業界動向
2021.03.03

薬局の「0410対応」の流れ。オンライン服薬指導との違いも解説

薬局の「0410対応」の流れ。オンライン服薬指導との違いも解説

新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、薬局業界にも様々な変化が起こっています。そのなかでも大きなインパクトだったのが、「0410対応」ではないでしょうか?

この記事では、「0410対応」の概要と改正薬機法において定められている「オンライン服薬指導」との違いや実施のポイント、さらに薬剤師の対応についてもご紹介します。

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「0410対応」とは?

2020年4月10日に厚生労働省より出された、「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」の通達。これにより新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、「オンライン診療」および「オンライン服薬指導」の実施を時限的・特例的に認める方針が出されました。

「0410対応」は、2020年9月からの施行を予定していた改正薬機法によるオンライン服薬指導の内容を大きく変更し、薬局での接触感染を防ぐための措置として前倒し的に認められたのです。

0410対応における非接触の服薬指導では、対面診療か遠隔診療かによらず、すべての処方箋について電話または情報通信機器による服薬指導が特例的・時限的に可能となります。

2021年1月現在も、0410対応は時限的に実施されており、事実上は改正薬機法によるオンライン服薬指導と0410対応によるオンライン服薬指導が並行しているような状態です。次の章では、改正薬機法により緩和されたオンライン服薬指導と0410対応との違いについて解説していきます。

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「0410対応」と「オンライン服薬指導」の違い

新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐことを目的とする「0410対応」とは異なり、改正薬機法が定義する「オンライン服薬指導」の目的は異なります。もともと医療体制が整っていない離島やへき地に住む方、または何らかの理由により通院が困難な患者さまなどに最良の医療を提供することが目的として導入されました。

薬機法が定義するオンライン服薬指導と0410対応による時限的・特例的措置としてのオンライン服薬指導(非接触服薬指導)には、次のような違いがあります。

図表

特徴として、改正薬機法によるオンライン服薬指導は「電話のみ不可」「初回は不可」といった厳しい制限があるのに対して、0410対応では規制が緩和されています。0410対応は時限的な措置として行われているもので、終了時には自動的に改正薬機法のオンライン服薬指導で対応することになります。そのためオンライン服薬指導と0410対応の違いについてしっかりと理解しておくようにしましょう。

ただし、0410対応の実施状況や普及状況など現場の声を受けて、その内容は今後見直される可能性が高いといわれています。厚生労働省の調べによれば、「電話や情報通信機器による服薬指導は2020年5~8月にかけて10万件以上行われ、そのうちのほとんどが0410対応に基づいたもの」とされています。

また、2020年10月からは全国の薬局に対し、対面での服薬指導との比較などの実態調査を行い、その結果によって対応も変わる可能性があります。今後も方針の発表を注視していく必要があるでしょう。

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「0410対応」の流れをおさらい

「0410対応」の流れをおさらい

新型コロナウイルス感染症の終息目処が立たない今、薬局における感染症対策も長期戦を強いられることになります。0410対応に応じた薬局体制へと柔軟に対応し、可能な限りオンライン服薬指導に切り替えていかなければなりません。

しかし、新しい制度に戸惑いを感じている方も少なくないはず。そこで、0410対応ではどのような対応が必要か、改めて対応フローを確認していきましょう。

「0410対応」フロー

1.患者さま側が電話またはオンライン服薬指導を希望する旨を医療機関に申し出、薬局を指定する

2.医療機関が処方箋に一般患者の場合は「0410対応」、軽度な感染者であれば「CoV自宅・CoV宿泊」と明記した上で、調剤薬局へ処方箋をFAX等で送付(適宜、処方箋原本も薬局へ送付する)

3.患者さまから薬局へ連絡または、薬局から患者さまに連絡をとる

4.薬剤師が電話などにより必要な服薬指導を実施する

5.薬局から患者宅に薬剤を発送、受領確認を行う(薬局従事者の配達、家族来局も可能)

