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2018.09.14

「病院薬剤師」ってどんな仕事?薬局薬剤師との違いや、働きがいなど徹底解説!【薬剤師のお仕事ガイド】

「病院薬剤師」ってどんな仕事?薬局薬剤師との違いや、働きがいなど徹底解説!【薬剤師のお仕事ガイド】

薬剤師の皆さんは、病院薬剤師に対してどのようなイメージがありますか。「幅広い業務を通じて専門性を高められる」「医師や看護師と一緒にチーム医療で活躍できる」などポジティブな印象から興味を持っている人も多いでしょう。ですが、イメージだけで実際の働き方についてよく知らないまま、就職・転職を考えている薬剤師が多いのも事実です。

病院には様々な病気で入院されている患者さまもいるため、対応しなければいけないことがたくさんあります。ここでは意外と知られていない、【病院薬剤師の詳しい仕事内容とその魅力】についてご紹介します。(記事更新日:2019年12月6日)

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病院薬剤師と薬局薬剤師の違い

病院薬剤師と薬局薬剤師はその名の通り、病院もしくは薬局で働く薬剤師のことをあらわします。働く場所に違いがあるのはもちろんですが、求められる役割も大きく異なります。ここでは、病院薬剤師特有の業務をご紹介します。

治験業務がある

治験とは、新薬の製造販売承認を得ることを目的とした、未承認薬の臨床試験のことです。病院薬剤師のなかには、治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)として、治験責任医師や治験分担医師の指示のもと、治験の進行をサポートする薬剤師もいます。治験スタッフと協力し、治験が適切に行われるようにサポートするだけでなく、被験者となる患者さまの相談に応じることも大切な業務です。医師や看護師をはじめとする医療従事者や患者さまのみならず、CRA (臨床開発モニター)など製薬会社の担当者とやり取りをすることもあるので、コミュニケーション能力が高い人材が求められています。

救急救命業務がある

病院薬剤師の特徴のひとつに、救急救命業務があることが挙げられます。救命救急センターをもつ大規模病院では、生命の危機に瀕した重症の患者さまが次々に搬送されてきます。一分一秒を争う集中治療室(ICU)の中では、医師や看護師、救急救命士などの医療従事者が治療にあたりますが、救急救命の現場では、薬の誤判断は命取り。薬剤師は医師の指示のもと、適切な薬や投与量、投与方法を迅速に選択し、薬の準備やチェックを行います

また、常に必要な薬が使用できるよう、日頃から使用される医薬品の品質や在庫を管理しておくことも重要な業務です。薬剤師としてのスキルを生かし、患者さまの命を救うという強い意思のもと医療に貢献したいと考える人材が求められています。

病院薬剤師の業務内容は?必要なスキルや条件について

病院薬剤師の業務は、「調剤業務」と「病棟業務」の大きくふたつに分かれます。ここでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。

調剤業務

調剤薬局でもおなじみの調剤業務ですが、主に病院では入院患者さまが使用する薬剤の調剤を行います。薬局との最大の違いは、通常の内服薬や外用薬に加えて、注射薬の調剤や無菌製剤の混注(複数の薬剤を混合すること)、化学療法で使用する薬剤の調製など、対象となる薬剤が多岐にわたることです。外来の患者さまに対して院外処方箋を発行している病院も増えていますが、院内処方を採用している病院では、外来の患者さまに対して調剤を行うこともあります。

病院で使用される薬剤は多岐にわたり、薬局では扱わない治療薬にも触れることができます。様々な薬剤に触れたい方や、最新の治療薬に携わりたいと考える方におすすめです。

病棟業務

最大の特徴でもある病棟業務では、入院中の患者さまに対して服薬指導を行います。近年では、高い効果をもった薬剤が登場するようになった反面、投与方法が複雑になり副作用もこれまで以上に注意が必要になりました。服薬指導を行う際は、これまでの既往歴・副作用歴や服薬状況を聞き取り、これから使用する薬剤について説明。治療開始後はきちんと服薬できているかを確認し、医師や看護師などの他職種に情報を共有します。さらには退院に向けて、薬の自己管理指導や生活指導を行うこともあります。

病棟業務では、カルテや検査データを参照できるので、薬物治療の効果や副作用の判定も可能です改善が必要と判断した場合は、医師に処方提案を行うこともあります。病院ならではの治療に関わっていると実感できる業務であり、臨床に興味のある方におすすめです。

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病院薬剤師として働くメリット

病院で働くことには、多くのメリットがあります。ここでは、具体的にどういった魅力があるのか見ていきましょう。

臨床医療に携われる

入院治療が必要な患者さまに関わることで、急性期の臨床症状や治療方法を知ることができます。疾患の詳細や薬剤の使用方法などは、大学で学んだ知識だけでは十分とはいえず、薬剤師になってからも日々勉強しアップデートすることが必要です。

