薬剤師の年収は低いの?薬剤師のお金事情と年収アップの方法
薬剤師は一般的に高収入のイメージがありますが、年収が低いと感じている方も少なくありません。また、同じ薬剤師であっても、職場の地域や業種によって年収が大きく異なるということもあります。
現在の年収や待遇に満足できていない方や、理想の職場への転職を考えている方にとって、自身の年収について理解を深めるのはとても重要です。
この記事では、薬剤師の年収やほかの医療職との比較、地域別の年収に加えて、年収アップの方法について解説していきます。
薬剤師の年収が「低い」と感じる原因は?
実際に薬剤師の資格をもって働く方のなかには、「薬剤師の年収が低い」と感じている方も少なくありません。その要因には、どのようなものがあるのでしょうか。
初任給は高めでも、昇給がゆるやか
薬剤師の年収が低いと感じる要因のひとつに、年収の上がりにくさがあげられます。調剤薬局や病院は一般企業に勤めている場合と比較して、昇給スピードがゆるやかな傾向にあるのです。20代においては、そうした一般的な職種に比べて高額の年収が期待できますが、30代になるとその差は埋まり、40~50代では追い抜かれてしまうというケースもめずらしくありません。
ほかの医療職と比べると低いと感じる
国家資格である薬剤師は、6年制の大学に通わなければ資格を取得できません。しかし、同様の国家資格である医師に比べると給与面では見劣りすることが多く、薬剤師の年収が低いと感じてしまうケースがあります。また、有資格者以外でも、製薬会社のMRやCRAなど、薬剤師が関わる業種や職種が高額年収であることも要因のひとつでしょう。
資格取得までの難易度に対し年収が低いと感じる
薬剤師の資格を取得するためには、薬学部に入学して難関の国家試験に合格する必要があります。浪人や留年のリスクも高く、学生時代も勉強漬けであることがほとんどです。さらに、私立大学では1,000万円を超える学費が必要となる場合も多く、多額の奨学金を借りている方も少なくありません。奨学金の返済が負担となり、実際の年収よりも使えるお金が少ないことも、年収が低いと感じる要因のひとつです。
薬剤師の年収は低いの?ほかの医療系職種との比較や地域別の年収傾向
世間一般的な水準との比較や、ほかの医療職との比較に加えて、業態別・都道府県別の平均年収についてみていきましょう。平均年収は、所定内給与額(月給)×12に年間賞与その他特別給与額を加えた金額を用いています。
一般的に薬剤師の年収は高い?それとも低い?
政府が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は561.6万円(給与478.3万円、賞与83.3万円)と公表されています。国税庁の「民間給与実態統計調査(平成30年度)」によると、全業種の平均年収は441万円であることから、世間一般からみた時の平均年収は比較的高額であることが読み取れます。
しかし、平均年収は高い水準にあるものの、他学部の4年制大学卒に比べると新卒入社から定年までの期間が短いことや、6年間に必要となる学費も高額であることから、生涯年収は低い傾向にあります。また、調剤薬局や病院などの医療施設は経営規模が小さく、退職金が一般企業に比べると少ないケースも...。そのため所属する職場によっては、年収が低いと感じてしまうことがあるかもしれません。
ほかの医療系職種との比較
先のデータより、薬剤師の平均年収は561.6万円であることが読み取れましたが、ほかの医療系職種と比較した場合はどのようになるのでしょうか。同様に「令和元年賃金構造基本統計調査」から算出したそれぞれの職種の平均年収は、以下の通りです。
医師 | 年収1169.2万円 |
薬剤師 | 年収561.6万円 |
看護師 | 年収482.9万円 |
臨床検査技師 | 年収461.2万円 |
栄養士 | 年収366.5万円 |
それぞれの職種の平均年収を比較したところ、同じ6年制国家資格である医師と比べると、倍以上の開きがあることがわかります。しかしながら、ほかの医療系職種と比べると薬剤師の平均年収は比較的高額であり医療従事者全体でみると高い水準にあることが読み取れます。
業態別・都道府県別の平均年収から紐解く
薬局・病院・ドラッグストアの平均年収を県ごとに算出(※)したところ、薬局の上位は、1位山梨県682万円、2位静岡県637万円、3位三重県635万円。病院の上位は1位秋田県600万円、2位青森県583万円、3位佐賀県578万円。ドラッグストアの上位は1位秋田県699万円、2位青森県682万円、3位山形県663万円でした。
※2020年5月時点のファルマスタッフ掲載求人をもとに算出 ※一部地域を除きます
薬剤師の平均年収の一般的な傾向として、「ドラッグストア>薬局>病院」であるといわれていますが、こちらのデータでもドラッグストアの平均年収は高く、病院の平均年収は比較的低い傾向にあることがわかります。
また、地方が必ず都市部よりも高いというわけではありませんが、医療需要に対して人手が不足しやすい地方では、平均年収が高くなるケースがみられます。地域や業種によっても年収に大きな違いが出るのは、薬剤師という職種の特徴のひとつです。
もっと年収を上げたい!年収アップの方法とは?
年収アップを目指したいと考える薬剤師は多いものですが、年収アップを実現するためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。ここでは、3つの方法について解説していきます。
キャリアアップや業種転換で年収アップを目指す
薬剤師が年収をアップさせる方法のひとつに、キャリアアップがあります。管理薬剤師や薬局長などのポジションに就くことで、大幅な昇給が目指せます。また、ドラッグストアや製薬企業など、年収水準の高い業種に業種転換するのも年収をアップさせる方法としておすすめです。
資格の取得などの自己研鑽を行う
研修認定薬剤師や各種専門薬剤師など業務に役立つ資格を取得によって、ほかの薬剤師との差別化を図り、年収アップが実現できる場合もあります。たとえば、小児薬物療法認定薬剤師や漢方薬・生薬認定薬剤師制度を取得して、服薬指導のスキルを高めることもおすすめです。
転職で年収アップを目指す
現在の職場での年収アップが難しい場合には、転職を検討するのも有効でしょう。地域や業種を加味した転職先を探すことで、大幅な年収アップが見込める場合もあります。仕事をしながら自身のキャリアやスキルに合った職場を見つけるのは困難であるため、転職の際は薬剤師専門の転職コンサルタントに相談するとよいでしょう。
薬剤師の年収が低いわけではない!年収アップのためにできることを考えよう
この記事では、薬剤師の年収や他の医療職との比較、地域別の年収に加えて、年収アップの方法について解説していきました。
薬剤師の平均年収は世間一般と比べると高く、医師を除く医療従事者のなかでも高い水準にあるといわれています。自身の年収が平均よりも低く、待遇などに不満がある場合には、年収アップを目指して行動してみるとよいでしょう。
地域や業種によっても年収に大きな違いが出るため、業界に詳しい薬剤師専門の転職コンサルタントなどを上手に活用し、希望に合った職場選びを行いましょう。
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