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2020.10.28

2020年9月施行「改正薬機法」まとめ!薬剤師が理解しておくべきポイントを解説

2020年9月施行「改正薬機法」まとめ!薬剤師が理解しておくべきポイントを解説

医薬品や医療機器等を取り巻く状況が変化しているなかで、政府は2019年3月19日に、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。改正内容は多岐にわたり、3回にわたって施行されることが予定されていますが、内容が今ひとつつかめていない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、2020年9月に施行される改正薬機法の内容について、薬剤師がおさえておくべきポイントに絞って解説していきます

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2019年に成立した改正薬機法のポイント

薬剤師のイメージ

改正薬機法は、2019年11月27日の参院本会議によって法案が成立し、同年12月4日に公布されました。厚生労働省によると、「国民のニーズに応える優れた医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するとともに、住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができる環境を整備するため、制度の見直しを行う」ことが今回の改正の趣旨とされています。

また、改正の概要において示されたポイントは、次の通りです。

1. 医薬品、医療機器等をより安全・迅速・効率的に提供するための開発から市販後までの制度改善
2. 住み慣れた地域で患者が安心して医薬品を使うことができるようにするための薬剤師・薬局のあり方の見直し
3. 信頼確保のための法令遵守体制等の整備
4. その他

引用:厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の⼀部を改正する法律(令和元年法律第63号)の概要(一部抜粋)

人口構造の変化や技術革新の影響により、医薬品や医療機器の開発に対する期待は、日々高まり続けています。今回の改正点のひとつとして、世界に先駆けた革新的医薬品や患者さまのニーズに応える医薬品を、医療現場へ迅速に提供するための制度について改革が行われました。また、薬剤師に求められる役割がますます大きくなるなかで、「薬剤師・薬局のあり方」について、見直しの議論がすすめられたことにも注目しておきましょう。

※2020年3月11日付で公布された政令(令和2年政令第39号)により、改正薬機法の施行期日は原則として2020年9月1日、改正法附則1条2号に掲げる規定の施行期日は2021年8月1日、同3号に掲げる規定の施行期日は2022年12月1日とされています

2020年9月1日スタート!改正薬機法の内容とは?

薬剤師のイメージ

2020年9月1日より、改正薬機法の関連省令が施行されました。今回の施行では、「公布の日から起算して1年を超えない範囲内で政令を定める」とされていた改正内容が対象となっています。ここでは、具体的な内容について詳しくみていきます。

先駆け審査指定制度の法制化

「先駆け審査指定制度」とは、世界に先駆けて開発され早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる医薬品等を指定し、優先審査等の対象とする仕組みのことをあらわします。2015年に発出された通知「先駆け審査指定制度の試行的実施について」(平成27年4月1日薬食審査発0401第6号)によって運用されてきましたが、改正法の施行により「先駆的医薬品等」と「特定用途医薬品等」として法制化されました。「先駆的医薬品等」は、従来の「先駆け審査指定制度」と同様ですが、「特定用途医薬品等」は、小児用医薬品や薬剤耐性菌治療薬などの、医療上のニーズが著しく充足されていない医薬品等が対象となります。

▼参考記事はコチラ
厚生労働省 第18回 医療機器・体外診断薬の承認審査や安全対策等に関する定期意見交換会
日本病院薬剤師会 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の一部改正に向けた対応について

条件付き早期承認制度の法制化

「条件付き早期承認制度」とは、患者数が少ない等の理由で治験に長期間を要する医薬品等を、一定の有効性・安全性を前提に、条件付きで早期に承認する仕組みのことをあらわします。特定の要件を満たせば、臨床試験の試験成績に関する資料の一部の提出を要しないことが特徴です。こちらも法制化されておらず、2017年に発出された「医薬品の条件付き早期承認制度の実施について」(平成29年10月20日薬生薬審発1020第1号)および「革新的医療機器条件付早期承認制度の実施について」(平成29年7月31日薬生発0731第1号)によって運用が行われていました。

薬局の定義の見直し

従来の薬機法において、薬局は「薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所」と定義されていましたが、改正薬機法では「薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供を行う場所」および「薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供を行う場所」であることが追記されました(改正薬機法第2錠の12)。同時に、薬局開設者の遵守事項や開設の許可、薬局の管理についても、一部改正や追記がされています。

薬剤師による服薬指導の義務化

従来の薬機法のもとでは、一部の薬局や薬剤師においては本来の機能を果たせておらず、医薬分業のメリットが患者さまや他職種に実感されていないとの指摘もありました。改正薬機法では、薬剤師による継続的な服薬状況の把握および服薬指導の義務などが法制化され、これまで以上に対人業務の重要性が求められています(改正薬機法9条の3第5~6項、36条の4第5項)。また、薬局薬剤師においては、患者さまの薬剤等の使用に関する情報を、ほかの医療提供施設の医師等に提供する努力義務も法制化されました

オンライン服薬指導の導入

従来の薬機法では、テレビ電話等を使用して服薬指導を行うこと(いわゆるオンライン服薬指導)は認められていませんでしたが、今回の薬機法改正により、テレビ電話等で適切な服薬指導が実施できる場合において、オンライン服薬指導をおこなうことが可能となりました。2020年4月10日に発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて(0410対応)」により、すでに電話や情報通信機器を使った服薬指導が行われていましたが、法律に基づくオンライン服薬指導とは対象患者や処方箋の扱いが異なる点に注意が必要です。

▼参考記事はコチラ
改正医薬品医療機器等法(改正薬機法)留意事項について(薬局・薬剤師関係)

薬剤師として大切なポイントをおさえておこう

この記事では、2020年9月に施行される改正薬機法の内容を、薬剤師がおさえておくべきポイントに絞って解説していきました。

今回の改正は多岐にわたっており、薬局や薬剤師においても、大きな変化をもたらす可能性が指摘されています。今後も段階的な改正が行われ、次回以降は地域連携薬局、専門医療機関連携薬局といった都道府県知事による薬局の認定制度や、添付文書の電子化などが予定されています。

次回の改正に向けて、今後の動向を注視することが求められていくでしょう。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2020/10/28

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