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  • 公開日:2021.05.12

薬学部の就活はいつから?スケジュールと準備について解説

薬学部の就活はいつから?スケジュールと準備について解説

春を迎え「就職活動」を意識しはじめたけれど、何から手をつけたらよいのかわからないと考えている方も多いのではないでしょうか。

薬学生の就職活動は5年生の3月から本格化されますが、それと並行して卒業研究や国家試験対策を進めていかなくてはならず、両立させるにはしっかりとした事前計画が必要です。

この記事では、就職活動を考える薬学生の皆さんへ向けて、就職までの流れや必要な事前準備、さらに就職活動のスケジュールなどを詳しくご紹介いたします。

薬学生の就活はいつから?

「薬学部は就職に困らない」といわれていたのは過去の話。現在は新政権の規制改革のもと「薬剤師の調剤薬局常駐廃止」が進められており、薬剤師業界は大きく変化しています。そのような状況のなかで就活を行う薬学生のみなさんは、望む先への就職を成功させるため、これまで以上にしっかりとした準備をしていかなくてはなりません。

ここでは、薬学部においての基本的な「就活スケジュール」について解説いたします。

5年生の3月からエントリー開始

一般的には、就活解禁日とされる5年生の3月1日から説明会やエントリーなどが開始され、夏にかけて面接などの選考が行われますそれまでに自己分析や業界・企業研究などを行い、自分の進路を決めておく必要があります。3月になってから慌てて準備することのないよう、しっかりとした計画を立てておきましょう。

また、就活のためだけではなく、社会に出る準備として一般常識や礼節を身につけることも必要になってきます。敬語などは普段から使っていないと、面接のときに「うっかり」が出てしまうものなので、苦手意識を感じる方はとくに早めに取り組んでおきましょう。

多忙な薬学生は「就活スケジュールを把握」することが重要

はじめての就活に関して、様々な不安を感じる方もいらっしゃいますが、もっとも大切なのは「就活スケジュール」を把握しておくことです。 4年生の2月以降から6年生にかけては、実務実習、国家試験対策、卒業研究など、やらなくてはならないことがたくさんあるため、それと並行して就職活動を行わなくてはいけません。

そこで、全体像を把握するために「就活スケジュール」を使用し、学業と就活のバランスを考え今後のを予定を組んでみましょう

就活スケジュール

6年生になってからは、あっという間に時間が過ぎていきます。しっかりとした事前準備が、就活をスムーズに進められるポイントになるでしょう。

薬学部5年生の3月までに必要な就活準備とスケジュール

「就職活動」そのものは3月からですが、自分の考えをしっかりと固めるために事前に十分な準備をしておきましょう。 ここでは本格的な就活に入る前に、済ませておいたほうがよいことや、そのスケジュールに関して解説していきます。

自己分析

就活の基本となる「自己分析」。なぜ自己分析が重要なのか、なぜ行った方がいいのか、具体的な方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。自己分析とは、現在の自分の特徴、長所や短所、価値観を客観的に理解することで自分にとっての「強み」を見つけることです。それにより、自分が向いている業種や、希望の企業に進むための足りない部分を把握することになるのです。

就活においては、自分を理解することで自分に合った企業などが明確化されるでしょう。これが、企業選びの「軸」となり、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながります

また、自分の考えや性格を理解して採用側にうまく伝えられるようになることが目的ですが、自分を知ることは就職だけでなく、今後あらゆるところで関わってきます。なるべく早めのうちに自分の軸を持つことで、この先の人生がより納得感のあるものになるでしょう。

●自己分析の流れ

ステップ1・自分史を作成する
ステップ2・自分史でみつけたエピソードを掘り下げる
ステップ3・記載内容から「自分の魅力」「自分の欠点」を書き出す
ステップ4・「過去の自分」と「今の自分」から自分の将来像を考える
ステップ5・これまでの流れから企業選びの「軸」を書き出す
▼自己分析に関する参考記事はコチラ
【薬学部必見】就活における自己分析の目的と方法を徹底解説

業界研究・企業研究

自己分析と同時に進めておきたいのが業界研究と企業研究。

まずは自分のやりたい職種や業界について調べていき、徐々に具体的な企業に絞って調査を進めていきます。業界研究において重要なのは、すべての業界をきちんと知ること。「薬局」で働きたいと考えているとしても、他の業界を知った上で就活を行うのと、知らずに行うのでは、そこに大きな差がつきます。同じ薬剤師でも業種が違えば、内容も視点も変わってくるのです。「薬局」「病院」「ドラッグストア」「製薬会社」「公務員薬剤師」「薬剤師が関わる一般企業」など、薬剤師業界についてきちんと調べることが大切です。

自己分析を進めながら、自分が何にやりがいを感じるのか、どうしてこの企業を選んだのかなど、企業を選ぶ基準となるポイントを意識しながら進めると志望動機も明確になるでしょう。

なりたい自分をみつけよう!「薬学部の業界研究」参考記事はコチラ▼

病院薬剤師の仕事と働き方

調剤薬局における薬剤師の仕事と働き方

ドラッグストアにおける薬剤師の仕事と働き方

製薬会社における薬剤師の仕事と働き方

企業における薬剤師の仕事と働き方

公務員薬剤師の仕事と働き方

インターンシップ

夏から秋にかけて、企業ではインターンシップを行います。インターンシップとは、限られた期間で学生に就業体験の機会を提供する制度のことです。

実際に薬局や病院などで就業体験をすることで、自分が将来どのような仕事に関わっていきたいか、どのような働き方をしたいかなど、自分の価値観が明確になりますし、職場の雰囲気を感じることができるので、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

