キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2023.09.29

薬剤師の転職は何年目が有利?成功させるポイントとは【若手薬剤師向け】

薬剤師の転職は何年目が有利?成功させるポイントとは【若手薬剤師向け】

職場でのストレスやキャリアアップ、ワークライフバランスの実現のためなど、薬剤師が転職を考える理由はさまざまです。

とくに若手のうちは経験年数を重ねるごとに職場にもとめるものも変化していくため、タイミングによって転職の傾向や成功ポイントが異なります。

この記事では、経験年数別の転職傾向や薬剤師の転職に有利な経験年数、転職を成功させるポイントなどを解説していきます。

【経験年数別】薬剤師の転職理由と傾向

【経験年数別】薬剤師の転職傾向

まず、1年目から4年目以降まで、経験年数別の転職理由と傾向にどのような違いがあるのか見てみましょう。

1年目でも転職の理由次第で転職は可能

新卒で入社するときは、経験がなく職場の環境を具体的にイメージすることができません。そのため1年目の薬剤師は、「思っていた職場と違う」「教育体制が整っていなかった」「人間関係が合わない」などのミスマッチが原因で転職を考える方が多いようです。

しかし、一般的には同じ職場で3年以上働いてから転職をすることが理想とされています。就職したばかりで早々に転職をするとなると、理由によっては転職活動が難しくなることは覚えておきましょう。

ただし、次のようなケースでは、比較的転職先が見つかりやすい場合があります。

職場環境の変化などの会社都合

(例)経営悪化による業務縮小や店舗売却

転居などの一身上の都合

(例)結婚や介護による転居

勉強できる環境を求めての前向きな理由

(例)在宅医療にチャレンジしたいなど

2年目の転職は慎重に検討することが大切

薬剤師2年目の方は、1年目と同様に、職場環境のミスマッチや人間関係が原因で転職を考える方が多い傾向があります。

社会人や薬剤師としての経験が浅いため、経験者を募集している職場への転職は難しいでしょう。第二新卒を求めている職場が主な転職先となります

即戦力となる3年目は転職に有利

薬剤師3年目にもなると後輩を教える立場になり、職場の中心的な役割が増え、責任感や仕事量が大きくなっていきます。また、仕事に慣れてきて今後のキャリアプランを考えなおす方も多い時期です。

薬剤師3年目の転職は、1~2年目より経験があるため即戦力とみなされ、積極的に採用される可能性も高まります。

4年目以降はキャリアアップや収入アップを目的とした転職が可能

同じ職場で4年目を迎える頃には一通りの仕事を経験し、管理薬剤師などの管理職についている場合もあります。既に認定薬剤師などの資格を取得している方も多いでしょう。

スキルアップや、現状の条件(待遇面・給与など)に不満がある方など、初めての転職を意識する方が増えてくるタイミングでもあります。

薬剤師としての実務経験が4年を超えたこのタイミングは、即戦力として転職における市場価値が高まります

求人者は、薬局運営を任せられる管理薬剤師や、エリアマネージャー候補など、将来性を実務経験4年目の役職者に求めているケースが多い印象です。

役職をすぐに任せられる人材として優遇されるため、キャリアアップや年収アップも狙いやすくなります。上記の観点から転職市場においての価値は非常に高く転職に適したタイミングだと言えるでしょう。

経験とスキルのある、キャリア4~5年目の転職が有利

転職に有利なのは、経験とスキルのある4~5年目

他業種と比べると比較的転職しやすい薬剤師ですが、やはり経験年数があると自分の希望に合った職場へ転職しやすくなります。

実際に弊社でも日頃から転職のサポートをさせていただく中で、薬剤師キャリア4~5年目の求職者から、このタイミングを一区切りとして転職を考える方がほとんどです。

「もし自分が良いと思える求人があるのであれば転職をしたい」という薬剤師の方を多く見られます。

経験年数ごとの転職リスクとは?

1~2年目の場合

薬剤師として経験が浅い1~2年目の転職は、慎重に検討する必要があります。

職場環境や人間関係に問題があったとしても、職場を変えることで解決するかどうかは判断ができません。勢いで転職しても「想像していた環境と違う」となれば、転職を繰り返すことになりかねません。

短期で離職や転職を繰り返せば、「またすぐに辞めてしまうのではないか」と採用担当者にマイナスのイメージを与えてしまう場合もあります。

本当にやりたい仕事や働きたい職場を希望する場合、転職することができなくなり、今後のキャリアに悪影響を及ぼすことにもなるでしょう。

薬剤師1~2年目で転職を考える場合は、まず「本当に職場を変えるべきなのか」「転職せずに問題を解決できないのか」を慎重に検討していきましょう。

3~5年目の転職リスクとは?

