高く、人数体制がそろっていること、そして患者様のために働ける環境を希望していたのですが、ファルマスタッフさんにまさにぴったりの職場を紹介いただけました。実際に働き始めた後も面接時に受けた印象とギャップがなく、モチベーション高く働けています。10店舗以上運営している会社のため、5年後10年後のキャリア形成も考えることができ、転職を決意して本当に良かったと思いました。

転職支援サービス毎にさまざまな特徴があるので、まずは調べてみることをおすすめします。ファルマスタッフのように、転職相談から面接対策など、入社までのすべてのサービスが無料でご利用いただけるサービスもあります。

初めての転職で不安や悩みを抱える20代薬剤師の方、一人で悩む時間も大切ですが、時間は有限です。効率的に進めるため、かつより広い視野で将来を考えるため、"他人の力を借りて"転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。

ファルマラボ編集部

「業界ニュース」「薬剤師QUIZ」 「全国の薬局紹介」 「転職成功のノウハウ」「薬剤師あるあるマンガ」「管理栄養士監修レシピ」など多様な情報を発信することで、薬剤師・薬学生を応援しております。ぜひ、定期的にチェックして、情報収集にお役立てください。

記事掲載日: 2023/02/02

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