また、1社だけではなく、業種別に複数のインターンシップを利用することで働き方の違いや、どのようなスキルが必要なのかを理解することができるので、興味のある病院、薬局、企業などをピックアップし、複数のインターンシップへ参加してみるとよいでしょう。

▼インターシップ関する参考記事はコチラ
【薬学部の就活】インターンシップは行かなくていい?期間や参加のメリットを徹底解説

OB・OG訪問

「OB・OG訪問」とは、同じ大学を卒業した社会人の先輩を訪ねて、そこでの業務内容や働く環境、さらに職場の雰囲気や詳しい採用事情などについての情報を得るために行います。ある程度自分の志望する業種や興味のある薬局、病院、企業などが絞れてきたら「OB・OG訪問」を行って現場の声を聴いてみましょう。

「自分が考えていた雰囲気とは違った」「先輩の本音の意見が聴けた」など志望職種を選んでいくうえで先輩の意見はとても参考になります。訪問するOB・OGを探すには、大学のキャリアセンター(就職課、学生課)を利用するのがおすすめ。その他にも、同じ研究室やサークル活動の先輩を訪ねてみるのも得策でしょう。

▼OB・OG訪問に関する参考記事はコチラ
【薬学部の就活】「OBOG訪問」のメリットや方法について解説

エントリーシートの準備

「エントリーシート」とは、採用側の書類選考や面接などの選考において使用される書類で、おもに採用側が学生に聞きたい質問を中心に構成された提出書類。「自己PR」「採用されたらどんな仕事をしたいか」「教訓としていること」など採用企業によってそれぞれ質問の内容が異なります。

それに対して「履歴書」は、氏名、住所、経歴、保有資格など個人の情報を確認するための公的な書類。志望動機や、特技などを記載する欄もありますので使いまわしはせず、それぞれに合わせた内容を準備するようにしましょう。

3月から企業のエントリーや説明会が開始されるので事前に「エントリーシート」を書いておき、家族や友人、大学の就職課などに添削を依頼しておくと慌てずに就活が進められます。

エントリー後の薬学生の就活スケジュール

薬学生就活

エントリーした企業の多くは、6月頃から内定の通知が出始めます。同時に、6年生は国家試験対策や卒業研究などで勉強に追われる時期でもあります。忙しいこの時期、「うっかり」をなくすために気をつけなければならないことは何でしょうか。

エントリー・説明会への参加

3月1日になるとエントリーが開始されますが、薬学部向けの合同説明会の多くは休日開催され、1社あたり20分~30分ぐらいの時間配分で行われます。

また、最近は新型コロナウイルスの影響を考慮して、オンライン企業説明会や、オンラインインターンシップを実施している企業も多くあります。リアルタイムで質疑応答できることや、参加する心理的ハードルも低くなるなどの観点から今後も実施する企業は増えていくでしょう。

エントリーする際には複数の企業を比較したうえで選択していくことが重要です。とくに、薬局やドラッグストアなどについては同じような特徴をもつ企業が多くあるので、説明会で企業の特色をチェックし、どの企業が自分に合っているのかをしっかりと確認しましょう。 このとき、3月までに済ませた「自己分析」や「業界・企業研究」などを活用し、自身が就職で大切にしたいと考えている点や、自分の理想に近い企業であるかをチェックしながら進めていくことをおすすめします。

理想にかなった職場を探すためにも、勉強や研究の合間をみて積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

就活がうまくいかないとき

インターンシップ、自己分析、業界・企業研究。どれもしっかりと準備したはずなのに、「なぜか就活がうまくいかない...」「なかなか内定が決まらない...」「まわりの友人が内定をもらって焦っている」といったお悩みをお持ちの方も少なくありません。 就活がうまくいかないと感じる時は多く、とくにそれが第一志望の企業であれば精神的にも落ち込んでしまいますよね。

しかし、企業との相性もあり不採用になる場合も多く、悲観的な気持ちにならずに前向きにとらえましょう。 また、エントリーシートや履歴書、面接でのコミュニケーション、マナーなど原因はいくつか考えられるので、以下を参考にもう一度振り返ってみることも大切です。

●就活がうまくいかない原因

・就職の軸が決まっていない
・ビジネスマナーが守られていない
・エントリーシートや履歴書に問題がある
・面接でのコミュニケーション
・選考後の反省が次に活かせていない

振り返りを行って、とくに落ち度がない場合は志望先の企業カルチャーとマッチしていないことも考えられます。何度も不採用が続くようでしたら志望職種を変え自己分析からやり直してみるのも一つの方法です。

「不採用通知」が届くと、自分を否定されたような気持ちになり、落ち込んでしまいますよね。そんなときは一度就活から離れて気分転換。リラックスできる環境に身を置いてしっかりと休みましょう。 体勢を立て直し再スタートすることで、肩の力が抜けてうまくいくことも多くあります

▼「就活がうまくいかない...」そんなお悩みの方はコチラ
【薬学部の就活】就活がうまくいかない原因とその対策方法

まとめ

薬学部の皆さんも、他の学部と同様にしっかりとした準備が大切です。とくに実務実習や試験対策などと並行して準備を進める必要があるので、スケジュールと就活対策を早い段階で練っておかなくてはなりません。 まずは、企業の就職活動が解禁となる5年生の3月までに、自己分析や業界・企業研究を終わらせることを1つの目標にして、準備を進めてみてはいかがでしょうか。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2021/05/12