学ぶべきことが多く大変ですが、自分が提案した内容が採用され治療効果が見られたときは、ほっとすると同時に「提案してよかった」と充実感が得られます。患者さまが元気になっていくところを身近で見守れるのは、何にも代えがたい喜びです。

チーム医療に携われる

治療効果の促進や医療現場の環境改善を目標に、緩和ケア(※1)やNST(※2)、感染制御(※3)などチーム医療として活動を行う病院も増えています。チームのメンバーは医師や看護師だけでなく、事務職員なども含んだ多職種で構成されており、様々な専門家の意見を取り入れて治療に生かしていくのです。チーム医療のジャンルによっては、薬について質問されることも多く、薬剤師としての職能を生かせる場でもあります。

これまで特に関心のなかった分野でも、チーム医療に参加してみると見えてくる世界があります。自分の活動の幅を広げることができるので、良い経験になるはずです。

※1 緩和ケア......がんなど重篤な症状の患者さまとその家族の、身体的・心理的、そして社会的な問題を解決すること。
※2 NST......「Nutrition Support Team」の略。栄養サポートチームと呼ばれ、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士など様々な専門家が集まり、患者さまの栄養管理を支援していく。
※3 感染制御......病院全体の感染症を減らし、感染症診療の質を向上させることが目的。院内の医師、看護師、薬剤師など多くのスタッフがメンバーとなり、連携して活動を行う。

病院薬剤師ならではの知識を身につけることができる

病院では、医師や看護師をはじめとした多くの人と関わります。医師に治療方法を聞いたり、看護師によるケアを見たり、創傷処置や投薬の様子を見ながら薬剤の使い方を身近で知ることができたりします。

また、患者さまから薬以外の質問を受けることもあり、対応力などコミュニケーションも磨かれます。リハビリや栄養管理など、薬剤師が普段対応する機会の少ない様々な体験を通して、多種多様な知識が深まることは、病院薬剤師の大きな魅力のひとつです。

最先端の医療現場に立てる

新薬を使用する患者さまがいる場合、その薬の情報を集めて医師へ情報提供を行うこともあります。入院中や通院中の患者さまであれば、薬効も確認できます。たとえば、抗がん剤では副作用の発現状況をモニタリングして対策や投与量について提案するケースもあり、薬剤師として最先端の医療現場に立てるといえます。

次々に新薬が出てくるので、常に勉強が必要だったりと大変な面もありますが、最新の知識をインプットできるので、ぐんとスキルアップできるでしょう。

長く勤めれば基本給が上がっていく

病院薬剤師は、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師に比べ初任給が低いといわれています。しかし、病院には定期的に昇給があるのです。ボーナスや退職金は基本給に応じて決まるため、長く勤めることを考えると大きなポイントといえるでしょう。

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病院薬剤師になりたい!でもその前に知っておきたいこと

病院勤務は、臨床医療やチーム医療など、薬剤師としてのスキルを磨ける場ではありますが、必ずしもメリットばかりではありません。ここでは、病院薬剤師として働く前に知っておきたい注意点をお伝えします。

夜勤がある

夜勤があるのが病院勤務の特徴ですが、勤務形態は施設によってそれぞれ異なります。たとえば、夜勤者が毎日いるところ、救急当番の日だけでほかの日はオンコール体制(勤務時間外であっても、緊急事態に応じられるよう待機している状態)をとっているところも。

夜勤の業務内容としては、夜間の救急患者や緊急入院された患者さまの調剤が主な仕事。薬剤師の人数が少ない場合は、夜勤当番が頻繁にまわってくることも考えられます。夜勤と聞くと、少し大変そうに聞こえますが、施設によって夜勤の忙しさは異なるため、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。夜勤手当や時間外手当がつくので、稼ぎたい人にとってはメリットにもなるでしょう

残業があることも

外来診療が終わった医師が入院患者さまの処方を出す場合、終業時間間近になって処方箋が大量に来ることも。また、入院患者さまの急変や緊急入院があれば対応しなければならず、残業になってしまうこともあるでしょう。

しかし、近頃ではノー残業デーを設けるなど残業を減らそうという意識が高まっています。また、早番・遅番などの勤務交代がある場合、それぞれの業務範囲が決められているため、速やかに引き継ぎを行うことが可能です。転職を考える際は、働く病院の1ヶ月あたりの勤務時間や、残業時間について事前に確認しておくことをおすすめします。

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病院は薬剤師としての能力を発揮できる場所

病院は忙しい職場ですが、大変なことばかりではありません。多くの経験ができるため、自然と知識は増えますし、たくさんの人と関わることでコミュニケーション能力も上がります。また、臨床の現場は、何よりも薬剤師としての職能を存分に発揮できる場所。やりがいは十分にありますので、病院薬剤師を考えている人はぜひ挑戦してみてください。

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記事掲載日: 2018/09/14

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