薬剤師としての経験が3~5年もある中で転職することは慣れ親しんだ環境から離れて、新しい職場で活躍するということです。

どんな場所でも対応できる「順応性」がとても大切になります。

今まで培ってきた経験・知識は消す必要はありませんが、新たな組織に後から入るからには、その色に馴染むことを考えて入社する必要があります。

前の会社と比較したい気持ちは自然と起こりやすいものですが、 「この会社はこのように物事を進めるんだな」と理解しようとすることが大切です。

「前職はこうだった」などと反発せず、転職先ではまず聞く耳を持ち、その中で自分の考えや意見を少しずつ出していきましょう。

収入アップだけに焦点をあてない。

20代でキャリア3~5年目の方は転職が初めてという方がほとんど。

転職のメリット・デメリットを必ず慎重に判断する必要があります。

例えば、「給与が上がるから転職しよう」という、自分にとって都合の良い話の一点だけに焦点をあてるのではなく、「残業はどのくらいあるか」「休日はしっかり取れるのか」など、転職後の目的、イメージを考えたうえで最終決定をする必要があります。

転職の「良い点・悪い点」をしっかり考えてから決断し、周囲にしっかりと相談することが重要です。

【経験年数別】転職活動時の注意点と成功のポイント

薬剤師の経験年数が1年目から4~5年目以降の方に対して、転職活動時にとくに注意すべき点と成功のポイントについてまとめます。

1年目の転職では前向きな転職理由を伝える

1年目で転職を考えている薬剤師に対し、採用担当者が気にしていることが「転職理由」です。

「同様の理由で辞めてしまわないか」「採用するからには長期的に働いて欲しい」と考えているため、転職理由は担当者も納得のいく理由でなければなりません。

転職のきっかけには「人間関係がストレスだった」「教育体制に不満があった」といったネガティブな理由があげられがちです。しかし、職場を変えれば必ずこれらの問題が解決するとは限りません。

「採用しても別の不満が出てきたら辞めてしまうのではないか」と捉えられてしまう恐れもあるため、たとえきっかけがネガティブなものであったとしても、実際に転職活動を始める場合は、ポジティブな退職理由に変換して意欲や向上心を転職先に伝えることがポイントとなります。

2年目は転職先の条件を妥協しない

2年目の転職も1年目と同様、ネガティブな理由で転職を考えている場合でも、ポジティブな退職理由を伝えることが大切です。

また、「教育体制が整っていなかった」という理由で転職をしても、転職先で新卒向けの研修に参加できないケースもあります。そのほかにも2年目は実務経験が少ないため、条件面で交渉がしにくい点も懸念されます。

せっかく転職しても条件が悪くては長く続けることが難しくなるので、転職先の環境や条件をリサーチし、複数の企業を比較検討しましょう。いくら経験が少ないからといっても、現状より悪い雇用条件で契約しないよう気をつける必要があります。

3年目はこれからのキャリアプランを明確にする

3年目は即戦力として市場価値が上がりはじめますが、どのような転職先にするかを事前にしっかりと定めておく必要があります。

薬剤師としての経験が積み重なってきた3年目は、今後薬剤師としてどのようなキャリアを歩んでいきたいかが見えてくる時期です。そのため、今後のキャリアプランを明確にして転職活動に臨むことで、なりたい薬剤師の姿に近づくことができるでしょう。

また、転職先を選ぶときには、さまざまな職場を比較検討することも重要です。自分の希望や意向に合う職場を選ぶようにしましょう。

4~5年目以降は今までの実績やスキルをいかす

薬剤師としての市場価値がもっとも高くなる4~5年目以降は、薬剤師スキルや管理者の経験、認定薬剤師などの資格といった実績をアピールしていくことが成功のポイントとなります。

そもそも転職歴も少ない人材が多いため、「前向きに採用したい」と判断する求人側の意見も耳にします。

一方で、社会人になってから数年が経ち、生活面での変化も出てくるタイミングです。

今後のキャリアを考えたり、結婚や出産などのライフイベントをきっかけにワークライフバランスを見直したりする方も増えてくる時期でもあります。

薬剤師として「どのようになりたいのか、働き方はこのままで良いのか」などを整理したうえで、転職先を考えると良いでしょう。

「薬剤師キャリア4~5年目」が転職市場において市場価値が高いと伝えましたが相場以上の条件での採用・求人には、それなりの理由があります。

上記記載の通り無謀な年収UP・勤務条件での転職はリスクを伴い、「職場の風土や環境が自分に合っているのか」を判断するうえでも複数社の面接を併願し、比較検討することが大切です。

通勤・勤務時間・年収などの希望条件をすべて満たすことは難しいため、あらかじめ優先順位をつけておくことも転職を成功させるための重要なポイントです。

経験年数で転職のポイントは変わる。転職コンサルタントを活用して転職を成功させよう

この記事では、薬剤師の経験年数ごとに、転職の傾向と成功ポイントを解説しました。薬剤師はほかの職業と比較して転職しやすいですが、実務経験によって転職の傾向や成功ポイントが変わってきます

転職活動は学生時代の就職活動とは異なります。現在の職場環境や自分のキャリアを客観的に見て、自分に合った職場を探すことはなかなか大変でしょう。

だからこそ希望条件をヒアリングし、転職先の提案や、書類作成・面接のアドバイスまでサポートしてくれる薬剤師専門の転職コンサルタントに相談することがおすすめです。

転職コンサルタントと擦り合わせをしていくことで、転職に関するノウハウだけでなく、薬局業界や企業に関する情報についても詳しく教えてくれます。

転職活動に悩まれている方はぜひ気軽に相談してみてくださいね。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2023/09/29

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