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  • 公開日:2019.09.03

『メディカルアロマセラピスト』とは?資格の取得方法や活躍場所を徹底解説【薬剤師の資格入門】

『メディカルアロマセラピスト』とは?資格の取得方法や活躍場所を徹底解説【薬剤師の資格入門】

リラクゼーション効果や自然治癒力の向上などを目的に、代替医療として注目を集めている「メディカルアロマセラピー」。睡眠促進や筋緊張の緩和などの効果が認められ、がん患者や妊産婦に対する治療に取り入れられることが増えてきています。

そこでこの記事では、【メディカルアロマセラピストの概要/メリット/活躍の場】などについてご紹介します。

代替医療のひとつを担う『メディカルアロマセラピスト』

アロマを調合する人のイメージ

メディカルアロマセラピーは、リラクゼーションを目的とした一般的なアロマセラピーとは異なります。こころやからだの不調、機能改善を目的とした代替医療。病院や福祉施設をはじめとする医療現場などに取り入れられており、処置を行うのが『メディカルアロマセラピスト』です。

この資格は、様々な団体が認定しており、国際資格や認定資格など多数の種類があります。ここでは、特に有名な3つをご紹介しましょう。

ICAA認定メディカルアロマセラピスト

「インターメディアリー・クリニカル・アロマセラピー協会(ICAA)」認定の資格です。ICAAの正会員になり、ICAA主催またはICAA認定校にて、ICAA認定メディカルアロマセラピストコース(最低24時間・12レッスン)を受講。その上で、認定試験に合格すると、『ICAA認定メディカルアロマセラピスト』として晴れて認定されます。

アロマ・リンパ・マッサージの基礎的な技術を習得し、ミニセミナーの開催やICAA認定校セミナーの助手もできる資格です。

メディカルアロマセラピスト

メディカルアロマセラピーなど統合医療に関する医療系資格を扱う、「特定非営利活動法人日本統合医学協会」認定の資格です。これは、医療機関などで使える技術と知識の修得を証明するもの。医療行為では取り除ききれない心身の痛みや不安をはじめ、認知症患者やその家族が抱える苛立ちやストレスの軽減に貢献する、安心感や安らぎを与えられるメディカルアロマセラピストとして活躍できます。

日本メディカルアロマテラピー協会 認定アドバイザー

「日本メディカルアロマセラピー協会(JMAA)」認定の資格です。調合師の知識が得られるだけでなく、JMAA会員としてカルチャースクールやボランティアの主催も可能。初級基礎講座および初級応用講座を修了し、アドバイザー資格試験に合格することで取得できます。上位資格『認定スペシャリスト』の資格要件ということもあり、人気の高い資格です。

メディカルアロマセラピストは薬剤師と好相性

ハートをもつ薬剤師のイメージ

従来の医療は対症療法が中心で、薬剤師の役割は安心安全な医薬品の使用サポートでした。しかし、現代の医療では、ヨガ・ピラティス・メディカルアロマセラピーなどを組み合わせた統合医療が注目されるように。薬剤師の役割も変わりつつあります。

そうした中で、『メディカルアロマセラピスト』は、疾患を抱える患者さまを対象に施術を行える資格です。また、日ごろの服薬指導やセルフメデュケーションにも、学んだ知識を活かすことが出来れば他の薬剤師との差別化にも繋がるでしょう。

この資格を取得するには、基礎医学や心理学などの専門知識が必要です。しかし、薬剤師は高度な医薬品の専門知識に加え、幅広い領域の医学知識を有していることから、『メディカルアロマセラピスト』との相性は良好と言えます。

医療現場以外にも広がる活躍のフィールド

患者様と会話する薬剤師のイメージ

近年、様々な医療現場において、メディカルアロマセラピーなどの代替医療が取り入れられるようになりました。

たとえば、心療内科や精神科では気分障害やうつ症状の補助的療法として、産科や婦人科では月経前症候群(PMS)や更年期症状、出産前の緊張の緩和療法に用いられます。西洋医学を補完する目的で、導入が進むのではと考えられているほどです。

導入が進むのは医療現場だけではありません。アロマセラピーによる施術を行うリラクゼーションサロン、アロマを用いた自然療法に関する市民講座など、様々な場所でメディカルアロマセラピーが用いられるようになっていくのではないでしょうか。

『メディカルアロマセラピスト』を取得すれば、上記で述べた様々な場所で活躍できるようになります。もちろん、服薬指導といった普段の業務であっても、アロマセラピーの知識を活かせば、薬物治療の効果を高めていくことができるでしょう

こころのケアまで期待できるアロマの効果とは

調合されるアロマのイメージ

メディカルアロマセラピーには、本来備わっている自然治癒力を高め、体の内側から不調を治していく働きがあります。睡眠促進や筋緊張の緩和、疼痛の改善などの直接的な効果だけでなく、西洋医学ではフォローしきれないメンタルのケアにも効果が期待されています。

また、エッセンシャルオイルには、リラクゼーション効果のほか、抗不安作用・鎮静作用・抗炎症作用・抗菌作用・抗ウイルス作用・性ホルモン作用なども報告されています。未解明な部分も多く補完的な治療方法にとどまっていますが、今後の応用にも注目しましょう。

これからより注目が集まるメディカルアロマセラピー

【メディカルアロマセラピストの概要/メリット/活躍の場】についてご紹介しました。

高齢化が進む日本では、健康寿命を延ばす観点からもメディカルアロマセラピーをはじめとした代替医療が注目されています。日々ストレスにさらされる現代人のこころやからだのケアにも、アロマは力を発揮するでしょう。

アロマセラピーの知識を習得すれば、薬物治療と組み合わせた複合的な治療提案が可能に。自らのキャリアアップにも繋がりますし、活躍の場面も広がると考えられているので、今のうちから資格の取得を目指してみることをおすすめします。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2019/09/03

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