- 公開日:2020.01.21
パート薬剤師と派遣薬剤師の違いは?働き方や待遇を比較
薬剤師として働いていく中で、結婚や子育てなどを理由にフルタイムで働くことが難しくなる場合も少なくありません。そんなとき、「パート薬剤師」や「派遣薬剤師」という働き方が選択肢にあがるのではないでしょうか。しかし、パート薬剤師と派遣薬剤師の違いが分からず、どちらを選択すべきなのかを悩む方もいるでしょう。
そこでこの記事では、【パート薬剤師と派遣薬剤師の違い/給与や福利厚生の特徴】についてご紹介していきます。
- 「働き方」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
- 「給与」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
- 「福利厚生」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
- 「人間関係」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
「働き方」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
パート薬剤師と派遣薬剤師は、契約内容や雇用形態がそれぞれ大きく異なる働き方です。
パート薬剤師は、就業先の企業に直接雇用されます。雇用主であり就業先でもある企業から、直接給与を受け取るのが特徴です。勤務時間や出勤日数は契約の段階で選べますが、職場の運営に無理のあるシフトは受け入れられないことをが多いのでご注意ください。週1~4日の勤務が基本で、一度決めると毎週同じスケジュールで出勤することになります。
一方で、派遣薬剤師は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社の指示により派遣先企業で働きます。雇用主はあくまでも派遣会社であるため、給与は派遣会社から受け取ります。一度きりの単発派遣や期間を定めた有期派遣など様々な働き方があり、勤務時間や出勤日数をコントロールできるのが特徴です。
「給与」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
パート薬剤師と派遣薬剤師の最大の違いは、給与にあると言われています。
「平成29年賃金構造基本統計調査」における「短時間労働者・職種別」によると、薬剤師パートの平均時給は2,390円と発表されています。その他特別給与額は67,200円で、年間の総支給額は230.5万円と、一般的なパートに比べると高給与であることが分かります。
派遣薬剤師を対象とした統計はありませんが、時給3,000円前後の求人は少なくなく、中には時給4,000円を超えるものも見つかります。このように、パート薬剤師に比べて時給が高めに設定されていることがほとんどです。勤務時間や出勤日数の調節も容易なので、空いた時間に勤務を増やすと、給与アップを目指せるでしょう。
特に冬場など、薬剤師が不足する繁忙期には、高額の求人が出やすい傾向にあります。繁忙期以外も、交通アクセスの悪い僻地、薬剤師の少ない地方へ派遣されると、高い時給を提示されることがあるでしょう。基本的には忙しい職場に派遣されるため、体力的に負担は強いられますが、給与重視の方にはおすすめです。
「福利厚生」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
パート薬剤師と派遣薬剤師では、福利厚生も異なります。
パート薬剤師は、就業先の企業に直接雇用されるため、就業先の企業の福利厚生を受けられます。大手ドラッグストアや調剤チェーンで働く場合は充実した福利厚生が期待できるでしょう。反対に、個人薬局や小規模チェーンでは、福利厚生が整っていない場合も。パート求人を探す際は、就業先の福利厚生をよく確認することをおすすめします。
一方で、派遣薬剤師は派遣会社の社員であるため、派遣会社の福利厚生を受けることになります。派遣先企業の福利厚生を受けられないことが殆どですので、覚えておきましょう。しかし、大手派遣会社であれば、福利厚生が整っていることも多くあります。パート薬剤師よりも手厚い福利厚生を受けられる場合もあるでしょう。
また、平成28年10月1日から、厚生年金保険・健康保険の加入要件が「週30時間以上労働」から広がりました(政府広報オンライン「パート・アルバイトの社会保険加入対象」)。さらに、平成29年4月からは、従業員500人以下の企業で働く方も、労使間の合意があれば社会保険に加入できるようになりました。より良い環境下で働くためにも、パート薬剤師として働いている方は職場に確認してみるのがおすすめです。
「人間関係」におけるパート薬剤師と派遣薬剤師の違い
パート薬剤師と派遣薬剤師を比較する際のポイントの一つに、職場の人間関係があります。
パート薬剤師は直接雇用のため、基本的には同じ職場で働き続けることになります。異動や転勤も原則なく、同じスタッフとずっと一緒に仕事をしてい働かなければなりません。相性の合わない同僚や上司がいる場合は、大きなストレスを感じてしまうこともあるでしょう。
一方で、派遣薬剤師は様々な職場で働くため、人間関係に縛られることはありません。合わないスタッフがいたとしても契約期間を終えるまでの辛抱です。万が一、人間関係のトラブルに発展した場合も、派遣会社が間に入って解決してくれることがあります。仕事とプライベートをしっかり分けたい方には、メリットのある働き方でしょう。
小さな子どものいる薬剤師は、保育園の送り迎えなど決められた退勤時間に帰宅したいと考えるものです。しかし、パート薬剤師として働くと、人間関係を考えるあまり、残業の依頼を断れないケースもみられます。派遣薬剤師では、そうした事情にとらわれることなく、決められた時間のみ働くことができるので、家庭を優先したい薬剤師にもおすすめです。
自分のライフスタイルに合った"働き方"を選択しよう
本記事では、パート薬剤師と派遣薬剤師の違いについて解説しました。薬剤師は柔軟な働き方ができる職種であり、雇用形態も正社員・パート・派遣と様々です。派遣薬剤師という働き方は、多くの方に認知されるようになりましたが、パート薬剤師と派遣薬剤師の具体的な違いはまだ知られていません。
具体的に転職を検討している方は、パート薬剤師と派遣薬剤師の両方を扱う人材サービス会社に相談することをおすすめします。自分自身のライフスタイルやキャリアプランを見つめ直し、自分らしく働く方法を見つけましょう。
ファルマラボ編集部
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