ファルマスタッフ薬学生
  • 公開日:2021.03.11
  • 更新日:2023-11-13

【薬学部の実務実習】実習期間や概要は?スケジュールなど詳しく解説!

【薬学部の実務実習】実習期間や概要は?スケジュールなど詳しく解説!

薬学教育モデル「コア・カリキュラム」に基づき、より質の高い薬剤師を養成するため、2019年より薬学部の実務実習は3期制から4期制に改訂されました。これにより薬学生は病院と薬局の協力のもと、22週間の実務実習を行うことになります。

多くの現場を体験し、たくさんの患者さまと関わることができる実務実習。薬剤師の教育を充実させる意味でも期待が高まっています。

今回は、薬学部の実務実習の概要や期間、それぞれの実習場所などについて詳しく解説いたします。

薬学実務実習とは?

薬学実務実習とは?

実務実習とは?

医療技術が高度化されるなか、国は質の高い薬剤師を養成するため、薬学部の教育課程を「6年制薬学教育」と「4期制実務実習」に再編成しました。

薬学実務実習は、薬学教育モデル「コア・カリキュラム」に従い、事前学習、共用試験(CBT・OSCE)を経たうえで行われる参加型の実務学習です。

文部科学省が示すガイドラインには「それまで薬学部で学んできた知識・技能・態度を基に臨床現場で『基本的な資質』の修得を目指し実践的な臨床対応能力を身につける参加・体験型学習」と定義されており、薬剤師として活躍できる基本的な知識・技能・態度、そして問題解決能力の修得を目指すものであるとされています。

実習期間は、薬局実習11週、病院実習11週の合計22週。在宅医療や病棟業務など、おもに「患者体験」を重視した内容が組み込まれています。

▼参考資料はこちら
文部科学省 薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂の概要
文部科学省 薬学実務実習に関するガイドライン

実務実習参加のためには

実務実習に参加するためには、薬学共用試験に合格する必要があります。この試験は、全国の大学で統一されており、知識を評価する「CBT(客観試験)」と実技を通して技能や態度を評価する「OSCE(客観的臨床能力試験)」から成り立ちます

どちらの試験も毎年12月から1月にかけて本試験、2月後半に追・再試験が行われており、そのうち「CBT」は本試験を受ける前に体験受験を行うことが可能となっています。年間スケジュールを組み、計画的に学習するよう心がけましょう。

▼参考資料はこちら
年間スケジュール 薬学共用試験センター

薬学実務実習の日程について

実務実習の日程は?

2019年度より、薬学部の実務実習が3期制から4期制に変更されました。より多くの患者さまと接し、代表的な疾患を体験する実習期間を確保することが目的です。

実務実習のスケジュールはⅠ期~Ⅳ期制で行い、薬局実習(11週)と病院実習(11週)の2種類があります。この2期を連続で実習する必要があり、Ⅰ期で薬局実習を行う場合は、Ⅱ期に病院実習というように、続けて実習期間を設けなければいけません。

これまでの実務実習は、「事前学習」「病院実習」「薬局実習」の3つの領域に分かれており、内容が重複する部分も多くありました。しかし、現在は病院・薬局に共通している業務の評価が統一され、病院・薬局のどちらかで修得すれば、再度同じ項目を学ぶ必要はありません。重複時間を減らすことで、より多くの患者さまと接することができ、それによって貴重な体験を積むことができるでしょう。

令和6年度の実習日程は?

令和6年度の実習日程は以下の通りです。

・第Ⅰ期 2/19(月)~5/5(日)

・第Ⅱ期 5/20(月)~8/4(日)

・第Ⅲ期 8/19(月)~11/3(日)

・第Ⅳ期 11/18(月)~2/9(日)

3期制から4期制への変更により、実務実習の開始時期は約2か月間早まりました。そのため、条件によっては4年次の2月から実務実習が始まる学生もいます。

また、5年次の夏から冬にかけての時期は、企業がインターンシップを実施する時期でもあります。この時期は実習中心の生活になるため、自分が志望する企業のインターンシップと実務実習が被らないように、しっかりとしたスケジュール管理が必要になるでしょう。

▼参考資料はこちら
令和6年度実務実習実施日程

実習場所や指導してくれる人は?

薬学実務実習とは?

実習場所はどう決まる?