6.服用期間中のフォローアップおよび医師に必要なフィードバック

以上の流れを参考に、オンライン服薬指導にいつでも切り替えられる準備を整えておくことが大切です。

現役薬剤師に聞く対応時の注意点とポイント

現役薬剤師に聞く対応時の注意点とポイント

通常の対面で行う服薬指導とオンライン服薬指導では、業務内容とフローが大きく異なります。ここでは、実際に0410対応を受ける際の注意点とポイントを、現役薬剤師に聞きました。

注意点とポイント1:通信環境や情報リテラシーに配慮する

患者さまの通信環境や情報リテラシーによっては難しいことがあるので注意が必要です。とくに高齢者の方ではスマートフォンやPCを扱えない場合も多く、手指が使いにくいパーキンソン病の方や目がみえづらい方などは端末操作が難しいこともあるでしょう。

また、地域によっては安定した通信環境が整っていないことも。患者さまの年齢や疾患、状況なども配慮した上で、服薬指導をより良い環境で行えるように配慮が必要です

注意点とポイント2:オンラインでは対面より伝えられる情報に限界があることを理解する

対面では患者さまの様子や心情、身体の状態など、見て得られる情報も多いですが、音声のみの対応となれば視覚的な情報が得られません。画面越しでは患者さまの細かな変化や様子を感じることも難しくなります。

たとえば吸入指導などは、対面ならデモ機を使って一緒に吸い込みながら指導ができますが、オンラインではそれも難しいでしょう。オンライン上であっても患者さまの情報を今までと同様に収集できること、音声だけでもわかりやすく服薬指導できるかどうかがポイントです。

注意点とポイント3:配送時のリスクがあることを理解する

対面での手渡しと比べ、配送に費用がかかることも患者さまにとってはデメリットになります。また、配送時の保管状況や温度なども薬剤の種類によって十分に配慮し、手元に届くまでの安全を確保することも薬剤師の責務です

配送時に遅れが生じる可能性があるため、残薬の状況を事前に確認することも大切です。これらの配送時に生じうる不利益も患者さまに事前に十分に説明し、配送におけるトラブルを未然に防ぎましょう。

注意点とポイント4:薬歴への記録

0410対応では薬歴の記載に関して、次の要件を定めています。

" 薬剤の配送に関わる事項を含む、生じうる不利益等のほか、配送及び服薬状況の把握等の手順について、薬剤師から患者に対して十分な情報を提供し、説明した上で、当該説明を行ったことについて記録すること"

オンライン服薬指導において、患者さまが不利益を被ることがあってはなりません。オンライン服薬指導を行った場合には、0410対応に基づく対応を行った旨を薬歴に記録し、配送時の不利益などについて十分に説明を行った旨は、薬歴にも記録を残すことが大切です。

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日薬、0410対応の主な流れを整理し公表

「0410対応」で薬剤師に求められる対応と役割

残念ながらまだ新型コロナウイルス感染症は終息の目処が立っていないのが現状であり、今後も0410対応によるオンライン服薬指導の実施が続くことが予想されます。

薬剤師は、これ以上の感染者を出さないため、薬局などを含めた医療の崩壊を防ぐためにも、オンライン服薬指導を積極的に推進していかなければなりません。患者さまのニーズに可能な限り応え、時代の潮流に合わせた柔軟な対応が求められます。

また、電話や画面越しであっても、対面と変わらない十分な情報提供が行えるような仕組みづくり、信頼関係の構築、処方箋の不正入手防止対策、新たな薬局環境の整備やオンラインに即した知識・コミュニケーション技術の習得など、薬剤師としてできることを模索していきましょう。

▼参考記事はコチラ>「0410対応」の電話等服薬指導は当面継続
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オンラインが当たり前になる時代を見据えて

この記事では、0410対応についての概要や改正薬機法のオンライン服薬指導との違い、現場での対応の流れと注意点などについて解説しました。

オンライン服薬指導は新型コロナウイルス感染症の拡大とともに前倒し的に実施されはじめましたが、終息後も社会的なニーズに応じてますます拡大する可能性があります。

オンライン服薬指導が当たり前となってからも、薬剤師としてその機能を十分に発揮できるように、今のうちから情報収集を行い準備しておくことを心がけましょう。

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記事掲載日: 2021/03/03

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