- 公開日:2020.12.28
- 更新日:2025-04-09
薬剤師の年収は低いの?薬剤師のお金事情と年収アップの方法

薬剤師は医療に欠かせない専門職として認知され、一般的に「高年収」のイメージをもたれています。しかし、実際に働く薬剤師からは「思っていたより年収が低い」という声も少なくありません。
現在の年収や待遇に満足できていない方や、転職を考えている方にとって、自身の年収について理解を深めることは重要です。
本記事では、薬剤師の年収の実態や、他の医療職との比較や年収アップの具体的な方法を解説します。
薬剤師の年収は低いの?他の医療系職種と比較して解説

薬剤師の年収について、統計データを基に詳しく見ていきましょう。まずは平均年収を確認し、その後、他の医療職との比較を通じて、薬剤師の年収の特徴を分析します。
一般的に薬剤師の年収は高い?それとも低い?
厚生労働省の『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、薬剤師の平均年収は577.9万円(給与501.0万円、賞与76.9万円)です。全業種の平均年収である459.5万円と比較すると、約120万円高い水準です。
しかし、この数字を単純に「高年収」と評価することはできません。同じ薬剤師であっても、業種や地域などによって年収が大きく異なることもあります。そのため、働く環境によっては、年収が低いと感じてしまうことがあるかもしれません。
他の医療職との比較
薬剤師の平均年収は、他の医療系職種と比較するとどうでしょうか。医療系職種の平均年収は、以下の通りです。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 医師 | 1436.5万円 |
| 薬剤師 | 577.9万円 |
| 看護師 | 508.2万円 |
| 臨床検査技師 | 508.5万円 |
| 栄養士 | 390.2万円 |
薬剤師の平均年収は、同じ6年制教育を受ける医師と比較すると、半分以下となります。一方で、他の医療系職種と比較すると高い水準にあることが読み取れます。
※平均年収は、『賃金構造基本統計調査』の「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」によって算出しています。
薬剤師で年収1000万円は可能?働き方とキャリアアップのコツを解説
なぜ薬剤師は年収が「低い」と感じるのか
薬剤師の中には「年収が低い」と感じている方も少なくありません。その要因には、どのようなものがあるのでしょうか。
初任給は高めでも、昇給がゆるやか
薬剤師の給与の特徴として、初任給は高めに設定されているものの、その後の昇給幅はゆるやかな傾向にあります。
20代では他の職種に比べて高年収が期待できますが、30代以降になると他の職種との年収差が縮まっていると感じることもあるかもしれません。
| 年齢 | 平均年収 |
|---|---|
| 25~29歳 | 470.6万円 |
| 30~34歳 | 554.1万円 |
| 35~39歳 | 648.2万円 |
| 40~44歳 | 624.1万円 |
| 45~49歳 | 612.9万円 |
| 50~54歳 | 690.0万円 |
| 55~59歳 | 723.7万円 |
| 60~64歳 | 571.0万円 |
| 65~69歳 | 603.7万円 |
| 70歳~ | 492.6万円 |
※平均年収は、『賃金構造基本統計調査』の「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」によって算出しています。
資格取得までの難易度に対し年収が低いと感じる
薬剤師の資格を取得するためには、薬学部に入学して難関の国家試験に合格しなければなりません。学生時代には国家試験の勉強に時間を割く必要があり、その負担や難易度に対して年収が低いと感じることもあるかもしれません。
さらに、私立大学では学費が1,000万円を超える場合が多く、浪人や留年の可能性もあり、多額の奨学金を借りている方が少なくありません。奨学金の返済のために、自由に使えるお金が少なくなることも、年収が低いと感じる要因になるでしょう。
他の薬剤師と比べて年収が低いと感じる
同じ薬剤師でも、調剤薬局やドラッグストア、病院といった業種や、勤務する地域などによって、年収が大きく異なる場合があります。そのため、他の職場で働く薬剤師と比べた際に、現在の年収が低いと感じることもあるかもしれません。
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▼参考資料はコチラ
令和5年賃金構造基本統計調査|政府統計の総合窓口(e-Stat)
薬剤師の年収アップの方法とは?

年収アップを実現するためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。ここでは、3つの方法について解説していきます。
キャリアアップで年収アップを目指す
薬剤師が年収を上げる方法の一つに、キャリアアップがあります。管理薬剤師やエリアマネージャーなどのポジションに就くことで、基本給のアップや、手当の支給が期待できます。
これらのポジションに就くためには、実務経験に加えて、マネジメントスキルや経営的な視点も求められますので、キャリアアップを目指して準備を進めておくとよいでしょう。
資格の取得などの自己研鑽を行う
研修認定薬剤師や各種専門薬剤師など業務に役立つ資格を取得することによって、他の薬剤師との差別化を図り、年収アップが実現できる場合があります。たとえば、小児薬物療法認定薬剤師や、がん専門薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師などを取得すると、会社からの評価に加えて、患者さまへの質の高い医療サービスの提供にもつなげることができます。
認定薬剤師資格の取り方とは?資格取得の時間を作る方法や転職におすすめな資格も紹介
転職で年収アップを目指す
現在の職場での年収アップが難しい場合には、転職を検討するのも一つの選択肢です。地域や業種によって年収が大きく異なることがあり、勤務地の変更や業種転換も視野に入れると、大幅な年収アップが見込める場合もあります。
まずは、同年代・同業種・同エリアの給与相場を調べ、転職で給与アップが可能かを検討してみるのがおすすめです。転職コンサルタントを活用すると、給与相場や年収アップが可能な職場に関して、効率的に情報を得ることができるでしょう。
薬剤師の年収が低いわけではない!年収アップのためにできることを考えよう
本記事では、薬剤師の年収の実態や、他の医療職との比較や年収アップの具体的な方法を解説しました。
薬剤師の平均年収は、一般的な職種や、医師を除く医療従事者の中でも高い水準にあるといわれています。自身の年収が平均よりも低く、待遇などに不満がある場合には、年収アップを目指して行動してみるとよいでしょう。
地域や業種によっても年収は異なりますので、薬剤師の転職動向に詳しい転職コンサルタントなどを上手に活用し、希望に合った職場選びを行いましょう。
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