実務実習先の薬局や病院を決める際、各地域の調整機構が受け入れ先を調整する場合と、大学独自で受け入れ先を決める2つのパターンがあります。 実務実習の受け入れ先としては、以下の条件を満たした薬局、および病院が選定されます。

受け入れ施設について

【病院】

(受け入れ施設の要件)

(A) 一施設のみで行う場合

a)病床数は問わないが、実習生が代表的な疾患(がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症)患者に継続的に関われる病棟を有すること。

b)病棟における実習の重要性に鑑み、薬剤管理指導業務を実施し、院外処方せんの発行を推進していること。病棟薬剤業務実施加算を届けていることが望ましい。

c)認定実務実習指導薬剤師が1名以上配置されていること。

d)原則として、認定実務実習指導薬剤師の指導を補完するに相応しい指導薬剤師(日本病院薬剤師会認定指導薬剤師など)が複数配置されていること。

e)日本病院薬剤師会賠償責任保険(施設契約)又はこれと同等の賠償責任保険に加入していること。

(B) グループ施設で行う場合

a)責任施設(基幹となる病院)を中心に地域でグループを組み、グループ全体で、実習生が代表的な疾患(がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症)患者に継続的に関われる病棟を有すること。

b)責任施設は、薬剤管理指導業務を実施し、院外処方せんの発行を推進していること。責任施設は、病棟薬剤業務実施加算を届けていることが望ましい。

c)認定実務実習指導薬剤師が、責任施設に1名以上配置されていること。

d)認定実務実習指導薬剤師の指導を補完するに相応しい指導薬剤師(日本病院薬剤師会認定指導薬剤師など)が、各グループ施設に配置されていること。

e)各施設において、日本病院薬剤師会賠償責任保険(施設契約)又はこれと同等の賠償責任保険に加入していること。

引用:一般社団法人 薬学教育協議会「病院における長期実務実習に対する基本的な考え方」

【薬局】

受入薬局は、以下の体制を備えた薬局であること。

①関係法令を遵守し、適切に業務を実施していること

②受入薬局は、「薬学実務実習に関するガイドライン(以下、「実習ガイドライン」という。)」に基づく実習環境が整備されていること

③複数の薬剤師が勤務する場合、当該薬局の認定実務実習指導薬剤師(以下、認定指導薬剤師)を中心として、勤務する全ての薬剤師(以下、「指導薬剤師」という。)が協力して実習を行う体制を確保していること

④開設者が実習全体の責任を持ち、認定指導薬剤師と連携を取り、適切な実習を行う体制を確保していること

受入薬局の要件については以下に示す通りとする。

(受入薬局の要件)

ア.実習ガイドラインが求める地域保健、医療、福祉等に関する業務を積極的に行っていること。

なお「健康サポート薬局」の基準と同等の体制を有していることが望ましい。

イ.「代表的な疾患※1」に関する症例を実習できる体制を整備していること

ウ.認定指導薬剤師が常勤していること

エ.薬剤師賠償責任保険に加入していること

※1 がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症(「薬学教育モデル・コアカリキュラム 平成25年度改訂版」F薬学臨床 より)

引用:一般社団法人 薬学教育協議会「6年制薬局実習の受入薬局に対する基本的な考え方」より

実務実習の指導員は?

実務実習では、薬剤師としての心構えやコミュニケーションの取り方、患者さまへの対応に関することなどを指導員より学びます。 実務実習の指導員は「認定実務実習指導薬剤師」が中心となって担当します。

▼「認定実務実習指導薬剤師」の資格要件はこちら
認定実務実習指導薬剤師認定制度実施要領|一般社団法人 薬学教育協議会

実務実習の内容は?

実務実習のカリキュラムは、文部科学省が定めた「薬学教育モデル コア・カリキュラム」に沿って、できるだけ多くの患者さまと接することができるように設計されています

具体的には、「薬学臨床の基礎」「処方箋に基づく調剤」「薬物療法の実践」「チーム医療への参画」「地域の保健・医療・福祉への参画」の項目があり、「患者体験」を重視した実習を進めることがポイント。そのなかでも、「がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患・感染症」の8疾患について、実際に患者さまと継続的に関わることが推奨されています。

参加する学生は、指導薬剤師のもとでこれらをすべて学ぶことができますが、「疑義の確定」と「麻薬の取り扱い」に関してだけは見学のみにとどめられています

実務実習の服装や持ち物は?

服装について、基本的に初日はリクルートスーツ、翌日以降は清潔感のある私服(襟付きのシャツなど)で訪問します。実習中は、清潔な白衣を着用します。立っている時間が長くなりますので、靴は足が疲れにくいものがおすすめです。

持ち物は、名札、筆記用具、メモ帳などを準備するとよいでしょう。メモ帳は、ポケットに入るサイズのものが、持ち運びやすくおすすめです。また、昼食について、病院実習の場合は院内の食堂やコンビニを利用できることが多いですが、薬局実習の場合は近くに飲食店やコンビニなどがないこともあります。休憩時間も様々ですので、臨機応変に対応できるように、お弁当などを持参するとよいでしょう

服装や持ち物は実習先によって異なりますので、できれば事前に確認しておきましょう。

まとめ

この記事では、薬学部の実務実習について、実習の内容や期間などを詳しく解説しました。

実務実習に参加するためには「CBT」と「OSCE」に合格する必要があり、さらに実習の時期によってはインターンシップなど、就職活動との両立が必要になってきます。学習計画などの事前準備をしっかりして、6年間のスケジュールを意識した学生生活を送りましょう。

ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2021/03/11